第4期第4回詳細議事録

開催日時:平成19年2月9日(金) 午後2時~4時
開催場所:東京都第一建設事務所入札室(1階)

[議事及び詳細議事録]
1.開会
2.日本橋川の浄化活動について(NPO法人地球環境ネットワーク)
【NPO法人】
地球環境ネットワーク、U-NETと略称で呼んでおりますが、その事務局を担当している青木と申します。よろしくお願いします。
まず会員誌「U-NET通信」ですがこの裏側の最後のページに示しましたが、私ども、始めは名橋日本橋保存会、今年で36回目になるのですが、7月に日本橋の橋洗いの日というイベントがありまして一昨年の7月に私どもが作っております、シャボン玉石けんというところで作られました「EM液体石鹸」を使った事がきっかけで私どもとEMを活用して頂く事になりました。EM自体は微生物の菌ですので、増やすために糖蜜など餌が必要ですし、このEMを増やす装置が必要ですが、一年半経ってようやく昨年の12月11日に千代田区の西神田に作りました。
11月の中旬から毎週10t、毎週木曜日にEM活性液というのを投入し始めております。昨日で110t日本橋川に投入を続けております。

EMというのは最初は農業資材、土壌改良剤として農薬化学肥料に変わる農業の材料として開発された物で日本でも各地の農家から普及が始まりました。開発したのは1982年です。現在で25年掛かっております。アメリカなど海外でも普及が進んでおりまして約130カ国以上で使われております。
日本では株式会社EM研究所、有限会社サン興産業の2つの会社でEMを実際に作っております。海外でも50カ国ぐらいで独自でEMというものを作って、タイなど東南アジアや中国では日本の倍くらい使われております。ヨーロッパではもちろんアメリカでも認証を受けて作られてやっております。

最初は土壌改良剤として普及したのですが畜産の牛、豚、鶏に飲ませたら病気になりにくくなった、抗生物質を使わなくてよくなったということがわかってきて、畜産で使われるようになりました。畑に使ったら、畑から出てくる水が澄んだ水になったといったこともわかりはじめて、これは水にも使えるのではないかということで使われました。
それから、環境関係で普及が始まったのは生ゴミリサイクルです。行政のほうで、生ゴミが増えているということで、そのリサイクルにEMを使う事になりまして、行政が各家庭で行う生ゴミリサイクルに補助金をだして支援する、といった形で日本でも非常に増えてきました。

最近になって川や海での浄化、そのきっかけになったのは道頓堀もそうなのですが、その前に2001年、海苔の色落ち問題で有明海が非常に問題になりました。海苔の養殖業者の方々がEMを土に混ぜて乾かしたもの、EM団子というのですがこれを何十万個と作って海苔を養殖している所に投入したところ、2001年以降はあまり色落ち問題がでてこないと結果が出まして、去年も一昨年も過去最高に採れるようになってきて、今は問題がなくなってきています。今年は暖冬で水が温かくなっているようなのですが、有明海のときは伊勢早干拓湾の埋め立てのせいで海苔の色落ち問題が出たと言った事もあったようですが、実際はそうではなくて酸処理等いろいろ問題があって海苔の色落ちが出てきたので、養殖されている方々はEM団子をいっぱい海に投入する。それから今、日本橋川で行っているように川の方からも投入する。今日本橋川に1tタンクというタンクが10基あるのですが有明海沿岸ではこれが最低でも50基程ありまして、そこら中の方々がそれを使って流しています。
有明の方では海苔の養殖用地問題等いろいろ事情がありまして、農林水産省や国土交通省の工事事務所など色々な方に支援していただきまして現在も進めております。以上がEMの概略です。

次に、まず微生物という物は大きく分けて善玉菌と悪玉菌の2種類がありまして、今工業が発達して、いろいろなことで悪玉菌だらけですが、善玉菌と言う菌は麹だとか麹が味噌、酒、醤油を発酵させて作る、乳酸菌がチーズ、ヨーグルトを発酵させて作る、という形になっておりますけども、EMの中には乳酸菌と酵母と光合成細菌が入っています。その他食品関係で使われるいい微生物が入っていますが主な物は今言いました乳酸菌、酵母、光合成細菌の3種類が中心になってEMは作られております。
つまり、EM菌という1つの菌があるのではなく、乳酸菌や酵母や光合成細菌をまとめて作った物がEMという物だと思って頂きたいです。
その中の光合成細菌というのは一番古い生き物としてずっと生き残っているものです。それと乳酸菌、酵母はチーズとかパン、ヨーグルトといった物で作られていますので、一応商品としては土壌改良剤という名前で「飲まないでください」と書いてありますが、これは口に入れても全然問題はありません。そういう意味もありまして、先ほどの団子は全国の小学校、中学校のお子さんが土を捏ねて、1週間~2週間程乾かして作るものです。

