第5期第2回議事要旨

開催日時:平成20年9月18日(木) 午後2時00分~4時00分
集合場所:東京都第一建設事務所 入札室(一階)

一、開会
 ・座長挨拶
二、委員の自己紹介及び活動等紹介
三、報告事項
 ・亀島川の整備計画について(河川部)(中央区)
 ・日本橋川の緑化事業について(千代田区)(中央区)(河川部)
 ・浚渫工事及び水面清掃事業について(一建)
四、その他(意見交換)
五、閉会

第五期・第二回日本橋川・亀島川流域連絡会 写真

  • (開会)
  • (行政委員)
  • (都民委員)
  • (委員自己紹介)
  • (河川緑化計画について)
  • (日本橋川護岸緑化について)
  • (日本橋川浚渫工事説明)
  • (水面清掃事業)
  • (意見交換-1)
  • (意見交換-2)

日本橋・亀島川流域連絡会

[議事及び議事録要旨]

1.開会

 事務局、座長、副座長より開会の挨拶。

2.委員の自己紹介及び活動等紹介

 第五期第2回となり委員の入れ替わりが在った為、行政委員、都民委員、第一建設事務所の自己紹介。

 座長が異動のため事務局の推薦により多澤第一建設事務所工事課長に決定。

3.報告事項
・河川緑化計画について(河川部)

 東京都では水と緑につつまれた景観を創り出していこうということで、河川についても緑化計画を立案しているところでございます。別紙にございます、河川緑化計画図というのはまだ案ではありますが、これから東京都の河川をどのように緑化していくかということの概要図的なものであります。

 日本橋川と亀島川につきましても、緑化をその場所に合った形で進めていきます。一建さんと千代田区さん、中央区さんと協議を重ねながら、どういったことができるかを今後詰めていき設計作業に順次入っていく、そういった段階でございます。

・亀島川の整備計画について(中央区 宮本委員)

 亀島川の緑化については、昨年の亀島川の流域連絡会で中央区としての緑化計画を立てるということで、皆様にこの会で報告させていただきました。東京都さんの方でも今説明がありましたように緑化を進めていくという事になっており、私共の中央区の計画を取り込んで、東京都さんがこの亀島川の緑化をより進めて頂くという話がまとまりましたので、今回は整備計画について報告させていただきます。

 まず1番の目的ですが、亀島川はコンクリート張りのテラスが設置されております。上の部分が未整備のために皆様方から緑化をしてほしい、あるいは憩いの散策路にしてほしいという声が多く寄せられておりました。

 2番目に、亀島川テラスや周辺の現状でございます。テラスは川の両岸にございますが、その幅は1.1m~2.3mでかなり狭い状況です。またテラスの高さですが、水面は満潮の高さがAP+2.1mという高さです。それに対してテラスの一番上の部分がAP+2.3mということで、満潮になるとテラスと水面との差が20cmしかない様な状況です。

 3番目に、護岸につきましては旧稲荷橋に比較的広い部分がございます。上の部分に区有地もございますが、そういう関係からこちらの部分は面的にある程度整備ができますが、それ以外の部分は建物が立ち並んでおり、護岸の高さもAP+4.1mという高さで、先ほどテラスの高さがAP+2.3mといいましたので、そこに立った場合に、護岸の一番上まで1.8mとなり、大人が手を伸ばせば護岸の高さを越えるような状況でございます。

 それから4番目ですが、橋詰には公衆便所あるいは防災施設などの建物があり、テラスへ入って行く場所が限られます。また高橋の下はテラスが切れており、そのままの状態では下をくぐれない状況です。2ページ目の整備計画平面図でございますけれども、こちらの右端の方に、植樹による緑化、赤の四角が公衆便所、それから紫色の四角で防災施設を表示しております。橋詰には児童遊園や緑地帯もございますが、建物が建っている状況でございます。これは現在の状況ですが、そういう現状に立った上で整備計画を考えております。

 3番の整備計画ですが、今の様な状況を踏まえまして、なお且つ中央区の水辺利用の活性化に関する方策に基づき計画いたしました。中央区の水辺利用の活性化に関する計画につきましては、亀島川のリーディングプロジェクトという、5年ぐらいの中で整備していくという中に緑の散歩道とかオープンスペースなどの整備により、にぎわい拠点づくりをしていくと位置付けております。オープンカフェなど飲食店の出店や簡易船着場の整備、また水上レジャーの促進、そういうものをやっていこうじゃないかという風に位置付けており、そういう計画に基づきまして計画をしたところでございます。

