第15回議事要旨

開催日時:平成17年2月18日(金) 午後2時~4時
開催場所:東京都第一建設事務所会議室(1階)

[議事及び議事録要旨]
1. 開会

2. 報告事項

 [1] 神田川再生構想検討会

前回の流域連絡会で示された懸案事項について事務局の方から調査結果を報告した。
  • 浮き島型の浄化槽については墨田区に問い合わせたところ、五基のうち一基しか稼動してなく、効果もあまり無かったとのこと。
  • 『日本橋川・亀島川河岸ガイド』については来年度には印刷できる状況にする。
  • 分科会の発足については東京都主導で作るのは難しく、委員側でグループをつくり、会議の結果を流域連絡会に報告してもらうという形を取る。

 [2] 『神田川再生構想検討会』最終報告について

河川部より『神田川再生構想検討会』にて検討された『神田川再生構想』についてパワーポイントを用いて説明を行った。

3.意見交換

○ 浮き島型の浄化施設について

【都民委員】
 浮き島型(浄化施設)の実験が芳しくないということですが、もう少し積極的に検討していただきたいです。
【行政委員】
 大田区の呑川でも、曝気式の屋形船形式のものが稼動しているので、そういうものも含めていろいろと調べて、研究するのがいいと思います。

○ ガイドプランについて

【都民委員】
 ガイドプランは作って要請する相手というのは一建とか自治体ということですか?
【行政委員】
 この目的は、要するに要請事項ですから、開発者に対して要請する事項をまとめようということなんです。まず1つは、何を要請していくのか、どんなことをお願いするのか、川沿いの開発をする、あるいは建てかえる人たちにどんなことをお願いするのか、その内容と、それから手段です。そのまちづくりの計画段階からお願いをしていく。大規模な開発ですと、私ども都市整備局のほうで開発許可の窓口がありますので、そこに、もう計画ができた段階じゃなくて、計画の事前相談が来る段階で要請をしていこうと考えています。

○ 亀島川のテラスついて

【都民委員】
 亀島川にテラスがありますね。あれはどうなるんでしょうか。もう随分前からできているんですけれども、あれはどういう活用をするものなのでしょうか。
【行政委員】
 あそこのテラスについては、去年、橋詰のところの耐震護岸というのを行いまして、そういうところが少し残っていたものですから、護岸の上を歩けるようにしたり、蔦を這わせて修景したりといった整備がとまってしまっています。
 中央区の17年度予算で川に関係して動きがありまして、中央区全体の川と運河の水面利用の活性化調査について委託がついております。これは、水に恵まれた中央区の水の資源を、『緑化』や『にぎわいを創出すること』とかを含めて、今後、どのような形で整備をしていくか、そういうことを決めていこうということで、来年度委託の中で方向性を亀島川も出していきたいなと考えております。その際には、東京都さんのほうは、この日本橋川・亀島川流域連絡会を通して、亀島川を含めた日本橋川の河川整備計画をこれまで検討してきたところがあり、東京都さんの考えもありますので、調整をしながら、役割分担をし、亀島川の具体的なテラスの上をどのようにしようかというのを考えていきたいなと思います。
【都民委員】
 今は何か船の係留のあれになっちゃっているんですよね。船を使っている人は非常によろしいでしょうけれども、我々都民とすれば、あんなものは係留なんかしてもらいたくないですよね。
【行政委員】
 はい、わかりました
【行政委員】
 亀島川のテラスですけれども、あそここそ建物を、玄関を川のほうに向かせるには、やはりテラスというものを早い時期にきちっとした遊歩道なり何なりにしていかないと、途中に川に向かって塀のあるところもありますよね、それに大体切り立った建物の後ろ側が見えているという感じで、だからそれを、先ほど来の構想として建物の玄関を表に向かせるということから考えても、やはり早く何とかしていただきたいと思います。
 係留の問題ですけれども、亀島川のずっと下流の南高橋のほうに行くと、本当に何重にもとまっていて、かなり大きな船があったりして、まるっきり一面に係留、している状態なんですよね。せっかくテラスがあるんだから、もっとちゃんと遊歩道として歩けるようにして、徐々に、そうすれば建物のこっちへ出るような口もつくりたいという流れになると思います。

