東京のまちづくり ナンバー129
トップページ トピック 特集 コラム コラム 建設局

イキモノのイキな話78

アジアゾウ

上野動物園初のアジアゾウ妊娠

恩賜上野動物園  三塚 修平

 現在、上野動物園には4頭のアジアゾウがいます。オスのアティ(19歳)と、メスのダヤー(39歳)、スーリヤ(22歳)、ウタイ(18歳)です。野生では、アジアゾウはメスを中心とした家族で群れをつくり、オスは10歳程度になると単独でくらすようになります。そのため当園でも、オスとメスを別々の運動場で飼育しています。

 アジアゾウの繁殖行動ですが、普段は単独生活のオスが、3〜4カ月に一度やってくるメスの発情期に合わせて、群れに近づき交尾をおこないます。当園ではメスが発情期に入るとオスの運動場に連れていき、交尾のための同居をおこなう方法で繁殖をめざしてきました。アティと年齢の近いスーリヤとウタイを対象に、10年ほど前からこのような同居を実施してきました。同居をおこなうためには、メスに発情期がいつ来るのかわかっていなければいけません。アジアゾウは外見や行動の変化で発情を見分けることが難しいため、週1回、採血をおこなって血液中の性ホルモンを測定することで、発情期を予測しています。予測した時期に合わせて同居をおこなってきましたが、オスが経験不足であること、またメスが嫌がって逃げる行動をとることなどにより、これまでなかなか交尾に至らない状況が続いていました。しかし、徐々にアティは肉体的にも精神的にも成長していき、特にウタイとの同居時にうまく交尾姿勢をとることができるようになっていきました。

 そして2015年10月の同居の後、ウタイが妊娠していることがわかったのです。上野動物園では、アジアゾウの妊娠は初めてのことです。妊娠期間は約20〜22ヵ月なので、早ければ来年の6月頃には出産を迎えます。期待も不安もありますが、まずは母子ともに健康に出産を迎えられるよう、万全の準備を進めていきたいと思います。



〜動物園の"かお"〜

多摩動物公園 タスマニアデビル

 5月にオーストラリアから多摩動物公園にやって来たタスマニアデビルの姉妹です。2頭は、腰の白い模様の大きさで見分けられます。(メイディーナは、腰の白い模様がマルジューナより大きく、さらに胸の白い模様が左足の脇まで入っています)。

タスマニアデビル