平成11年水害概要
 


 平成11年の気候の特徴は、高温、寡照、多雨であった。気温は、各地で全期間平年より高く推移し、特に東京は年平均気温が観測史上最も高い記録となった。日照時間は、春に少なかったが、その他は平年並みが多くなった。降水量は、春と夏に低気圧や熱帯低気圧の影響で平年より多くなったが、その他の期間は少なかった。
 年平均気温は全国的に平年を上回り、北日本、東日本の一部では平年を1℃以上上回った。熊谷(埼玉県)、東京など5地点で年平均気温の最高値を更新した。
 年降水量は、九州、四国、東北の太平洋側では平年の120%以上となり、一部では130%を超えたところもあった。屋久島(鹿児島県)では、年降水量が6294.5mm(平年比147%)となり、年降水量の最大値を更新した(従来の最大値は1993年に記録された5503.0mm)。
 一方、北海道および西日本の一部で平年を下回り、一部では平年の80%前後となった所もあった。
 年間の日照時間は、北日本の一部、関東甲信越、近畿の一部で平年を上回った。特に関東の一部では110%以上となった所があった。
 一方、北海道の日本海側、東北北部、北陸から近畿にかけての日本海側、中国、九州では平年を下回った。
 東京の平成11年の降雨量は、気象庁東京管区気象台・東京観測所(千代田区大手町)によると1,622mmであり、平年値(昭和44年から平成10年までの30年間の平均値であり、1,441.4mmである)の約113%程度であった。
 東京地方では、集中豪雨や熱帯低気圧により被害が数回にわたり発生した。
 東京都における水害被害(一般資産被害)は、6月18日、7月13日、7月21日、7月22日、8月13〜14日、8月24日、8月29日、9月4日、10月27日の9回であった。
                    
                    一部「気象年報」(気象庁)より抜粋

平成11年水害一覧
月 日 原 因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上
6月18日 集中豪雨 0.01 1 0 1    
7月13日 集中豪雨 2.07 11 2 13     
7月21日 集中豪雨 11.72 323 579 902      
7月22日 集中豪雨 0.95 16 21 37    
8月13〜14日 熱帯低気圧 6.96 319 49 368
8月24日 集中豪雨 2.21 41 75 116    
8月29日 集中豪雨 154.35 2,193 2,900 5,093
9月4日 集中豪雨 0.07 3 0 3    
10月27日 集中豪雨 1.72 25 22 47    
合 計   180.06 2,932 3,648 6,580