 2枚目の図面を見ていただきたいと思いますが、右下の所に茶色で囲ってウッドデッキと書いてございます。緑の部分が地被植栽壁面緑化になってございまして、緑の部分が地被植栽と護岸の壁面を緑化する箇所という考えです。それから茶色の部分、こちらについてはアプローチが取れるということで、1つは旧稲荷橋付近、もう1つは新川児童館付近、それから最後は霊岸橋下流左岸付近、こちらについては、入り口が取れるものですからスポット的にウッドデッキにして、川面に近づける様な形で整備したいと考えています。当然ながらそこにはベンチあるいは照明等を設けて、人々が憩えるようにしたいと考えています。それから、旧稲荷橋付近については、上のほうに赤の点線で囲っておりますけれど、これはコンクリートのテラスの部分ではなくて道路と同じ面にある区有地も一緒に整備していく予定です。なお、こちらについてはスロープを整備し、高橋の所については簡易な船着場を整備したいと考えております。

 次に新川児童館付近につきましては、まず高橋の所に児童遊園がございます。そちらから階段で降りられる形をとり、新川児童館の反対のところにポケットパークと書いていますが、ゆくゆくは児童館をなくして高橋に繋がる緑地帯にする予定です。アクセス広場の整備と書いておりますが、こちら側からも将来的には階段で降りられるようにする考え方です。

 それから、霊岸橋の所ですが、堤防に通ずる通路がございます。そこの通路からアプローチを取り階段で下に降りていただくという形でウッドデッキを設ける予定です。ここにも簡易的な船着場を設置したいと考えております。

 それ以外の部分については、先に言いましたように、テラスが狭いこと、水面が近いこと、それからどうしても堤防が低くて川沿いの建物に対して防犯上の心配等があるということから、基本的には緑化をしたいと考えております。緑化の内容は、先ほどAP+2.3mといいましたが、約40cmくらい土を盛り、その土を基盤にして地被植物として芝生かチガヤという風なことで考えております。

 それから護岸際については区切りをつける意味で、ツタ類を植えて立体的な緑化を図りたいと考えています。一番下にはウッドデッキ部分の断面図と書いていますが、上のテラスの幅だけでは狭い所がありますので、3段の階段状にして、階段の部分も同じ高さにしてウッドデッキ部分を広く取り、転落防止柵を設けていくという構造で作っていきたいと考えております。先ほども言いましたように、東京都さんの方で今年、亀島川の緑化の計画を進める予定になっています。そうしたことから調整を図りまして、これをベースにしてより良い形になるように亀島川の整備を図っていくということでございます。

・日本橋川の緑化事業について(千代田区依田委員)

 千代田区では平成元年頃から護岸緑化に取り組んでまいりました。その中で今、ヘデラがうまく垂れ下がっている所があるのですが、当初は緑地帯型ではなく、コンテナ型をチャレンジしていまして、コンテナ型だとどうしてもヘデラののりが悪いということで失敗を繰り返してきました。和泉橋の神田川の護岸ですが、こちらの上流側で最初にコンテナ型をやっていましたが、結局うまくいきませんでした。そういうことを繰り返しながらやはり緑地帯から下ろすのが一番適当ではないかということで、まず、最初に実行したのは俎橋・千代田区庁舎付近を最初に緑地帯にということで、これで成功しまして、水道橋付近、和泉橋の下流側、美倉橋ということで、神田川の方を緑化しました。最後にやったのは飯田橋付近と書いてありますが、こちらは土地区画整理事業により再開発事業の方でやっていただいた所です。

 これからの計画ですが、私今日初めて、東京都が護岸緑化に力を入れているということを知りまして、本年度は美倉橋の西側の方を美倉橋の道路の改修と合わせてやる予定でしたが、美倉橋の改修そのものが不調になりまして、それが今年度できるかどうかちょっと難しくなっております。来年度以降5ヶ年で計画を作っているのですが、大手町付近もやろうと、あと内神田で東京都さんの考えている反対側を考えていたのですが、東京都さんがいろいろ計画があるということで今後見直しを行い、東京都さんと協力しながら護岸緑化を進めたいと思います。

・日本橋川の緑化事業について(中央区 宮本委員)

 それでは中央区の方から、ご説明させていただきたいと思います。

 今年度の護岸緑化ということで、まず日本橋下流左岸の60mの護岸を緑化するということです。日本橋の左岸側に公衆便所がありますが、そこから時間貸し駐車場がある所まで60mを緑化する予定です。

