平成8年水害概要
 

 平成8年の天候は、寒暖の差が大きく少雨、多照傾向となった。冬は気温が高い傾向で少雨、多照傾向、春は気温が低く少雨、多照傾向、夏の気温は前半が高く、後半が低く7月が多雨となった他は、少雨、多照傾向となり、秋の気温は平年並みに推移し、9月が多雨で、初冬は気温が高く、多照傾向となった。
 年間を通じて少雨であったが、多雨となった7月、9月に大雨や台風による被害が起こった。
 平成8年の降雨量は、気象庁東京管区気象台・東京観測所(千代田区大手町)によると1,333.5mmで、平年値(平年値とは、昭和36年から平成2年までの30年間の平均値であり、1,405.5mmである)の約95%程度の雨量であった。
 都における水害被害(一般資産被害)は、2回(7月15日、9月22日)となっている。
 特に、9月22日の台風17号による水害被害が大きかった。

(9月22日 台風第17号)
 彼岸の連休に襲来した台風が、東日本に深いつめ跡を残した。
 大型で強い台風17号は、22日昼から関東地方を暴風域に卷き込み、激しい雨と風をもたらして東海道新幹線などを寸断し、空や海の便も欠航が相次ぎ、首都圈の足は深夜まで乱れた。
 降雨量が最も大きかった所は葛飾区、町田市、品川区、目黒区、江東区等である。新小岩と図師の両観測所で観測された60分最大降雨量はそれぞれ38mmと36mm(22日12時10分〜13時10分)であった。
 空堀川の狭山高木(調整池)水位観測所、狭山橋観測所では、22日の午前11時40分から11時50分にかけて、丸山橋水位観測所では、22日の午後13時30分から13時40分にかけて最高水位が護岸天端高を超えた。
 台風の進路に最も近かった千葉県や神奈川県など、各地で死傷事故が相次いだ。
都内では、一般資産被害面積5.51ha、被害棟数79棟(その内床下浸水が63棟、床上浸水が16棟)であった。
 また、公共土木施設被害は道路冠水、道路法面の崩壤、街路樹の倒木、堤防破損などが原因で21ケ所にのぼった。
 総じて、平成8年における水害の被害規模(一般資産被害)の総計は被害面積5.52ha、被害棟数80棟(この内、床下浸水が64棟、床上浸水が16棟)であり、また、公共土木施設被害も出て、その合計は21ケ所であった。
 なお、平成8年における一般資産被害回数は2回で、過去5ヶ年における一般資産被害回数は、平成3年10回、平成4年4回、平成5年6回、平成6年7回、平成7年4回であった。昭和49年から平成8年までの23年間の一般資産被害規模平均値は、被害面積422.4ha、被害棟数8,432棟(その内、床下浸水が6,829棟、床上浸水が1,603棟)である。

平成8年水害一覧
月 日 原 因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上
7月15日 大雨 0.01 1 0 1      
9月22日 台風17号 5.51 63 16 79   
合 計    5.52 64 16 80