EMは農業などいろいろなところで使われておりますが、環境浄化の中でやっているものとして特に水ではEM活性液、これはEMを糖蜜で増やした物のことです。
これを日本橋川では現在は週10本、暖かくなったら週20本ずつ増やして投入して行こうと考えています。どういう働きをするかというと、後から解った事ですが、下にあるヘドロ層、これは川も海も同様にEM活性液が入っていきますとヘドロは有機物が分解されないで残っているものが中心ですので、その有機物を発酵分解するというのがEMの一番の特徴です。ですからヘドロを無くします。

EMは菌なので、物理的に操作で掬い取るといったことではなく、流して様子を見ながらということになりますので、これを流したら何ヶ月後にこういう風にきれいになりますと言い切れない部分はあります。ですが、やっていくと必ず臭いがなくなってきて大腸菌が減ってヘドロがなくなる形になります。特に川など流れを持っている所は活性液を流しただけだと流れ去っていくので、団子にして何回もやっていれば定着してくるのです。そういう意味では少しでも定着するようにということでヘドロがあるような所に団子を投げ入れます。これは小学校のお子さんとかは喜んで参加しますので、地元で川の評価というものに注目していただきたいという時にはこれをやりますと子供さんも喜ぶし、それがきっかけになって川に注目する事もあると思います。

それと「米のとぎ汁EM発酵液」とありますが、全国各地、米のとぎ汁をそのまま台所から流すと、それが環境を汚す大きな原因の一つになるのです。そこでEMを入れて米のとぎ汁EM発酵液を作って流すと環境汚染源が逆に環境浄化源になってくれるのです。
そういう効果があるので全国各地で主婦の方々にお集まり頂いた時に米のとぎ汁EM発酵液を作って頂きまして、台所の食器洗いやお風呂やトイレに入れてそこから流して頂くといった事をやっております。これは相当全国で普及が進んでおります。

だいたいこんな形でEMは、1つのEMという液は売っていますがこれを糖蜜で増やしてEM活性液にして川に流したり、土と混ぜ団子にして川に投入したり、米のとぎ汁EM発酵液で各家庭の台所から流すというような形で今普及しております。

有明海の2001年の海苔の色落ち問題時に地域の方々がEMに注目されまして、いろんな所からEM活性液を流したり、平成15年にはEM泥団子を29万1346個投げたということで、こういう形で海苔養殖業者や漁協、地域のお子さんやボランティアの方が必死になってやりまして、今有明海の海苔は大豊作が続くようになっております。
次に注目された道頓堀川の浄化、これは大阪市漁協の方々がシジミが淀川で取れなくなってきまして、シジミは海の近くで採れますから上流からEMを流して採れるようにしたいということで、道頓堀とかいろんな所にEMを流し始めまして結構成果が出てきたのですが、NHKの「元気ですか日本列島」という番組でその取り組みを全国放送してくれまして8分位ですがビデオがありますので見てください。
(ビデオ上映)
道頓堀のヘドロが減った事の証明ですが、50cmくらいですがヘドロがこれだけ減りました、EM液投入を始めたのが平成15年ですが、去年9月の産経新聞にその後シジミが獲れなかったところがどんどん獲れるようになってきたということが載っていました。

それと英虞湾でも浄化をやっておりまして、ヘドロの多い所ではヘドロがあるうちはどうしてもアマモが生えてこなかったのですが、EM活性液を投入し始めて表層が変わってきたらアマモが広がってきました。結構各地でヘドロのあるところは植物も動物も少ないのですが、川や周りからEMを流してヘドロが減ってくると魚も増えて、植物も増えるという形になっております。