 これまでの護岸緑化ということで、千代田区の依田さんの方からお話ありましたように、これまで中央区は日本橋川・亀島川流域連絡会でご報告させていただきましたが、プランターで護岸緑化をしてきております。かなり細長くて1mぐらいの高さの細長いプランターを特注して、そこにツタ類を植えて、護岸の上を越えさせて垂れさせるということでやってきました。これを約260m実施しております。一番初めにやった所が小網町の児童遊園の所で、児童遊園と護岸の高さがあまり変わらない所で一部こういう深いプランターではなく、一部地植えをしております。それから一部、それほど深いものじゃないプランターでやっており、一番初めにやったものですが、割合といい感じになってきている。腰高のプランターでやったところは、今後注意深く見守っていかなくちゃいけないかなと思っています。こういう場所が日本橋川は非常に多くてスペースがあまりない。そういう狭いスペースでは細長いプランターにしてやって行くしかないということで、ツタ類による緑化しか出来なかった所がありますが、今回、日本橋川の20年度における整備の中では、新しい方法でメッシュプランターによる新たな試みということで予定しています。

 プランターは護岸の高さまで下からサポートして、護岸の高さにあうような形で持ち上げてセットすると、このような形で植物を植えていこうというものです。こういう形になると、ツタ類だけじゃなくて低木も植えることができますので、低木は18種類、119株を今回植える予定です。ツタ類については4種類、17品種、283株を植える予定です。草花は、2種類、54株を植える予定です。

 建物と建物の間とか、あるいは護岸背面の通路が少し広い所については、大きなプランターを置き、6本の高木を植えたいと思っています。これは持ち上げる形ではなくて、高木用プランターを6箇所に設けまして、高木を植える予定です。基本的には護岸に沿って上にメッシュプランターを設置して、建物と建物の間とか、あるいは少し広い地面に6箇所に高木を植えた大きな植木鉢を置く。高木については6種類、6本を植える予定になっています。

 3枚目に平面図がございますが、一番左側の公衆便所の上が展望台になっており、フジを植える予定で展望台の上に藤棚を作る。護岸の日本橋の所から60mをいろんな植物を入れていく。

 護岸緑化に合わせた橋詰の緑化ということで、今の護岸緑化に連続した緑とするため、日本橋橋詰の公衆便所の屋上展望台に、フジやハンギングバスケットを植栽するということを合わせて考えており、展望台の所にフジが咲く様にこれから植えていく予定です。それから先行して5月にハンギングバスケットを設置しております。5器設置しておりまして、日本橋川はなかなか難しい所なのですけれど、少しでも緑化をしようということで苦心して計画を作っております。

 今後の予定ですが、今後も現地の状況に応じて日本橋川の護岸緑化を進めていきたいと考えています。なお、ハンギングバスケットですが、夏は非常に環境が厳しいということで8月は作業を中止致しましたが、9月の末に新しい秋の草花が入る予定ですので、9月の末にはこれと同じような形で吊るす形になります。それからご説明しましたメッシュプランターによる護岸緑化ですが、10月10日ぐらいに完成する予定です。

・大手町かわまちづくり事業について(河川部)

 河川部の方から「大手町かわまちづくり事業」ということでご説明させていただきます。

 大手町地区につきましては、再開発に伴う建物の建て替えを現在やっているかと思います。この地区につきましては、今現在は川に背を向けて建物が立ち並んでおりますが、土地区画整理事業の区域内で建物を再配置することによりスペースを生み出し、川沿いに歩行者専用の道路を作ろうという計画がございます。せっかく川沿いに歩行者専用道路を新設しますので、河川部としてもこの機会を活かしながら良好な整備を行うべく関係局、区と協議中であります。今年度から具体的な検討会を作って協議を進めていく段階です。

・浚渫工事及び水面清掃事業について(浚渫工事係中村委員)

 昨年度までの浚渫は、日本橋川につきましては、茅場橋の上流から日本橋の下流。亀島川は霊岸橋を含めて浚渫工事をやっております。今年度、日本橋川は茅場橋を含めた下流側の194m。それから亀島川は亀島橋上流から霊岸橋下流の間の293mを本年度に浚渫工事をします。ちょうど今日、入札がございまして落札していただきましたので明日契約となり22日着手という形になりました。

 先ほど亀島川について不法係留の話題がございましたが、ちょうど今年度これから工事しようとする箇所に不法係留船がたくさんございます。それで、契約前から中央区さんの関係部署と河川部の指導調整課さんの担当とも連絡を取り、契約になったら動き出すということで進めています。契約になりましたので、これから請負者さんに工程の案を出していただきまして、工程の段取りを考えまして、不法係留船対応を進めていこうと考えております。

 下の表は浚渫工事をおこすにあたり底質調査を行い、その結果塵芥の処分場の受け入れ条件に合うということで、本日落札しました。3行目に「日本橋川横断測量」とありますけれども、これは21年度以降用の横断測量を行いまして次年度以降に備えようということの工程で書いています。

