第2回 議事録

開催日時:平成13年7月10日(火) 14:00~16:30
開催場所:大森西特別出張所

会議風景

議事次第

  1. 委員交代に伴う委員紹介
  2. 座長交代に伴う座長選出
  3. 行政からの報告説明および意見交換
    1. (1)内川の現況(概要、護岸の老朽化対策、区の植栽事業、河川管理、等)
    2. (2)川づくりの視点
  4. 今後の進め方
  5. その他
  • <配布資料>
    • 会議次第
    • 委員名簿
    • 内川の護岸改修について(要望書)
    • 内川の概況
    • 川づくりの視点(6項目)
    • 東京の川を考えるシンポジウム

議事概要

1.委員交代に伴う委員紹介

  • 年度の移行により、町会長の交代、行政側メンバーの異動による交代がありましたので、再度全委員の紹介が行われました。

2.座長選出

  • 前座長の異動に伴い、事務局からの提案により、新任の東京都建設局第二建設事務所工事第二課長が座長に選出されました。

3.行政からの報告

  • 住民と行政が共通認識を持ち協働・連携するという主旨に基づき、前回(第1回)連絡会において、今回は内川の計画・工事・管理について意見交換を行うこととなっていました。まず、内川の現況について行政側から説明し、ご意見を頂きました。

(1)内川の概要

内川の概要 平面図と断面図のイラスト
  • 流域面積は3.25km2(上図緑色領域)、河川延長は河口から東海道線までの1.55km。
  • 50mm/hの降雨時に、流域内の馬込西幹線(赤線)と馬込東幹線(オレンジ線)に合計33m3/sが流出する。そのうち、15m3/sが新大森幹線(黄線)に、残りの18m3/sが内川に流出する配分計画となっている。
  • 流域の下水道は合流式で、汚水と雨水が一緒になって流出する。基準汚水量の3倍までは、下水処理場で処理する。これを超えると雨水幹線に流れ込む。
  • 高潮時は、内川水門で高潮をシャッターアウトし、上流からの流水は内川排水機場から海に排水する。
(都民委員)
過去に内川の氾濫はあったのか。水位が上昇し危険水位となった時、自動的に地元に通知し、避難できるようになっているのか。
(行政委員)
溢水の記録はないが、平成10年、11年の集中豪雨で下水が溢れ、床下・床上浸水があった。現在、下水道のバイパス工事を進めている。洪水予警報等の体制は不十分であるが、都と区が連携してハザードマップ作成を検討している。
(都民委員)
満潮時と豪雨が重なった場合は大丈夫なのか。
(行政委員)
昭和34年伊勢湾台風の高潮を基準とし、その時の潮位AP+4.1mプラス余裕高50cmのAP+4.6mを堤防高としている。また、50mm/h降雨でも、排水機場のポンプは十分排水できる能力を持っている。
(都民委員)
内川の18m3/sは、雨水と汚水が混ざったものなのか。
(行政委員)
合流式なので、汚水の一部が混ざってしまう。しかし、これまでの基準は2倍希釈だったが3倍になり、汚れかたが少なくなった。
(座長)
洪水や水質・環境面での下水道と河川の関わりについては、下水道局の説明を受ける場を作りたい。
(都民委員)
特に河口部の水門上下流にヘドロが1~2m堆積しているので、除去と護岸改修を進めて欲しい。
人工干潟の三角島にポンプ場建設計画があるが、排水で汚れるし景観上も良くないため、三角島は公園にして欲しい。

(2)護岸の老朽化対策

護岸の老朽化のイメージ画像

 新橋上流から内川橋間の老朽化護岸について、7月5日に大田区長から建設局長宛に要望書が提出された。財政上厳しい中でも、地域の防災上・治水上から、早期改修を要望する内容である。現在、要望書に対する処置を検討中である。

(都民委員)
予算がなく放置しているのは、行政の怠慢だと思う。写真や現場を見て分かるとおり、護岸に亀裂やずれが生じ、非常に危険である。地震等で護岸が倒壊し、被害が発生した場合の責任は誰が取るのか。防災上、景観上、環境上から、護岸工事は最優先にやってもらいたい。
(座長)
環境整備計画に基づく護岸改修は、財政難により平成13年度予算計上されなかったが、なんとか財源を捻出し事業を実施したい。

(3)区の植栽事業

 都で改修を行った新橋下流左岸の2ヶ所について、今年度、区が遊歩道及び植栽の整備を行う。環境にやさしいメトロレンガ敷設、格子状フェンスに地被類(ツル)を絡ませる、植栽帯にハナミズキやツツジを植樹する等、今年度内に着手したい。

(都民委員)
人通りの少ないところに、お金をつぎ込まないで欲しい。
(行政委員)
環境整備計画として、現況護岸の両側を前出ししその上をプロムナードにする方向付けだった。干潟ができ、釣りもできるイメージで整備している。