それと次の資料に載っていますのがEM活性液の家庭での作り方です。また1tタンクは縦・横・高さ1m位の大きさです。西神田には場所がなかったので二段にせざるをえなかったのですが、このタンクが10基あります。
英虞湾のような場所では地面がいっぱいありますから横に並べられるのですが、東京の場合はどうしてもいい場所、地面を探すのに相当時間がかかりまして一年半掛けてやっと昨年の11月の中旬位から実際に活性液を流し始めた状況です。
まだ冬の間ですから特別な変化は出ておりませんが、EMを入れているからかは分からないですが、ちょっと綺麗になったとか魚が見えるようになったとか、地元の方々がいろいろな関係者に話をしはじめているという話はお聞きしております。今はそのような段階で、これから春になって暖かくなればもっと増やしますし、団子も日本橋とかもっと上の新三崎橋とかもっとそれ以外のところの橋から、子供さん達が団子を投げて、活性液を西神田の方から流していけば結構早く、私たちは2年くらいかかると思ってやって下さいといっております。結構早く魚なんかも来るのではないかと期待しております。以上です。

【座長】
ありがとうございました。それではEMについてご質問等ありましたらどうぞ。
【都民委員】
ビデオ大変参考になりました。本当にこの通りだといいと思うのですが、ただ心配も幾つかあります。
一つは日本橋川は日常の雨が降らない時はおっしゃるように魚がいっぱいあがってきてきれいなのです。何もしなくても。だけどまずいのは、大雨が降った時に一気に流れる生活雑排水がDO度をゼロにして魚を死滅させてしまう。それがヘドロになってしまうということがあります。従って今やっておられる実験がその日本橋川の流量に対して完全に無くなる事ができるのかどうか、EM液を投入し続けなければいけないのかということ。
それからその絶対量をどのくらいに算定しておられるのか。絶対量というか、汚れの度合ですね。雨が降ったら雑排水が流れるので状況は刻々と変化しますが、それに対してEM菌が同じような投入の仕方で大丈夫なのかどうか、微生物だから下の状況が悪ければ全部死滅してしまいます。そうするとかえって悪影響になるという可能性もないわけではないです。その辺も教えて頂きたい。
もう一つはEM菌を今まで1週間で10t、夏場20t流すということですが、費用はどの位なのか、それからそういう活動を市民が行う場合の皆さん方で要望される、希望されることがあれば教えてください。
【NPO法人】
難しい質問ですがどのくらい入れたらどうなるというのは計算出来ないです。
【都民委員】
生ゴミに対してのEM菌の量はだいたい計算できますよね。これぐらいの量に対してこれぐらい入れればというのがありますよね。基本的にはそういうのは分かるのではありませんか。
【NPO法人】
完全に分かりきって計画、計算ができるかというと、できないのです。
私達はできれば河川の水の量の5千分の1か1万分の1の量は入れると良いという形で、大体池の浄化などは水の五千分の1とか1万分の1位のEMを投入すると言う形でやっております。
有明海や瀬戸内海などいろいろな地域でも現在やっています。海などは拡散すると無限大になるので何とも言えないのですが、そういうところも結構投入した所の近場に留まっていると言えます。頭で考えると全く無駄だとか、流し去ったら無駄だとかそういうことはあるのですが、今まで色々な川でいつも洪水だ、大雨だ、と計画通りではない状況でやっておりますのが、こうだからこうだったとなかなか私共で言えないです。淀川でも継続してやっていたらこういう形で去年くらいからシジミがまた復活してきています。
淀川みたいな大きな川でも1回で170tという量のEM活性液を流しているのです。それもいくら流したらいいかという事ではなくて、このくらいでやってみようということで手探り状況で今やっているというのが事実だと思います。
EMをやったら変な事が起こるのではとさっきおっしゃいましたが、今のところ1982年からEMを扱いだしまして土壌改良材として使用したり、池や湖の浄化とかいろいろなところに使われて、それも日本だけではないのです。中国では日本の2倍以上のEMをいろいろなところで使っていて、砂漠化の阻止にも使っています。それでEMで人が死んだとかは起こっていないです。それはなぜかというと、人間が生まれてから育ってずっと発酵食品とかを食べてますね。あれは菌を食べているのです。それと同じです。これも発酵で使われた菌をまとめて土壌改良剤として使ったら肥料を発酵、分解して植物が良い栄養として採れるようになったということです。
【NPO法人】