・浚渫工事及び水面清掃事業について(河川水面清掃担当係清水委員)

 目的ですが、河川の水面に浮遊するごみ等を収集することによって、河川における衛生的環境の確保と美観の保持を図ることを目的にしており、清掃船で河川の水面に浮かんでいるごみを収集しております。

 収集対象物として主に、総じて河川に浮遊する草木、それからプラスチックの容器とか、ペットボトル等です。爆発性のある危険物とか沈んでいるものは対象外です。対象外のごみは各河川の管理者さんに対応していただいております。次に死魚ということで、大雨の後に顕著ですが、酸欠を起こして浮上してくる魚も収集することがあります。次に動物の死骸ということで、猫とか犬とかが水面に落ちて死んでしまったものを集めることもあります。

 作業の対象範囲ですが、日本橋川につきましては、隅田川合流点から神田川まで約4.8kmです。亀島川につきましては隅田川合流点から日本橋川合流点までということで約1.1kmが清掃範囲となっております。

 作業頻度はごみの多さで毎年見直していますが、今年度は、月曜日と水曜日と金曜日の週3回行っております。日本橋川と亀島川ですが、川の構造で川の両岸にごみが集まりやすいという傾向がございます。ただ川の構造から両際は浅くなっているため、清掃船、コンベア船で寄れない部分があり、川岸からご覧になっている住民の方から、ごみが目の前に見えているのに採って行かないというお叱りも受けるのですが、そういった構造上の問題もございまして、採れるものはがんばって採っているということでその辺はご容赦頂きたいと思います。

 もう一つは共同作業ということで、上林委員様の「名橋日本橋保存会」様の主催によりまして今年度から日本橋川の河川の浄化・清掃活動が行われております。また、その参加メンバーとして「日本橋地域ルネッサンスの100年計画委員会」様、「日本橋の再生推進協議会」様、「水辺再生研究会」様、「日本橋学生工房」様また「常盤橋フォーラム」様、地元有志および関係団体の方々、それから日本橋川、神田川流域において活動する団体の方々が参加して行っております。本年度はすでに3回行っており、4月4日と6月20日、それからついこの間の9月5日に実施させて頂いております。

4.その他(意見交換)
亀島川の整備計画について
【都民委員】

 確認させていただきたいですけれども、このウッドデッキが階段のところまで出るというのは非常にいいことだと思ういのですが、同時にここまでやるということは日常、行政に許認可を得ないでフリーにここに降りて散策したりできるという風に考えていいわけですよね。今は入れませんよね、フリーに。これができた暁はフリーで入って散策もできるし、場合によってはここはハゼがくると思いますからハゼ釣り位当然できる。やっても良いというところですね。

【行政委員】

 はい。

【都民委員】

 この新高橋の上流部のいわゆる区有地というのがありますね。この辺は普段は、船がいっぱい係留されていますよね。あれはこれが整備された時点では全部いなくなる訳ですか。

【行政委員】

 整備を図るとき、船については指導を行って、そこに置かない様な形でお願いをしながら整備をしていくという形になります。

【副座長】

 緑化をなさるときに、やしマットでございますが、これは10年ぐらいで、だいたい風化してしまうのじゃないかと私は教えられているのですが、これがなくなっても保安状態は変わらないという見方でよろしいでしょうか。

 それともうひとつは、この高さについてのディテールを教えていただきたいのですが、まず3つのデッキを作る所の堤防の高さはわかりましたが、付近の地盤面の高さというのはわかりますでしょうか。それぞれ霊岸橋の道路からどのくらいのスロープで下ろすのか、それぞれの高さがだいぶ違うのか教えていただきたいということでございます。

 それは、稲荷橋のあたりのスロープはそれなりに空間がありますからスロープができると思うのですが、霊岸橋の所も可能であればスロープにならないものであろうか。そこをいろいろ整備していく中で、できればいろんな社会実験をできるようにしたい。三菱自動車なんかは水陸両用の乗用車を開発しているとか、水に浮かべることが可能であろうかとか、そういうことをやるということが亀島川のある意味存在をアピールすることにならないかとか大変興味があるものですから、ここから高さが1mで12mの奥行きがあればバリアフリーにも結構あうのではないか。

【行政委員】

 ヤシマットは護岸のつたを這わす上で、ひとつは根が張りやすいようにすることと、それからツタをある意味誘導するヤシマットで結わえながら間隔を取りながらバランスよくツタが張っていく役割で設けます。これらは自然のものですからおっしゃる様にすぐに腐ってきます。その時にはツタも根を張っているということですので、腐ることをある程度前提としながら、初めのツタがコンクリート護岸に這う事ができるように使うという理解で良いかと思います。