○ 神田川再生構想における官民のすみ分けについて

【都民委員】
 神田川再生構想の、まちづくりとセットで川の環境整備を図っていくという方向というのは、大変有意義だと思うんですけれども、舟運というのが脚光を浴びています。現実的に、商業的に使えるという形になるとある種の活力が出てくるということがあると思うんです。今後、これからそういう舟運なんかでいろいろな河川を利用するというときに、官が主導してやっていくのか、民の商業的なパワーを使っていくのか、その辺の方向というのをお聞きしたいんですけれども。
【行政委員】
 河川部の指導調整課ですが、一般的な舟運、港湾区域と河川区域とは別々な動きをしているんですけれども、河川のほうでも開いていこうというスタンスではあります。特に防災船着場みたいなところで人気の高い船着場には、相当使わせてくれという話が入っています。その中で、公平にやるという前提からいくと、まだまだ調整するものが残っていまして、1つは管理の問題。それから、防災船着場を使っていくときに、例えば1つの船が長くそこにとまっていると、いろいろとほかの使用に差し支えるようなことがあって、実際上それを運営していくルールというようなものはまだ十分詰まっておりません。ただ、方向的にはかなり急いで詰めなければいけないという方向になっております。

○ 首都高速について

【都民委員】
 上の高速道路をどうにかするという、その点については、区民の1人としてすごく感じておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
【都民委員】
 国土交通省で前から調査をしていますでしょう、あり方検討会をつくって、あれはその後、進展はあったんですか。
【行政委員】
 継続的にまだ協議中ということしか聞いてないです。
【都民委員】
 そんなに長くかかるんでしょうか。前回にもお伺いしたのと話が全然進展していないですよね。地下化はなかなかいいプランだと思っているんですけれども、それで頓挫しちゃっているんですよね。それはどうなるんでしょうか。
【行政委員】
 私どもも河川の立場で要請できる局面では積極的に要請していこうとは思っているんですけれども、ただ、問題は非常に複雑なのかなとは思っているんです。
【都民委員】
 いや、この前もそういうふうに言われたんです、複雑。計画はすごく立派なものをこの前もいただきました。でも、計画なんかどうでもいいんです。実現してもらいたいんです。
【都民委員】
 いや、そうでもないですよ。やっぱり案はきちっとしたものが大事です。それを軽んじてもらっては困る。
【都民委員】
 いや、それはそうですけれども、それから先に進んでないということは。何回もいろいろな案をいただいていますよ、案は。案は立派ですけれども、それから先に進んでいなければこの案は何もならないということですよ。
【行政委員】
 確かにおっしゃるように、日本橋川にかかる高速道路というのが、特にクローズアップされて、幾つかのプランを出したというのが2年ぐらい前です。その割には進まないじゃないかという、そういう気持ちを持たれるというのはわかります。ただ、何千億とかかかるような事業ですから、なかなか一足飛びにやっていくということは難しいところがあります。じれったいんでしょうけれども、そのあたりはご理解をしていただきたいなと思います。
【都民委員】
 日本橋の上に架かっている高速道路の問題は、そうすっとできる問題ではないですからね。ただ、こっちが強く言っていくということは大事ですけれども。
【都民委員】
 僕ももちろん高速道路は早く何とかしてもらいたいということは思っているんですけれどもね、であるがゆえに、逆にこういう会で川をよくして、それで川ににぎわいを取り戻し、いろいろ川のそういう環境整備をしていけば、ますます川の上にある高速道路は、これはおかしいんじゃないかということがより一層多くの人にも広げていけるということも、この川の流域連絡会の持っている1つの大きな目的だと思うんですよね。
 それともう一つは、やっぱり現実的なこのモータリゼーション社会の中では、いい悪いは別にして、あそこはやっぱり都心の中で、今、何十万台かわかりませんけれども、車が通っているということもまた現実なわけです。あれをパイプカット的にするということは、お金の問題とかあらゆる問題からなかなかできないことでしょうから。我々のできる範囲で何ができるかということの中で方法を考えると、やっぱりこの川をできるだけよくしていくということも1つの着手じゃないかなというふうに僕は思っていますけれども。

