平成15年水害概要
 

平成15年水害概要

 平成15 年の気候の特徴は、1月から3月頃までは気温の変動が大きかった。4月から6月頃まではほぼ全国的に高温傾向が続いた。7月、8月は南西諸島で高温だったほかは、オホーツク海高気圧や梅雨前線の影響を受け、北日本を中心として顕著な低温となった。北、東、西日本の夏(6〜8月)の平均気温は平成5年以来の低さであった。また、夏期間の日照時間の3か月合計も東北、東日本、西日本でかなり少なく、稲作を初め多くの農作物に被害が出た。9月以降は再び気温の変動が大きくなった。9月、11月は東日本以西を中心に高温となり、特に11月は記録的な高温となった。
 年平均気温は北海道・東北の太平洋側の一部で平年を下回ったが、そのほかの地域では平年を上回った。特に九州、南西諸島では平年を0.5℃から1.0℃上回った。
 年降水量は関東以西の太平洋側の一部で平年の120%を超えたところがあった。厳原(長崎県)では3,041.0mm(平年比143%)となり、年降水量の最大値を更新した。一方、南西諸島、北海道では平年を下回った。西表島(沖縄)では1,328.5mm(平年比57%)となり年降水量の最小値を更新した。
 年日照時間は、南西諸島、北海道の一部を除いて平年を下回ったところが多かった。特に東北の太平洋側、北陸、近畿・中国の日本海側などで平年の90%以下となった。八丈島では1,145.4 時間(平年比76%)となって、年間日照時間の最小値を更新した。
東京の平成15 年の降雨量は、気象庁東京管区気象台・東京観測所(千代田区大手町)によると1,854.0mmであり、平年値(昭和48年から平成14年までの30年間の平均値:1,460.2mm)の約126%であった。
 平成15年の東京都における水害の特徴は、全般的被害は小規模であったものの、局所的被害が発生した。出水期(6月〜10月)の降水量は平年の約123%と上回り、東京都では、集中豪雨を中心に床上・床下浸水等の小規模な被害が発生した。平成15年の最も大きな被害は10月13日の集中豪雨であり、浸水棟数345棟という大きな被害が発生した。
 東京地方では、集中豪雨を中心に被害が数回にわたり発生した。
 東京都における水害被害(一般資産被害)は、5月20日、6月25日、7月25日、8月5日、8月15日、9月3日、10月13日、10月23日の8回であった。
                    
                                一部「気象年鑑」(気象庁)より抜粋

月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊
5月20日 集中豪雨 0.17 4 4 0 8     
6月25日 集中豪雨 0.87 37 7 0 44    
7月25日 集中豪雨 0 2 0 0 2    
8月5日 集中豪雨 0 0 1 0 1      
8月15日 集中豪雨 0.02 2 0 0 2 ○ 
9月3日 集中豪雨 1.09 70 13 0 83    
9月21〜22日 台風15号 0 0 0 0 0
10月13日 集中豪雨 8.86 206 139 0 345    
10月23日 集中豪雨 0.15 1 0 0 1    
11月13日 集中豪雨 0 0 0 0 0  
合 計   11.16 322 164 0 486