 それから2つ目ですが、スロープですけれどもスロープはできるだけ設けていきたいと考えておりますが、おっしゃるように距離と勾配の関係があるため細かくは検証しないとわからない所ですが、霊岸橋下流のアクセスの通路は4mほどの幅を考えており、堤防が陸地側が1m以上あるようですので、10mぐらいの奥行きで1m以上の高さがありますし、それから超えたときにスロープが水面に沿って緩やかに作れるのか、これもまあまあの高さがありますから作ってもずっと長くなってしまいますから、結構難しい所があるのかなという風に考えています。ただ、できる限りそういう風なバリアフリーの関係は確保したほうがいいと思いますので、そのあたりの検証だけはこれから東京都さんが進める際にはしっかりとやっていきたいと思います。

【行政委員】

 ウッドデッキの部分で、新川児童館の所と旧稲荷橋の所ですけれども、これ南向きですよね。つまり夏至の南中時においてこのウッドデッキの部分の日照条件は確認されたのでしょうか。つまりウッドデッキというのは温度低減にはまったくならないので、もし暑くなるということだったら、別の材料に変えたほうがいいかと思います。

 それともうひとつ、ベンチを設けるということですけれど日射条件を考えないと、誰も座れないことになると思います。実は私、8月の30日か31日だと思いますが、桜橋で9時から5時まで交通量を測っています。天端の上の遊歩道、それから川沿いのテラス、どういう風に人が歩くかということを30分累積でカウントしました。天端の上の遊歩道は1時間に200名を超える人が歩いています。下のテラスは1時間で10名いないです。もうひとつテラスの所にベンチが幾つもありますが誰も座りませんし、1時間に1人座れば良い方です。これは何が問題かというと日陰がないのでせっかくウッドデッキを作っても暑いと誰も利用しない。皆さんが涼しさを求めて川に近づくというそういう時間帯に使えなくなっちゃうので、出来ればこういう南向きの所は日陰を作る様にしないとせっかくのベンチも誰も利用しないというのはまずいということで、言わせていただきました。

【都民委員】

 関連して申し上げたいのは、橋下の通りにくさというのは別の要因があります。だからそれはそれで皆さん認識していただかないといけないというのと、それからついでに出たからお聞きしたいのですけど、今塗料で温度の上がらない効果があるやつが出ましたよね。グラウンドなんかに吹きかけたりするやつ、あれをやれば結構違いますよね。

【行政委員】

 たとえば塗料をやる、私もいろんな所で実は今も継続中なのですけど、表面温度は下がるのです。たとえばコンクリート面ですと確実に下がります。ただ我々は真上から日射を浴びますが、それが暑くて一番効く。例えば地べたが涼しくなったって、上から来るものを人間は避けられない。例えば隅田川のスーパー堤防で芝生で覆われた堤防がいくつかありますし、芝生部分は表面温度は低いんです。その上はぜんぜん変わらないんですから。50cm上がるともうノーマルですから、30℃、40℃。従って、どこか日陰を作らないと人間はまいってしまう。という風なロジックでいます。

【行政委員】

 私共の計画では、象徴的には緑化の部分とウッドデッキで、ウッドデッキの部分はやっぱり、憩っていただきたいとか、休んでいただきたい、あるいは景色を眺めていただきたいという風な形で象徴的に2つに分けていますけども、ウッドデッキの部分はおっしゃいましたようにいろいろなやり方があるのかなと思います。このウッドデッキを主体にしながらも、たとえば立ち上げていますので、樹を除いて、そこは芝生にする部分だとか、あるいは植栽もいれて、おっしゃる様に日陰を作るとか、単にウッドデッキだけではなくてコンテナ植物による植栽だとか、あるいはプランターみたいなのを置いて日陰を作るとか、いろんなやり方があるかなと思っていまして、これは東京都さんにこれからお願いをして、そのあたりの工夫もしていきたいなと思っております。ありがとうございました。

【副座長】

 お二方共、興味深い話なのですが、基本的にはウッドデッキも大変結構、壁面緑化も結構。やっぱり中央区さんと東京都さんも含めて、パーゴラの植物の屋根をずっと回廊的に設置し、それが標準仕様ぐらいのレベルでおやりになっていただくと、今の問題がだいぶ解決するはずだというふうに思っておりますが、いかがなものでしょうか。

【都民委員】

 基本的にウッドデッキというのは良いです。

 芝浦にしても横浜にしても、やっぱりウッドデッキの所は非常に歩いていて気持ち良いです。

【行政委員】

 今までの意見を合わせますと、上の方に日陰があった方がいいと思いますので、いろいろと区有地の部分だとかあるいは可能な所、パーゴラ、日陰棚ですね、そういうのも考えていきたいと思います。

