ニシゴリラのリキ誕生と姉モモカの成長
恩賜上野動物園 東園飼育展示係 田村由美
上野動物園では野生と同様にシルバーバックのオスを中心とし、複数の大人のメスとその子ども達からなる群れで飼育を行っています。2017年10月9日、モモコがオスの「リキ」を出産しました。今回の出産で5産目のモモコは、手馴れた様子でリキの面倒を見ています。
リキはすくすくと成長し、目が見えるようになり周囲のものに興味を持つようになりました。また、歯が生えはじめてからは、近くにある枝葉や金網、モモコや自分の指をよくしゃぶったり噛んだりしています。
今回の出産ではじめて自分よりも年下の子どもに接する姉のモモカ(4歳)は、はじめは触り方が荒く、モモコによく「ダメ」というように手を払われていました。時には執拗に触りすぎて、モモコからパンチをくらったことも…。優しくそっと触ることを覚えてからは、モモコもモモカがリキに触ることを許しました。
モモカの次のステップは小さな子どもを抱くこと。モモコにリキを抱かせてもらっても、すぐに「もういい」とでも言うかのようにリキをモモコへ返してしまったり、運び方が危なっかしかったり、まだまだ練習が必要そうです。これから少しずつモモカも抱き方を覚えていくことでしょう。
群れの中で子どもが育つということは、兄妹や他の群れのメンバーにとってもよい刺激や経験となっています。子どもの成長や育児の様子、そして群れのメンバーがどう関わっていくのかを是非観察してください。なお、リキの健康管理のため、急遽展示を見合わせる場合や展示終了時間を早めることがありますのでご了承ください。