第八回議事録

開催日時  平成15年10月10日(金)14:00~16:30
開催場所  東京都庁第一本庁舎25F 「104」会議室

第8回 会議風景

議事

平成15年10月10日(金)の午後2時00分から、東京都庁第二本庁舎において、第二期の始まりとなる第8回隅田川流域連絡会が開催されました。公募により選出された都民委員18名のうち15名と行政委員16名のうち13名が出席されました。また、今回より学識経験者として、土屋先生にも委員として参加していただき、委員の紹介、座長・副座長の選出、隅田川の概要、これまでの流域連絡会(第一期)の概要についての説明の後、都民委員と行政委員による活発な意見交換が行われました。


■会の冒頭に、東京都江東治水事務所の高橋所長が挨拶し、「隅田川は、東京を代表する私たちにとって身近な河川であり、東京都は、環境・治水対策といった事業を現在推進しております。一期目をさらにバージョンアップすべく、より一層、皆さんの活発な意見交換により、有意義な会となることを期待します。」と述べました。

■第二期の初回と言うことで、各委員の自己紹介の後、事務局より会の運営について設置要綱等の一部改正についての提案があり、委員の総意により了解されました。
 設置要綱では住民委員が各区2名沿川7区で14名、団体委員が10名の総勢24名を定員としています。今回中央区や墨田区から三名の応募がありましたが、応募総数が住民委員11名、団体委員7名と定数に満たないことや、応募者の強い意志が感じられたことから応募者全員に委員をお願いするとともに、実態に合わせ要綱の委員の人数に「程度」を追加しました。また、住民委員・団体委員のほか、「学識経験者」を追加し、第二期より土屋先生(前橋工科大学教授)に入っていただきました。
 連絡会の開催回数については変更なく3回としていますが、第一期の実績を踏まえ、原則にとらわれずに、年4回程度の開催を予定することになりました。
 設置要綱に基づき、座長および副座長を委員の推薦により選出しました。座長には前橋工科大学教授の土屋委員、副座長には「隅田川を愛する会」の平井委員および江東治水事務所長の高橋委員が選ばれました。土屋委員は「これまで、河川に関わる仕事にたずさわってきました。任期中は、隅田川の川づくりに提言できるようなまとめが出来るように務めたい。」と挨拶しました。

(座長)土屋委員

■行政委員の橋本委員(代理の西村低地対策係長)より隅田川の概要について説明がありました。
 はじめに、都内の河川と東部低地帯の概要として、地盤沈下、水害の歴史などについて説明がありました。「満潮面以下の広がる東部低地帯には常に水害の危機にさらされていましたが、コンクリート性の堤防の整備により、水害に対しては非常に安全になりました。しかし、人が川に近づきにくく、地震による被害があった場合、復旧に時間がかかってしまうことから、現在、スーパー堤防など地震や水害への安全性を高め、親水性の向上をも図った整備を進めています。」と述べました。
 「隅田川において整備を進めているスーパー堤防は34箇所あり、46.7km中、13箇所9.7kmが概成しています。」と説明しました。また、具体的な事業の実施状況については大川端地区、箱崎地区などの説明がありました。さらに、水辺環境に配慮した整備、舟運を利用した防災船着場、水辺の利用としてのオープンカフェテラスについての説明もありました。
 これまで、7回の流域連絡会が開催され、このなかには現地見学会も開催され隅田川の見識をより深めていただきました。さらに、隅田川の水質の現状と改善への取組や、「オープンカフェテラス」構想、水辺環境の整備・自然環境への配慮といった取組について検議がされてきました。また、各年度の整備工事の概要や他の都市河川における浄化対策の事例の報告などもされました。

質疑応答

(都民委員)堤防も古いので、築30年を経過しているが安全対策はどのようになっているのか。

(行政委員)今の堤防はそれなりの耐震設計はしていますが、擁壁構造で想定外の大きな地震では、倒れる可能性があるのでスーパー堤防のような土を盛った形の堤防にしています。また、将来土を盛っても大丈夫なように、根固めとしてのテラスが今の堤防を押さえいるので地震に対しても安全です。

(都民委員)地震に伴って津波が問題となっていますが、大丈夫なのでしょうか?

(行政委員)隅田川の堤防の高さは、想定する高潮の標高5.1mに沈下等を考慮し、さらに1m以上高く作られています。津波の高さは、シュミレーションの結果、標高3.5mですので、直下型の津波が起きても隅田川の堤防を越えることはないと言う評価をしています。

(都民委員)水質調査が行われていることは聞きましたが、水底の調査は行われているのでしょうか。

(行政委員)水底の調査を底質調査と呼んでいますが、東京都環境局が毎年定点観測を行い年1回発表しています。隅田川についてはダイオキシン等の対策が必要な河川にはなっていません。また、浚渫工事の土砂処分でも、環境局とは別に分析を行っています。

この他に、次のような意見がありました。

  • 分科会形式で具体的なテーマを有志が集まって議論し、それについて流域連絡会でその結果、方向付けされたものを議論したらよい。
  • 分科会のテーマとして、DO(溶存酸素)対策、河川空間の有効利用、親水空間モデル、隅田川資料館、子どもが水辺に近づける親水公園、ホームレス問題、隅田川の日、防災等が挙げられました。
  • 川から見る町というものを最近意識している。観光資源としての川ということでも、舟運ということでも、もっと川を活用して欲しい。そのためにも、川からの資源を大事にして欲しい。
  • セーヌ川やライン川などヨーロッパの河川ではまだまだ、舟運が重要な役割を持っている。国独自の事情も異なっているが、国際都市東京として、諸外国の状況も研究していく必要があるのではないか。

次回は、11月下旬に、現地見学会を実施する予定です。

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