【都民委員】

 あそこは結構、違法係留の船がいっぱいあるじゃないですか。今回、報告事項の中にも東京都の河川部の方も出ているのですけれども、中央区だけではなかなか係留船をどかすとか交渉するのも大変な話になってくる。本来河川の方を管理する東京都でどんな対応で区と連携するのでしょうか。全部区に投げられても多分、河川管理の関係が難しいと思うのですがどうでしょう。

【行政委員】

 昨日、区長委任河川の適正化の会議があり、その中の最後の是正警告等について河川部がやるのですが最終的には区と河川部が連携してやるというということです。まだこの箇所については具体的には聞いておりませんが、他のいくつかの区長委任河川では、少しずつ進めており、受け皿を作るというのが前提で、受け皿の係留施設、係留先を作ってそれから条例で定めていくという手順になっております。

日本橋川の緑化事業について
【都民委員】

 常盤橋のすぐ際にプレハブの白い建物が2つ出来ています。日本橋の高速道路を撤去するというような話が出たとたんにプレハブが建って、補償費目当ての様な感がある建物なのですが、ああいうものは東京都建設局河川部計画課には情報がいくのでしょうか。なぜコントロールできなかったか不思議なのですが、この計画にかかわる問題なので、ちょっと教えてください。

【行政委員】

 あの土地につきましては日銀が持っていた土地です。私共の方にもいずれは活用しようじゃないかという話もあったんですが、いきなりヤナギの木が切られて伐根が始まってしまったという状況です。ただ、前の道路が外堀通りの都市計画道路線になっているものですから、コンクリート造りはできない。都市計画道路が施工される時には除却しなければならないという風にはなっているので、いずれにしても水辺の景観を見えなくしてしまった所もあり、その割にはぜんぜん使われていない所で、皆さんから何とか出来なかったのかとお話を頂いているのですが、なにぶんいきなり建ってしまったというところもあり、残念ながら今の様な状態になっています。

浚渫工事及び河川水面清掃事業について
【座長】

 資料に「「10年後の東京」への実行プログラム2008」と出ていますが、茶色で塗った所も順次浚渫をやっていくということですか。

【行政委員】

 そうです。次年度以降には工事をやります。

【都民委員】

 今の魚の「へい死」の統計資料はいただけますか。

【行政委員】

 それは数的なものですか。年間を通してカウントしておりますので、それでよろしければ。

 その他

【都民委員】

 現在進行中の神田川下り計画の中で実際に船で私も何度も通ったことがございます。その場合、ちょっとお聞きしたかったのは、市兵衛河岸など防災の船着場がございます。例えば常盤橋防災船着場というのは常盤橋公園に江戸時代にできた船着場でございますよね。あれは古い遺跡としては良いと思いますが、あれを将来、防災船着場を兼ねる様な観光的な船着場というのをお考えになることはないのでしょうかという点です。神田川で試行予定の、市兵衛河岸防災船着場から和泉橋防災船着場まではとりあえず許可を取れば木造船でもいけるということは、私は世界の大江戸・東京で、これだけすばらしい整備をなさった神田川、特にお茶の水周辺部を、緑化するには大いに時間がかかったわけです。いろいろ集中豪雨期問題などあろうかと思いますが、私は名古屋の堀川についてしっかり勉強させてもらったが、20年かけて船着場まで整備をしています。江戸時代のイメージを残した形の船着場というのは、防災は防災でクリアしながらそういうものが出来ていくことは将来的に可能でしょうか。

【行政委員】

 船を使った観光については日本橋川だけの問題ではなく、東京都全体の河川で考えていかないといけない課題も多くございます。安全性の問題等あるので、慎重に検討を進めていかなければならないですが、このような貴重な御意見があったことを報告させて頂きます。

【座長】

 河川本来の治水という機能を十分満たしている所から順次そういうことも、貴重な水辺空間ということで、東京都もこの10年の中でいろいろと先ほどの緑化計画もそうですけど、いろいろと都市改造を進めていこうと言うなかで、またそういう議論が出てくると思いますので、河川部の方も意見があったということで、検討を加えていただければと思います。

 それではその他ということで、前回いろいろと先ほどの自己紹介の中でも出ておりましたけれど、「外堀連絡会」というのがあるようなので、千代田区さんちょっとその辺の報告をお願いします。