質問は絶対量かどうかという問題と、自然の洪水その他が出てきた場合、永久に効くのかという二つの疑問だと思うのですが、端的にお答えすると、どれだけあればいいという絶対量はないけれども、経験的に今まで汚れの度合によって5千~2万分の1くらいの間、比較的きれいなところで滞留するような所では2万分の1ぐらいで綺麗になったという実績もありますし、少しきれいなところは5千分の1くらいです。
そこに入ってくる、流れ出てくる分の水質、東京だと高速道路などで悪質な雨水が入る状況がありますので、これは今、中央区、千代田区の皆さんが非常に詳細なデータを取っていますので、それを見ていくとかなりはっきりしてくると思われます。ですから、入るもの出るものとの関係もありますから絶対的にこれをやればいいというような事はありません。
【NPO法人】
費用の問題ですが、EM1号が1リットル2000円で糖蜜が700円から800円ぐらいです。それを1000倍まで増やせます。それが先ほどのEM活性液です。培養して増やして、それを投入するのです。
【NPO法人】
それから一回入れれば永久に効くのかという質問ですが、先ほどから説明させて頂いているように、微生物は私たちが一生懸命大事に培養して育てて流してあげないと、自然界では悪玉菌が圧倒的に多いので死滅するということで、一度入れて綺麗になれば永久に綺麗になるといった事はないので状況をみながら量を減らすということで今までやっております。
【NPO法人】
費用の問題ですが、EM1号が1リットル2000円です。糖蜜が700円から800円ぐらいです。安く買おうと色々探せばもっと安いところもあります。それを1000倍まで増やせます。それが先ほどの活性液です。培養して増やして、それを投入するのです。
【NPO法人】
私が実際やっている経験からいうとだいたい諸費用含めてリッター50円位ですね。そのぐらいの金額で培養経費は落ちます。量的に相当要求されるにもかかわらず、コストとしてはかなり安いです。
【行政委員】
これは自然界に流す物ですからリッター50円はそんなに安くないですね。
でも映像のようにちゃんと結果が出るのなら効果はあると思う。ただ日本橋川は干潮河川ですから、大雨が降った時の汚れとは別に塩分濃度が変わったりしますがその辺は大丈夫なのですか。
【NPO法人】
有明海でもやるので河川でもやれます。また、EMを培養する時に場合によっては塩を入れて増やします。その方が良い場合もあります。
【都民委員】
逆に強い菌であると、反面そんなに強い菌なら自然界に流した時に自然のヘドロの中にでも生きていて善玉と悪玉の菌が統合して少しずつ駆逐してゆく可能性もあると思うのですが、そういうことはないのですか。
【NPO法人】
強いのではないのです。菌が強いというわけではなくて、例えば塩分を入れると、塩分に含まれている微量のマグネシウムとかを餌として培養が非常にうまくいくわけです。
実際にここで出てくるこれは、空気にさらされて落とされると死滅してしまうというものですから、そんなに強くないです。
【都民委員】
団子を何百個か川の中に放り込んで、ヘドロの中の悪玉菌をやっつけるわけですが、それで少なくなったら善玉菌、EM菌が多くなります。すると悪玉菌が相対的に少なくなります。
【NPO法人】
悪玉菌がいなくなって餌が無くなると成長できなくなるので、この善玉菌は生きていけません。
【都民委員】
そうすると善玉菌は餌があるから生き残るということなら、一定量を放り込めば後は自然界の浄化作用の中でEM菌そのものが自立的に増えていくのではないでしょうか。
【NPO法人】
流入する新たな悪玉菌がなければそういう可能性もあると思うのですが、経験的には汚染環境が悪化しているのでなかなかそういう事にはなりません。
【NPO法人】
今は河川にひっきりなしに汚染物質が入ってくるのです。本当は各家庭の中からEMを使っていただいてやっていくと良いのです。ヘドロが減りさえすれば後はヘドロを減らすためにEMを増やして投入していたものを減らしていけばいいのです。
人間が河川に有機物を投入するかぎり今のままだと水の中でも海でも残ってしまいますから。
【都民委員】
減らしていくことは出来るけれども、全くゼロには出来ないということですね。分かりました。
【NPO法人】
お金の問題は現在中央区、千代田区さんが設備費用も含めて自主的な活動としてやっておられます。区というか行政ではなくて、そういう会が一生懸命やっておられますので、日本橋川を浄化する過程でどういう費用が掛かったと、全部オープンになると思いますので、浄化の実績なども含めておそらく公表されると思います。
現実に東京と大阪と田舎では全部違いますので、東京の状況で一番真実に近いのは、今まさに始めたもののその後の状況を追うということが一番正確だと思います。
【都民委員】
