河川の整備事業

 河川事業は、安全で快適かつ活力のある都市の再生を目指して、洪水の危険から都民の生命と暮らしを守るとともに潤いのある水辺の形成や身近な自然の保全・再生を進めることを目的としています。
 当事務所では、管内を流れる石神井川、神田川、野川、仙川、入間川の5河川、延長33キロメートルを対象に、適正な管理と積極的な整備を行っています。

I. 河川の整備

 石神井川、野川、入間川など管内を流れている中小河川については、近年の豪雨の増加や、それに伴う水害の発生状況を踏まえて策定した「中小河川における都の整備方針」(平成24年11月)に基づき、目標整備水準をこれまでの時間最大50ミリ降雨から、区部では時間最大75ミリ降雨(石神井川)、多摩部では時間最大65ミリ降雨(野川、入間川など)【いづれも年超過確立1/20】に引き上げました。
 整備方法については、時間50ミリ降雨までは河道整備により洪水を安全に流すことを基本とし、それに調節池や分水路を組み合わせて、地域の状況に応じた効果的な対策を実施していきます。
 一方、野川など自然に配慮した川づくりにも積極的に取り組んでいます。
 また、事業を進めるに際しては、流域住民や市民団体等との情報・意見交換を行うことを目的とした流域連絡会を設置するなど、都民と行政が協働・連携して、川づくりを進めています。

[1] 石神井川

本川整備
 石神井川は、練馬区境の溜渕橋上流から柳沢橋上流までの1,140mにおいて事業認可を取得しており、平成27年度までに溜渕橋から東伏見橋までの区間が完成しています。平成28年度からは、坂下橋から柳沢橋区間の整備を実施しています。

溜渕橋上流 西東京市東伏見三丁目地内の写真
【石神井川の河川改修工事:平成22年度完成 溜渕橋上流 西東京市東伏見三丁目地内】
調節池整備
 石神井川では、1時間あたり75ミリの降雨に対応するため、青梅街道や伏見通り等の地下に、河川の洪水を貯留するトンネル構造の調節池の整備を計画しています。

 石神井川上流地下調節池事業について

[2] 野川

 野川は、平成15年度に洪水を一時貯留する野川大沢調節池を整備しました。護岸整備については、平成16年度の鞍尾根橋付近の整備を最後に管内箇所は完了しています。
 また、野川流域の洪水対策を一層強化するため、時間最大65ミリ降雨に対応する野川大沢調節池の規模拡大工事が令和3年度に完成しています。

野川大沢調節池の写真
【野川の調節池整備:令和3年度完了 野川大沢調節池 三鷹市大沢五丁目地内】
野川鞍尾根橋付近 小金井市貫井南町四丁目地内の写真
【野川の河川改修工事:平成16年度完成 野川鞍尾根橋付近 小金井市貫井南町四丁目地内】

[3] 入間川

 入間川は、平成17年9月の水害を契機に、現在、治水の安全性を向上させるため分水路の整備を実施しています。この整備は、入間川西野橋から野川小金橋までの延長1,230メートルの分水路を調布市道下に敷設するものです。平成22年度から本格的に工事に着手し、平成25年度より取水を開始しています。

入間川分水路の概要  [759KB]PDF(別ウインドウで開く)

II. 自然再生事業

 野川において、多様で豊富な生き物の生息・生育空間としての湿地環境を再生するため、都民と行政が連携して、野川第一、第二調節池及び周辺を対象として事業を進めています。この事業は、自然再生推進法(平成14年12月、国土交通省、環境省、農林水産省)に基づくもので、事業を推進するため平成17年3月に地域住民、NPO、専門家、自治体からなる「自然再生協議会」を設置して、平成18年9月に全体構想、同年10月に第一次実施計画、平成25年1月に第二次実施計画を策定しました。 平成18年度より第一次実施計画に基づき湿地、田んぼ、ため池及び水路等水のある自然環境の整備を行いました。この整備による湿性環境の創出により、新たに水域生態系が誕生し生物の種類が多様化しました。 維持管理やモニタリングについては、平成18年度に設立した維持管理運営を担う市民団体「野川自然の会」が東京都と協働して、湿地や田んぼの水の管理と補修作業、植物や生き物の観察など、自然とふれあいながら、市民が主体となって実施しています。 平成25年度から「第二次実施計画」に基づき施設整備やモニタリングを実施しており、今後は維持管理計画を策定し、これに基づき適切な維持管理を行っていきます。

III. 水防

 管内の水防管理団体(市)の水防活動が、迅速かつ適切に行えるよう、水防計画を策定し、情報交換等を行うほか、万一、水防管理団体の備蓄資材が不足する場合に備えて、当事務所でも資器材を備蓄し支援体制を整えています。
 また、河川情報等については、河川水位計、雨量計や、ITVカメラを設置し監視を行うとともに、東京都水防災総合情報システムにより、これら河川情報の提供を行っている。

IV. 野川流域連絡会

 野川を自然豊かな地域に活きた親しめる川とするため、平成12年8月より野川流域に在住、在勤、在学の公募委員(任期2年間)、地元関係区市(世田谷区、狛江市、調布市、三鷹市、府中市、小金井市、国分寺市)、及び河川管理者(東京都)の3者が意見交換等を行う場として、野川流域連絡会を設置しています。現在は第8期(平成28年9月~)のメンバー50名により活動を行っています。

  「都民とすすめる川づくり」~流域連絡会について~ 

  野川流域連絡会
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