【行政委員】

 18年度19年度2ヵ年にわたりまして、「史跡江戸城外堀跡保存管理計画」というもので、学識経験者さんも含めて、文化庁、東京都、千代田区、港区、新宿区の委員さんを集めて管理計画書というものを作成しました。私共の部署ではなく、文化財の方が中心になってこの本を作成したもので、私共の方では説明しきれない部分があります。はっきりいって理念、計画を定めたもので、元に戻しましょうとか、そういう形で再生できるものは再生していきましょうという理念の形のものです。概要については、千代田区のホームページに書いてありますのでその辺で確認していただきたいと思います。

 道路公園課としましては、理念に基づいて、これからそれに添った形で外堀等を整備していくという話になると思います。まだ確定はしておりませんが、それに向けて今準備をしている段階です。

【都民委員】

 その報告書は出ているのですか。その資料は頂戴できるのですか。

【行政委員】

 私共の方の担当ではないので、文化財の担当なので申し訳ないのですが、ホームページに概要が出ていますので、そこで問い合わせていただくという形になるかと思います。

【座長】

 ありがとうございます。これはいわゆる旧江戸城のお濠の擁壁、石組みを繋いで、景観にも配慮していこうということでしょうか。

【行政委員】

 今残っているものは今残っているもので、復元できるものは復元するということで、やっぱり外堀ですから八重洲のあたりの外堀川がありますけれど、そこの復元はまず不可能なので部分的にという話もあります。今土塁が残っている所、植生が残っている所というのがありますからその辺を基本にして、どのように復元していくか、皆さんに江戸城外堀というものがどのようなものであったかを判りやすくしていきたいという理念の話が計画書になります。

【都民委員】

 質問の趣旨は、文化財としての外堀の重要性もさることながら、平成9年の河川法の改正で治水、利水、親水、環境という法律の改正によって川というものが、市民の憩いの場であり、ふれあいの場であり、という位置付けがはっきりなされたために、こういう会合が出来ている訳です。

 そういうなかで都心中の都心の中にある外堀が、日本橋川流域の河川の位置付けとしてせっかくあれだけのいい資源があるのだから、憩いの場になれば良いなという意味合いがあるわけです。

 さきほど佐治さんの報告もありましたように、日本橋川に流れる汚い水の原因のひとつは外堀の雑排水が流れ込んでいくこともあるわけで、その辺をぜひご考慮いただきたいという部分があります。

 今お話頂いていると、文化財だけの話としてお話いただいているようなので、今はそういう時代ではないと思います。

 ぜひその辺もお考え頂きながら、そういう会合が出たのであればできるだけ情報公開していただき、位置付けとしての有効性、せっかくのいい資源なので、ぜひ市民のためにも憩いの場、潤いの場として、何か活用していただきたいと思っています。

【座長】

 貴重なご意見ありがとうございます。

 それについてはまた先ほどのいろんな外堀が神田川に与える影響を含めて再度、関係機関で検討を進めるような方向にはあるということを聞いていますので、私共もそういう場には積極的に参加していくつもりでおります。

 それでは、その他ということで他に何かありませんか。

【副座長】

 いろんな活動をしておられる方、管理なさっている方、両方に一緒に問題提起という形でお考えいただければと思います。

 先ほど亀島川の親水計画でAP+2.3mに対して水面がAP+2.1m、満潮時に20cmの水面の差ということで、これはいわゆる水辺の親水性に対して水により近くなるということは大変好ましいことで、干潮になると最大あそこでも2m近く水が下がる。そうすると、大変親水性がなくなるというのがこの河川の宿命的な所なんですが、この感潮河川、いうならば満潮干潮の中でしか水が推移しない河川にどうやって流れを作るかという実験をしたいということで、当面可能なのは、亀島川の二つの水門を満潮時に閉める。干潮時にどんな開け方をするとどういう流れが出来るか、もちろん両方閉めて片方開けるやり方になるわけですが、ちょうどこういろんな作業が進んで浚渫が済むと川底が一旦きれいになりますから、川底が汚い間にそんなことをやるといろんな批判が出ましょうから、来年度になるのか、浚渫が済んだ段階でそれをやる。恐らくいろんなデータが取れるのではないかと思うのは、水を早く流すこととゆっくり流すこととで、いろんな差が出るだろう。そこの部分にどれだけの流れがうまく出来るかということが、わずか1kmの河川ですが、この河川は先ほど早川さんもおっしゃった、あの河川は下水が今まったく流れ込まなくなりましたから、かなり状況がよくなっているということで、まずは川から実験をしてみたい。よくよく考えて見ますと、どうもこれは役所のお金で出来るのではないか、河川環境がどう変わるかということは役所の方でも出来るのではないか。若しくは我々のグループの中でそういうものを実験することも出来るのではないか。それだけ親水性の状態が、例えば、5~6時間でもあればいろんな活動の人たちがその水がいっぱいたまっている状態で何かを仕組めるのではないかと、せっかくやる中でいろんな社会実験ができるのではないかという事を合わせまして皆さん方のお立場の中で整理して、ぜひ実験をやらせていただきたい、やってみていただきたいというのが私のお願い兼提案でございます。