(4)河川管理

 内川は二級河川なので、基本的に管理は都、軽易な管理については大田区で行っている。浄化施設を上下流2ヶ所に設置している。水中に瓦礫等を設置して繁殖した微生物による汚濁物質の分解を促したり、曝気により溶存酸素量を増加させたり、下流側では水生植物を植えて窒素やリンの除去する等、水質改善を図っている。四之橋付近にフェンスを設置して定期的に浮遊ゴミを除去している。今年度は最上流の浚渫を行う。

(都民委員)
風が吹くとゴミが川に入る。こまめに掃除して欲しい。
(行政委員)
内川は護岸高と道路の高さが同じで、ゴミが落ちやすい。掃除は今後増やしていきたい。

(5)その他

(都民委員)
運河埋め立ての関連はどうか。
(行政委員)
内川河口で埋め立て工事を平成16年6月までの工期で行っているが、内川に影響があるとは考えていない。停泊船舶に多少影響があると思う。

(6)川づくりの視点

(座長)
内川の川づくりの視点として、[1]洪水時の対策、[2]平常時の水環境、[3]自然環境、[4]地震・火災時の対応、[5]川とのふれあい、[6]維持管理の6つの視点が事務局から提案されている。いかに実施していくかを議論したい。

~平常時の水環境について~

(都民委員)
先日、石神井川を歩く会に参加し沿川を歩いたが、きれいな緑地帯で素晴らしかった。隅田川は殺風景になり、隅田公園の上に高速道路が建設され、風景全体がだめになった。効率的・能率的ばかりでなく、絵になる風景を演出して欲しい。
(座長)
治水オンリーから利水・環境と、時代と共に川も変化し、いい場所も出てきている。内川だけでなく、都全体の河川を見る機会を作りたい。
(行政委員)
洪水は年に1~2回、残り364日は生活と共にある。平成9年河川法改正により、地域住民、学識経験者、自治体等の意見を取り入れて河川整備を行う制度が認められた。この流域連絡会もその流れの一環として位置付けられている。
(都民委員)
河川管理の考え方が変わった。雨水と汚水は水質が違うのだから、根本的に見直し、下水道は合流式から分流式に変えた方が良いのではないか。区部全部が合流式か。合流式は何区ぐらいあるか。分流式の方が古いのか。合流式、分流式のそれぞれの長所短所を聞きたい。
(行政委員)
一部は分流式、主流は合流式で全体の97~98%である。合流式の方が古いが、それぞれ利点欠点がある。下水道整備が非常に遅れていた時代に合流式での整備はスピードが速く、区部ではいっきに100%整備できた。現在は、2倍希釈で公共水域に流出されていたところを3倍希釈にするなどの努力を行っている。今後、担当部局による説明の場を持ちたい。

~洪水時の対策について~

(都民委員)
地域住民として自己防衛はできない。洪水や高潮など、経験上でしか知らない。
(行政委員)
昨年の東海大水害では、記録的豪雨により2~3mの浸水が出た。ヒートアイランドの影響か、100mm/h以上の降雨もある。このような降雨の際の浸水想定図を作成して公表し、避難経路や避難体制等を検討中である。来年から、降雨・水位情報、危険箇所等をネット上で情報提供する予定である。

~自然環境、川とのふれあいについて~

(都民委員)
川だけでなく、道路、公園、学校も含めて考えるべきである。維持管理の一部を、学校や生徒に任せてもいいと思う。子供の文集の中に、ヤゴやトンボがいる、クチボソが泳いでいる、川がきれいになったと書かれている。連絡会に女性や子供を入れた方が良いと思う。
(座長)
委員に子供を入れることはできないが、他の流域連絡会でイベントや催し物を行い、子供の視点で考えることも良いと思う。また、6視点の中にはないが、歴史文化財や景観をネットワークでつなぐ等、「流域の資産」の視点を追加して良いと思う。次回は、7つの川づくりの視点について議論し、実りある形にまとめていきたい。

4.流域連絡会のあり方について

(都民委員)
流域連絡会での意見は、どこまで報告されるのか。必要ならば、区・都議会議員に参加してもらってはどうか。
(事務局)
区と都では、担当部長まで報告されている。特別拒むわけではないが、この会は住民と行政の意見交換の場、共通認識を持つ場としているので、理解いただきたい。
(都民委員)
大田区長から建設局長に要望書が提出されているが、連絡会で要望事項がまとまったら都に要望書を提出するのはどうか。
(事務局)
議論したことは提案として扱っていくことができる。要望として即実施にはならないが、意見は十分に伝わる。
(座長)
連絡会のメンバーで意見交換を行い、会を運営することに理解いただきたい。

5.今後の進め方

事務局より、次回第3回開催予定は11月頃との提案がありました

6.閉会

次回連絡会への下水道局出席の調整依頼を確認し、閉会となりました。

降雨時に役立つ情報

事業別に見る