平成21年水害概要
 

平成21年 水害概要

平成21年の日本の天候は、年平均気温が全国的に高く、年降水量は、北日本太平洋側ではかなり多かったが、西日本太平洋側及び沖縄・奄美では少なく、北日本日本海側、東日本及び西日本日本海側では平年並みだった。
平年よりも早く梅雨入りしたものの、6月は梅雨前線が本州から離れた南海上に停滞することが多く、東日本や西日本では平年並か平年を上回る日照時間となったが、7月から8月前半にかけ、低気圧や梅雨前線、台風9号の影響で、北日本から西日本の各地で大雨となり、梅雨明けが遅れた地域が多かった。
夏の天候は変動が大きく、各地で記録的豪雨による被害が発生した。特に7月19日から26日にかけ、西日本で梅雨前線の活動が活発になり、中国地方から九州北部地方にかけ記録的な大雨(梅雨前線豪雨)となり、浸水害や土砂災害等の大きな被害が発生した。また8月8日から11日にかけ、台風9号が日本の南海上を東進し、日本列島に暖かく湿った空気をもたらし、東日本から西日本にかけ記録的な大雨となった。
台風の発生数(22個、平年26.7個)、接近数(8個、平年10.8個)、上陸数(1個、平年2.6個)は平年を下回ったが、10月8日には、平成19年9月以来2年ぶりに台風18号が上陸し、東日本から北日本を縦断し、広い範囲で暴風や大雨となった。
水害被害額は平年並であったが、梅雨前線豪雨や台風9号などの記録的豪雨による死傷者や建物被害等の甚大な被害が発生した。

平成21年の関東・東京の天候は、年降水量は、気象庁東京管区気象台(千代田区大手町)では1801.5mmであり、平年値(昭和54年から平成20年までの30年間:1513.8mm)より多かった。
関東甲信地方の梅雨入りは6月3日頃(平年6月8日頃)、梅雨明けは7月14日頃(平年7月20日頃)で梅雨入り、梅雨明けともに早かった。また、この間の降水量は平年並であった。
東京都における水害被害(一般資産被害)は、5月から10月にかけて、5月24日(集中豪雨)、6月16日〜17日(集中豪雨)、8月9日〜10日(台風9号)、8月24日(集中豪雨)、10月7日〜8日(台風18号)の5回発生した。最大の被害をもたらした8月9日〜10日(台風9号)の浸水家屋は322棟であった。

一部「報道発表資料」(気象庁、国土交通省)より抜粋 

 


平成21年水害一覧
 
月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊 全壊
5月24日 集中豪雨 0.03 0 5 0 0 5    
6月16日〜17日 集中豪雨 0.07 2 9 0 0 11    
8月9日〜10日 台風9号 6.33 203 119 0 0 322    
8月24日 集中豪雨 0.12 0 7 0 0 7    
10月7日〜8日 台風18号 4.23 20 23 0 0 43
合計   10.77 225 163 0 0 388    


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