連続立体交差事業の概要

 東京では、都市計画道路がいまだ6割程度しか完成していないなど、道路ネットワークの形成が不十分な状況にあるため、依然として慢性的な交通渋滞などが生じており、都民生活や経済活動に多大な影響を与えています。
 さらに、都内には、約1,040箇所におよぶ踏切があり、道路交通円滑化の大きな妨げになっています。このため、特に朝夕のピーク時に、ほとんど遮断された状態の踏切が存在し、自動車の渋滞を招くとともに、事故の危険性をはらんでいます。
 これらの問題を解決するため、東京都は道路ネットワークの整備と連続立体交差事業を進めています。

 連続立体交差事業は、市街地において道路と交差している鉄道を一定区間連続して高架化又は地下化することで立体化を行い、多数の踏切の除却や新設交差道路との立体交差を一挙に実現する都市計画事業です。この事業は、「都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱」(以下「要綱」という)及び「同細目要綱」(H19.8国土交通省)に基づいて、東京都が事業主体※となって施行しており、次のような事業効果があります。

事業効果
  1. (1) 数多くの踏切が同時に除却されるため、踏切遮断による交通渋滞及び踏切事故が解消できます。
  2. (2) 鉄道により分断されていた市街地の一体化を図ることができ、本事業に併せて市街地再開発事業や土地区画整理事業を実施することで、総合的なまちづくりによる都市の再生、活性化に強いインパクトを与えます。
  3. (3) 新たに生み出される高架下等の空間を周辺の土地利用計画に合わせて、自転車駐輪場や公園等の多目的な形で利用できます。
  4. (4) 鉄道輸送の安全性の向上、踏切経費の節減、輸送力の増強等に寄与します。

 このように、連続立体交差事業は単に交通問題の解消を図るだけでなく、一体的で総合的なまちづくりの推進にも寄与する事業であり、東京の都市再生を進める観点から積極的に取り組んでいます。
 本事業の実施にあたっては、東京都、地元区市、鉄道事業者が相互に連携し、地元のまちづくりに貢献する側道整備等は地元区市が、鉄道工事は、営業線運行の安全確保の観点から鉄道事業者がそれぞれ施行し、東京都は事業主体として、円滑な事業の推進が図られるよう事業の総括等を行っております。

※平成17年度からは、都道府県又は政令指定都市に加え、特別区及び、人ロ20万人以上の都市も事業主体となって施行することが可能となりました。

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