平成20年 水害概要
平成20年の日本の天候は、年平均気温が全国的に高く、年間降水量が少なかった。
梅雨入り、梅雨明けは地域格差が大きく、東日本では梅雨入り、梅雨明けともにか
なり早かったが、北陸地方と東北南部で梅雨入りがかなり遅かった。
夏の天候は変動が大きく、7月後半から8月前半には大気の状態が不安定となって局
所的に大雨となった。8月終わりには上空の寒気や、低気圧、前線の影響によって広
い範囲で記録的な大雨をもたらす8月末豪雨が発生した。このため、河川のはん濫や
家屋の浸水、土砂災害等の大きな被害が発生した。兵庫県都賀川では急な増水によっ
て児童を含む5名が流されて死亡するという水難事故が発生した。
台風の発生数(22個、平年26.7個)、接近数(9個、平年10.8個)、上陸数(0個、
平年2.6個)は平年を下回った。上陸した台風がなかったこともあり、水害被害額は
例年よりも小さかったが、8月末豪雨などの局地的な豪雨による死傷者や建物被害等
の甚大な被害が発生した。
平成20年の関東・東京の天候は、年降水量は、気象庁東京管区気象台(千代田区大
手町)によると1857.5mmであり、平年値(昭和53年から平成20年までの30年間の平均
値:1486.1mm)より多かった。
関東甲信地方の梅雨入りは5月29日頃(平年6月8日頃)、梅雨明けは7月19日頃(平年7
月20日頃)で、梅雨入り、梅雨明けともに早かった。
東京に影響した台風は、9月19〜20日に日本列島にはかなり接近したものの上陸せ
ず通過した台風20号の1個であった。
東京都における水害被害(一般資産被害)は、気候変動が大きかった7月から9月にか
けて7月8日、7月12日、7月29日、8月5日、8月28日、9月6日、9月19日の7回発生して
おり、いずれも集中豪雨によるものであった。最大の被害をもたらした8月28日(8月
末豪雨)の浸水家屋は302棟であった。
一部「報道発表資料」(気象庁、国土交通省)より抜粋
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