3つ質問があるのですが、まず泥団子を川に投入すると言いましたが、日本橋川はあまり川の流れがないのですが泥団子の泥を投入した場合、ヘドロがなくなるかもしれませんが、泥が堆積していくのではないかと思うのですがどうなのでしょうか。
あと発酵時には必ずガスが出るかと思うのですがどのようなものが出るのかということ。
それからもし私がEMを投入したいと思った時にはどこに連絡をしたらいいのかということが知りたいです。
【座長】
3つ程ご質問がありましたがよろしいですか。
【NPO法人】
最初に日本橋保存会の皆様にご説明させていただいた時もそのようなご心配が出たのですが、川は大水とかがでてくると全部流し去ったりしますよね。ヘドロが溜まるよりはこの団子の量は微々たる物ですから私は全然影響ないと思います。それよりも大水が流れたときに流れ去ると思いますし、この団子自体は水の中で溶け出します。
【都民委員】
泥の割合はどれ位でしょうか。
【NPO法人】
泥の割合は1対10ぐらいだと思います。
【都民委員】
どういう泥を使うのですか。
【NPO法人】
最初はその土地の特性に合ったそこのヘドロを使っていたのですが、経験的に私ども実際に河川でいろいろやってみると、やはりなるべく真土、どこか削って出てくる土ですが、そのほうが変な雑菌が入らないので良いということで最近は真土を中心にやっています。泥団子という割には、実際には真土に近いものを使っています。
2件目の発酵時のガスに関してですが、これは二酸化炭素が出ます。あとは水です。また、田んぼでやるとメタンが出るのを防ぎます。メタンや窒素を食べてしまうのです。
【都民委員】
二酸化炭素が水中に入った場合、魚などは酸欠にならないですか。
【NPO法人】
問題ないです。三つ目についてはご連絡いただければ連絡いたします。まだEM自体メジャー商品ではないので一部のホームセンターで売られているということもありますが、普通のお店ではまだ出ておりません。
【都民委員】
投入する時に、やはり河川ですからどこか管理しないと、みんな勝手にやってはいけないと思うのです。ある程度管理するような場所、例えば東京都とか中央区とかどこかに申請してから投入するということではないのですか。自分たちで勝手にやってしまっていいのですか。
【NPO法人】
今公共の場に投入する場合には害がある物は駄目です。
害がないと証明されている物に関しては特に許可の必要は無いです。それは全国各地それでやっています。
【都民委員】
土の団子ですから、無限に入れるわけにはいかないのではないですか。
【NPO法人】
どんどんというわけにはいきません。人数にもよります。普通の人が3000個投げるのは大変ですから。
【NPO法人】
東京の場合は特に、むしろそういう資材を持ってきて作るという準備作業が大変難題です。ですから今、日本橋川の浄化をみなさんと一緒に私どもが応援させていただいている時には茨城とか群馬とかそっちのほうから作って用意して持ってこないと実際には東京ではできないという実態があるのです。
東京では土を探すのさえできない。実際にやると難しい問題があるというのが事実です。
【都民委員】
地域の人はやはり少しでも川を良くしたいと思っているわけです。自分達で出来る事は良い物であれば手伝いたいし、自発的に自分でもやりたいと思っているわけです。ただ、泥があるわけだからやたら入れすぎるという事も懸念せざるを得ないとおっしゃっている。僕もそう思います。そういう心配はあるわけです。
【都民委員】
2点ばかり教えて頂きたいのですが、ビデオを見ていてヘドロの所にEM団子を入れたら歩けるようになったというシーンが出てきました。何となく地盤改良剤にもなるのかという印象を受けました。
それから経験的なことでやっておられると言う事ですが、当然水質管理の観点からみますとBOD、CODの測定は絶対にされていると思うのですけれども、魚が戻ってきた、貝が復活したとかありましたが、BOD、COD、DO、SS等の科学的な数値の変化がどのように変化しているのか、データを教えていただきたい。
最初の地盤改良にもなっているというのをご説明頂けますか。
【NPO法人】
なかなか私たちがやっているのはきちんとデータをとってやっているというのは少ないです。そのなかでも英虞湾の浄化については三重県とEMの関係団体が契約して3年間やりました。
【都民委員】
BOD、CODがいい方向に向かったのかだけでも教えてください。
【NPO法人】
途中経過ではいろいろあるのですが、分解する過程ではむしろBODが濁ってという現象が起こって、それが進むと下がるという実績は出ています。このへんは今、日本橋川でかなり詳細なデータを学生さんたちの協力を得て週1回ほど取っていますのでいずれ公表出来ると思います。やはり身近なところで起こったデータを参考にされたほうがいいと思います。
