平成16年水害概要
 

平成16年水害概要

平成16 年の天候の概況は、年を通じて全国的に高温傾向が持続した。 1月と2月は、冬型の気圧配置が長続きせず、低気圧の通過が多かった北日本を除いて、高気圧に覆われ晴れの日が多かった。西日本、南西諸島では気温の変動が大きく、北日本、東日本は概ね高温で経過した。 春は、全国的に高温となった。3月と4月は、高気圧に覆われて晴れる日が多く、5月は、低気圧や前線の影響を受けて多雨・寡照が顕著であった。 6月は、太平洋高気圧が平年に比べて大きく北へ張り出し、日本付近で勢力が強かったため高温となった。この太平洋高気圧の勢力が強い状況は10月まで続き、北日本から西日本にかけて酷暑・残暑となるなど高温傾向が続いた。梅雨前線の活動は概ね不活発であったが、7月中旬に活発化した前線により新潟、福島、福井で甚大な災害を伴う豪雨となった。また、6月から10月にかけて、太平洋高気圧の縁を回って10個の台風が上陸し、大雨、暴風、高潮等により甚大な被害をもたらした。台風の年間上陸数10 個は従来の記録6個を大幅に上回る新記録となった。 10月は、秋雨前線や台風により雨の日が多く、北日本から西日本の各地で月降水量の記録を更新する多雨となった。11 月は、高気圧に覆われて晴れの日が多く、北・東日本で記録的な高温となった。12月も上・中旬には冬型の気圧配置が長続きせず高気圧に覆われることが多く、西日本を中心に記録的な高温となった。 年平均気温は、全国的に平年を1℃以上上回ったところが多かった。西日本以北で顕著に高く、東日本では1946 年以降の地域平均気温の記録となった。また、北日本と西日本も同2位の記録となった。 年降水量は、北海道を除いて平年を上回ったところが多かった。北日本から西日本にかけての所々で平年の120%以上となり、四国の一部などでは平年の140%を超えたところがあった。洲本(兵庫県)や宇和島(愛媛県)では年降水量の最大値を更新した。 年間日照時間は、北日本の一部を除いて平年を上回ったところが多かった。特に、関東甲信地方や西日本の一部では平年の110%以上となった。甲府(山梨県)や大阪などで年間日照時間の最大値を更新した。 東京の平成16年の降水量は、気象庁東京管区気象台(千代田区大手町)によると1,750.0mmであり、平年値(昭和48年から平成15年までの30年間の平均値:1480.9mm)の約118%であった。 平成16年の東京における水害の特徴は、集中豪雨と台風による被害が、8月から10月にかけて発生した。出水期(6月〜10月)の降水量は平年の約140%で、特に10月の降水量は平年の約4.8倍と大きく上回った。水害被害においても、10月の台風による被害が中心で、10月9日の台風22号は浸水棟数1,214棟、10月23日の台風23号は浸水棟数676棟と、いずれも大きな被害が発生した。 東京都における水害被害(一般資産被害)は、8月27日、9月4日、9月29日、10月9日、10月20日の5回であった。            
                    
                                一部「気象年鑑」(気象庁)より抜粋

月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊
8月27日 台風16号 0.00 1 0 0 1  
9月4日 集中豪雨 1.74 44 60 0 104    
9月29日 集中豪雨 0.01 0 1 0 1    
10月9日 台風22号 29.74 652 562 0 1214
10月20日 台風23号 11.53 344 332 0 676
合 計   43.02 1041 955 0 1996