福島から来たユーラシアカワウソ
井の頭自然文化園 飼育展示係 浅見準一
5月22日、アクアマリンいなわしろカワセミ水族館からユーラシアカワウソの「はな」(2歳)が来園しました。
彼女を迎えるために、放飼場にはなるべく大きな池を作り、樹木を植えて自然な景観を整え、土の部分を多くするよう設計しました。放飼場は約1か月で完成しましたが、植栽を引き抜いたり、踏み固めたり、折られたりする心配もあるので、植物が十分根付くまで1か月半ほど動物を入れずに養生することにしました。
来園当初、はなは大きな環境の変化と元来の警戒心の強さ、そして臆病な性格も影響してか、日中ほとんどの時間を巣穴で過ごし、たまに顔をのぞかせる程度でした。
それでも早朝見に行くと草の上でリラックスしていたり、日没近くには巣穴から出て池で泳いでいたり、開園中には見られない本来の姿を見せてくれました。えさも夜間に残さず食べ、心配した植物へのいたずらも少なく、放飼場は青々と保たれています。。
そして、はなは徐々に環境に慣れてきました。寝ている姿を見ていただくために作った巣箱に入っていることもあります(一部が透明アクリル板になっています)。また、開園中に池で泳ぐこともあります。本来の彼女に近い姿が見られるようになりつつあります。