大阪の場合は大阪シジミ協の専属の皆様が、実際にシジミが取れなくなった所でEMが使えるかどうか確認するために団子500個あの区域を限定してやって、その結果がTVで放送された物です。私たちはやっていないのですが、本人たちに聞くと間違いなくそういう状況のようです。
【都民委員】
要するに軟弱地盤に土が入って堅くなったという印象なのではないのですか。ヘドロが砂になるというのは考えにくいです。
【NPO法人】
あれはヘドロが分解して砂地になったということです。
【都民委員】
それは考えられないでしょう。ヘドロの中には砂だって流域分布の中に入っているのですから。土の中には菌のあらゆる種類の物があって最下から全部集まった物が土砂としてある訳だから、ヘドロが大きな固まりになるというのは考えられないです。
【NPO法人】
EMの場合は微生物ですから、有機物を分解するしかできません。
【都民委員】
だからこれは粒子が大きくなってくるというのは考えにくい。ヘドロが砂になるというのは。
【NPO法人】
ヘドロが砂になるのではなくて、ヘドロが分解して、砂地が残ったのです。私達が実際にやったわけではないので何とも言えないのですが、ヘドロの状況だとズブズブと入るけれども、ヘドロが少なくなってくると元々あった砂地の部分が主流になるのでそれだけ沈まなくなったという表現です。
【都民委員】
そうなると表面的に高さが10分の1増えたとか減ったとか、そういうようなことがあるのではないですか。
【NPO法人】
道頓堀の場合は、今掘り返したりして変わってしまっているので何ともいいようがないのですが、ヘドロはある一年間そうとうEM活性液をどんどん流した時には、やったところの同じ場所で、前より最低50cm減ったということはでているのです。いろいろなところで実際に必ず減っているのです。それはいえるのです。なぜかといわれるとなかなか難しいのですが。
【都民委員】
それは出すべきではないでしょうか。私は非常にいいと思うのですが、全然データが出ていないのです。いいことずくめで本当に良いとは思いますけど、データが出ていないと何にもならないです。
【NPO法人】
いや、あります。大阪の漁協がはかったものがあります。あとはさっきいいました英虞湾、三重県と共同で実験をやったのですが。
【都民委員】
そのデータを見せてください。
【NPO法人】
それは三重県のホームページで。すいません。データを説明する会とは考えていなかったものですから。
【都民委員】
こういう資料も見やすくていいですが、同時にデータがある方が分かりやすいのではないですか。
【座長】
それでは改めてデータがまとまりましたら話をして頂く機会を作りたいと思いますのでお願いします。
【NPO法人】
分かりました。
【行政委員】
20年間やられているということですが、開放水域でやるよりも普通は閉鎖水域で、簡単にいうと水槽で実験をやってこうなりましたという論理的な筋道でやるのですが、開放水域での事をいくら言われても、流量変化がどうであるかというということを実証しない限り減った増えたという議論が科学的ではないです。
したがって、10年間やられた実績の中で閉鎖水域の中で、極論でいうと水槽の実験の中でこのEM菌が経年的にどういうふうに変化していったのか、あるいは魚との関係でどんなプラスがあるか、マイナスがあるかと言う事を当然の事ながらやられているのかなと思うのですが、そこはどうなのですか。
【NPO法人】
EMの場合そこが一番弱いのです。
【行政委員】
弱いとかではなくて、否定するわけではないですが、公共水域でやるということはやはりそれ相応の責任があるわけですから、それ以前の話として通常閉鎖水域で、私だったら実験するとすれば閉鎖水域で影響ない範囲で経年変化をみます。それでこれがどう変化するか、いろんな手法を用いてジャッジします。
それで結果的に大丈夫かなというところで、では試しに開放水域でもやってみようか、というような合理的な積み重ねでやるわけですが、そこの構成がどうなっているのか、非常に重要な事だと思います。EMを否定しているわけではないです。
【NPO法人】
閉鎖で、例えば実験でビーカーの中でやるというのは微生物の場合、生き物ということで、意味がないです。区域と大気との関係でやっているので、ビーカーでの実験は意味が無いというのははっきりしています。
そうではなくて、閉鎖水域、池でやるとか、そういう自然界との関係で汚れた川や魚がどうだということがあるわけですから、そういう自然界で十分通用する、そういうところはそれぞれ色々各地でやっておりますのでそれが実際にはデータとして出てないのではないかという。