【座長】

 非常に難しい課題だと思いますけれど、先ほどの浚渫計画にありましたとおり、2008年の計画ということで、今後10年の中では浚渫をしてかなりきれいになっていくと思います。その時点でどうするか議論になってくると思うので貴重な提案だと思います。

【都民委員】

 8月17日に外堀の新見附堀とそれから牛込堀で外来魚調査をやりました。狙いはブルーギルやブラックバスですが、新見附堀で2回やって2cmぐらいのブルーギルが1匹採れました。他にクチボソやエビが結構入りましたので、まだまだ既存の水生生物が元気でいるというのが判りました。それから牛込堀の方は、非常にたくさんブルーギルが採れ、1回で二十数匹、大きさは2cmぐらいのブルーギルが採れました。その分クチボソやエビは少なく、来年あたりブルーギルが増えてクチボソやエビが急激に減ってくるのではないかということを懸念します。

 それから、9月7日に名橋日本橋で子供と一緒に日本橋川でハゼ釣りをやり、船には乗らなくて上から見ていました。あの日は水がものすごく汚くて、多分釣ってもだめだろうと思いましたので、すぐ小名木川の方に行きハゼ釣りを試してみました。3時間ぐらいで24匹釣りました。つまり非常に魚影が濃いということで、日本橋川や亀島川も水がきれいになれば、ハゼ釣りなんかも十分出来る様な周りの環境にはなっていると思いますので、みんなできれいにできるだろうということだと思います。

 もうひとつ8月23日に日本橋の上林さんの所と一緒に「江戸舟運の会」を毎年やっていますが、8月23日5艘の船で300名の皆様を隅田川、神田川、日本橋川、小名木川の周遊をやりました。これは都心の河川を知ってもらうということを主目的にして、毎年都心の船から見る川あるいは町がこんなにかと、驚きの声や水の大切さというのを認識していただいています。

【都民委員】

 11月2日に中央区では、「中央区まるごとミュージアム」という中央区全体をいろいろなミュージアムにしようじゃないかというイベントがあるのですが、その際に船舶を使って日本橋川の常盤橋の船着場から出発するコースと聖路加の前の船着場や朝潮運河の船着場など、区が主催して無料でクルーズしながらそれぞれの地点で各商店街のイベントをやったり、美術館等をオープンにしたりするイベントがありますので、中央区から委員さんにパンフレットがあれば全員に送っていただいて、逆に川の専門家の皆さんに所管は違うのでしょうけど乗っていただいて、毎年やっていく事業だと思いますので、ご意見いただければと思うのですが、いかがですか。

【行政委員】

 気がつけば持って来ればよかったのですが、持ってきていません。このあと事務局を通じまして、何らかの形で委員の皆さんにご案内を差し上げたいと思います。

【都民委員】

 浚渫の工事が終わったら日本橋川と亀島川でヘドロに微生物を培養した団子を撒いてもらいたいなと思います。そうしたらハゼや何かがまた戻ってくるのじゃないかという風に思うのですが。

【座長】

 EM団子は撒いているのですか。

【行政委員】

 日本橋川の方も千代田区の側で撒いています。

 外堀のほうでも撒きだした様ですが亀島川はまだのようですので、また、実施しているところに話をしていただきたいなと考えます。

【都民委員】

 浚渫が終わってからのほうがいいですね。今年中には終わるみたいですけど。

【行政委員】

 分かりました。

【都民委員】

 EM団子は地元の住民の町会で買っているということで、沢山な事業をやっているわけではないです。効果ですが、川は流れているものですから、難しいだろうというのが最初から見えていました。地元の方々皆、子供達が川の環境に目を向けるのは良いだろうと思います。私たちが調査している水質だとか底質調査をする分にはデータの変動はあるのですけれど、著しく改善したとか、そういうことはまだないです。EM団子を紹介している団体の方が魚を調べたり、底生生物を調べたりした結果、生物がちょっと増えたんじゃないかいうことは言えるのかと思います。日本橋川で鵜が来て魚を咥えていったという話があるが、魚が来ている姿は今までも見ているけれども、鵜が来て魚を咥えている姿はさすがに見た記憶がないから、そういう意味で少しづつ川が蘇って来ているじゃないかという様な感触を皆さん持たれています。

5.閉会

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