○ 中央区の施策について

【都民委員】
 『神田川再生構想』の25ページの「各区の計画」の中で、中央区が条例なしで、「中央区の風景づくり」が平成4年になっているんですが、その後の進展はあるのでしょうか。「(参考資料)神田川の現状と課題」の一番最後に「各区の計画」が書いてありますが、中央区が結構少ない。条例なしということと、「中央区の風景づくり」が平成4年という形になっているのですが、その後、中央区では、何かこういう計画的なものはまだ何もつくっていないのでしょうか。
【行政委員】
 景観条例とか、景観の関連計画については、中央区は特にこの動きはないと思います。ただ、こちらの右の表を見ていただければ、先ほど話がありました亀島川の緑の散歩道を早く整備してほしいとかいうことを踏まえて、私どものほうも結構実は動いていたんです。来年度の委託の中で、総合的に中央区の水辺のあり方を、あるいはにぎわいを戻せる方法をつくっていこうということになってますので、計画というか条例だとかそういうのはありませんけれども、そういう取り組みはしているということをご理解いただきたいなと思います。

○ 日本橋川の魚類の生息状況について

【都民委員】
 河川に生息する生物、魚類の生息状況の表がありますけれども、これを見ますと、日本橋川は、ボラの項目だけですね、丸がついているのは。ですけれども、実際に歩いてみますとコイがところどころで生息しているのがわかるんですけれども。私は、ちょっとこういう河川で、コイ以外のものが生息できるかどうかというような状態を見たいと思っているので、提案なんですけれども、例えば、フナを日本橋川に放流して、それが本当に生きられるかどうか、生息していけるかどうかというような実験をしても意味がないかどうか、検討できればと思うのですが。
【座長】
 環境局さん、フナの放流実験についてコメントをいただければ。
【行政委員】
 私のところで担当としてフナを放していいとか悪いとかというようなことは、所属部署からは言える立場ではないんです。個人的な意見としては、生息調査を見ると、ここではボラしかいないんですけれども、アユの話も聞いています。それから、フナも当然、ハゼの種類も当然いるはずです。それから、スズキの子どものセイゴですね、ああいうのもいるはずです。かなり魚の種類は、私、各区市さんからの情報をもらっている範囲では、かなりの種類がいるはずです。それで、先ほどのご質問の中で、ボラだけというのは、この日、この時に、この地点でとったらボラしかとれなかったと。極端に言うと、もっとうまいとり方をすればもっととっているわけですよね。かなり豊富にいると思います。やはり水の量がほどよく豊かに豊富できれいであるならかなりいいと思いますが、雨天時の排水で巻き上げて酸欠になって詰まってしまうと、そういうような形で死んだり、あるいは下流に流されたりするのが一般的なことではないのかなというように私は思っています。
【都民委員】
 川を見ても、魚もすんでいないような川だと見向きもしなくなってしまうんですよね。何か生物が生きて、あっ、動いているなというのがわかるだけでも、川ってこんなものだということで、見る方向に持っていけると思うんですけれども。
【都民委員】
 日本橋川のたもとのところに住んでいる友達がいるんですけれども、毎朝ビルの上から見ると、結構日本橋川は魚がいるそうです。よく見えると言っています。それから、神田川の秋葉原周辺でもコイがすごくよく見えるときもありますので、やはり先ほどの水の量の関係もあるかもしれないけれども、まだいますよね。だから、いるということをみんなに、本当は川にたくさん魚が戻ってきているよということを、広報することによって、じゃあ、もう少し川がきれいになったらもっといるかなというふうに考えるかもしれないです。ですから、この川にはこういう魚が今はすんでいます、だから水を大事にしましょうというような広報というか、そういうことも必要かなと思います。

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