【NPO法人】
実際、地域の方々がこうやったらこういう結果が出たということでEMは普及したのです。
【行政委員】
それは科学的ではないです。結果的にどうこう言われても説得力がないです。
【座長】
では、また改めてデータ等が集まりましたらご報告の機会を設けさせていただきますのでよろしくお願いします。今日のところは時間もございますのでよろしいでしようか。
では次の議題に移りたいと思います。
3.日本橋川亀島川の見学会結果について
【座長】
去年の11月日本橋川と亀島川の見学会を行いました。
その結果について船上から見た日本橋川と亀島川を写真に撮ってありますのでこれをご覧頂いて、その時のアンケートも頂いておりますのでご紹介をしながら皆さんから後議論頂ければと思います。
【事務局】
昨年11月16日に船で回って頂きました。潮の関係で9時という早い時間に集まっていただき、ありがとうございました。当日はルート説明、状況の説明を行った後「つきじ」及び「かわかぜ」の二艘に分かれて見て回りました。
(スライド説明)
【座長】
船上から見た日本橋川・亀島川を見て頂きましたが、これはお手元にA3の綴じたものに今の写真が入っています。当日はこういった状況の中で行われました。
それでは引き続き頂いたアンケート結果について事務局から簡単に説明をお願いします。
【事務局】
今、当日の様子を振り返ってみましたが、その後アンケートを書いて頂きました。まとめたものがお手元にあると思います。
アンケートの内容は、1.日本橋川を見た印象はどう思われましたか、2.亀島川を見た印象はどう思われましたか、3.川について意見はありますか、4.自由意見の4つについて書いて頂きました。今回の資料はそのアンケートを忠実に書き出して分類したものです。
4.意見交換(5.その他)
【座長】
ありがとうございました。日本橋川、亀島川について、改めて発言しておきたいことがありますか。
【都民委員】
意見の中には東京都から見ると違和感があるものがないでしょうか。
両岸の景観について沿線50mは景観に配慮するというのが出来ていて、既にこういう方向になっていると思います。その他に違和感はないでしょうか。
【座長】
アンケートを見て東京都、千代田区、中央区を含めて何かありますか。
【行政委員】
今週の水曜日に予算を発表しました。その中で、去年の「水辺利用の活性化に関する方策」で亀島川のリーディングプロジェクトとして5年以内に実施すると示した緑の散歩道の調査委託の費用の計上が決まりました。
この流域連絡会でも数年間に渡って、テラスがむき出しになっているので緑化して散策道として整備できないかと要望をいただいておりましたが、来年度そのための調査を実施していくことになりました。
既存のテラスを活用して散策道を整備し、船が止まっていた辺りの上の部分に公共の土地があるので、そこを拠点的にしていきたいと考えています。テラス、壁面緑化と立体的に調査しまとめていきたいと思います。
【座長】
河川部さんからは何かありますか。
【行政委員】
沿線50mの景観の配慮については、指導であって文案化されているものではありません。
また、首都高の移転については9月に報告があり、検討は進んでいます。
【都民委員】
この会の中で、調査委員は国交省の中だけで構成されているので建設局の人も入った方が良いと報告しましたが、その後どうなりましたか。
【行政委員】
前回、4案の中から小泉総理に報告するということを説明したと思うのですが、その後検討が進み、1つの案にまとまりました。移設するのであれば、神田橋付近から日本橋川の右岸地下を通り、常盤橋付近で左岸地下に渡って江戸橋JCT付近で地上に出る南-北ルートを推奨すると報告されました。
河川部としては治水対策は終わっているので、その後の水辺の関係で何かお手伝いが出来るかと思っています。具体的には検討中と聞いています。
【都民委員】
前回中央区から報告がありましたが、亀島川に関してリーディングプロジェクトの調査計画の予算が計上されたということで、この流域連絡会の成果が大変評価されていると思いました。
【都民委員】
今の意見と同じですが、宮本さんのご努力によって亀島川が注目されて予算が計上されたのはよかったと思います。
今まではビルが背中ばかり向けて空調機ばかりが見えて衝立のようでした。こういうことによって徐々に正面を向いてもっと活性化されると思います。ご努力頂きありがとうございます。
【都民委員】
まだ資料を配れるほどには至っていませんが、日本橋シンポジウムというものを地域の環境を考えているグループで計画しています。いずれ企画案を作って配りたいと思っています。行政、企業、地域が一緒になってやるべきだと思うので、協力をお願いします。
【都民委員】
建設局がやっているのか、27日に川に関係している団体が一同に会する意見交換会がありますが、あれはどういう会なのですか。
【行政委員】
それは産業労働局の観光部です。
【都民委員】
あれは環境のためのものなのですか。
【都民委員】
もう一つ趣旨が分からないです。
【行政委員】
中央区では先ほどの「水辺利用の活性化に関する方策」をまとめましたが、東京都も水辺利用を図っていこうということでまとめています。それと川、海も含めて産業労働局の観光部が進めています。水辺で活動している方々の意見を聞いて、情報をうまく共有しながらもっと大きな力を発揮できるように、意見を聞く会を開きたいと考えて企画していると考えています。
【副座長】
最近、東京都から「10年後の東京」という有料の冊子が出たのですが、これに8つの大きな目標が掲げてあります。その中に「水と緑の回廊で包まれた、美しいまち東京を復活させる」という目標がありますが、具体的にどのような項目なのですか。
これは相談なのですが、川の汚れは住居が汚水を流している限りきれいにならないとありますが、どうしたら良いのでしょうか。こういう方法をとったらこうなるという指針を示して欲しいです。
【行政委員】
「10年後の東京」の中の水と緑に包まれた美しい町については河川部ではテラス整備などを考えています。条件が整ったところで行っており、現在、江東区小名木川で進めています。港湾局でもやっていると思います。日本橋川で出来るかというと難しいと思います。
二つ目の川の汚れについては隅田川、日本橋川で浚渫事業を行っていると聞いています。
【座長】
補足すると、「水と緑の回廊で包まれた、美しいまち東京を復活させる」ということでは日本橋川と、隅田川の出口から上に上ったところの浚渫をしっかりやっていくことを考えています。こういった所を今進めています。
【都民委員】
小名木川のテラスは素晴らしいです。日本橋川で出来ないことはないと思います。
【行政委員】
日本橋川だと首都高のピア(橋脚)の問題があります。今のままでテラスを前に出すのは問題があります。首都高が移転して、地域全体でということであれば考えることは出来ると思います。
【都民委員】
亀島川、日本橋川でも係留している船を撤去すればテラスは出来るのではないでしょうか。
船上見学会で橋下を通ることが出来なくて亀島橋の手前で引き返したことに驚いたのですが、防災の時はどうするのでしょうか。60%くらいは通れないと聞いたのですが、こういうことは何とか出来ないのでしょうか。
また、亀島川はプレジャーボートがとても多いです。多いところには4艘も並んでいます。一向に改善されないですが、これはどういうことなのですか。
【行政委員】
係留船の問題については、進捗がないという指摘ですが不法係留については事務の方で対策を講じています。
テラスは今のところ水利計算上難しいです。橋については、船が通るには橋を上げなくてはいけません。例えば、1m、2m上げると、橋と道路がとても擦り付かないです。
【都民委員】
橋を上げると考えるのではなく、高さの低い船を作ればよいのです。この時間帯に通れる船を作れば良いのではないでしょうか。実際に避難するときはゴムボートを使うはずです。
【都民委員】
常盤橋に防災船着き場があるが、活用されていないです。防災時にゴムボートを使うのであれば、ゴムボートを常備したり、ゴムボートを使ったイベントを行ったりしたらよいのではないか。
【都民委員】
そういう指導は今は出来ません。そういう会を作ってお互いやりましょうとしないと難しいと思います。
先日、芝浦2、3丁目を歩いたのですが、両岸に非常に立派なテラスを作っています。よくこんな費用が出たと思うくらいのものなのですが、あそこは昼の住民はほとんどいないので人通りも少なかったです。それにつぎ込むのなら日本橋川などに予算をつぎ込んで欲しいと思いました。
【座長】
港湾局が行っている運河ルネッサンスの一環だと思います。
【都民委員】
こちらからみるとあちらにはお金をつぎ込んでいると感じます。市民がこういう感情を持っているということを伝えて欲しいと思います。
【都民委員】
ゴムボートでも良いが、ソウルの川も300億掛けて復元できたようなので、日本橋川、亀島川でも不可能ではないと思います。もう少し検討して幅広く作っていった方が行政も動きやすいのではないでしょうか。技術的には可能だと思います。
6.閉会
【座長】
いろいろ意見をもらったので行政側も検討してもらえればと思います。それでは日本橋川・亀島川流域連絡会を終了させて頂きます。ありがとうございました。

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