平成25年10月15〜16日(台風26号)の概要
 

[ 気 象 概 要 ]

 26号は、10月11日にマリアナ諸島の近海で発生し、14日までには非常に強い勢力を持つまで成長した。沖ノ鳥島近海から南大東島東海上へと進み、その後進路を北東に変えて、16日の未明から朝にかけて強い勢力を維持しながら伊豆諸島や関東地方に最接近した。
 この台風の接近に伴い伊豆諸島北部、千葉県、静岡県を中心に非常に強い雨が降り、特に大島町では1時間に122.5mmの猛烈な雨が降り、24時間降水量が824.0mmと10月の付降水量平年値(329.0mm)の2.5倍の雨を観測し、いずれも観測史上一位の値を更新した。また、台風の接近により風も強まり、最大瞬間風速は千葉県銚子市で46.1m、八丈町で44.7mを記録している。
 この台風の影響で、各地で床上や床下浸水が発生したほか鉄道や航空機、高速道路など交通機関への影響も甚大であった。とくに大島町では大規模な土砂災害が発生し、死者・行方不明者合わせて39人に及ぶという大きな被害が発生している。

 東京都下には、以下のような警報・注意報が発表された。

10月15日 11:30 大雨・洪水注意報(23区西部・東部、多摩南部・北部・西部、大島)発表
10月15日 17:38 大雨・洪水注意報(23区西部・東部、多摩南部・北部・西部、大島)解除
10月15日 17:38 大雨・洪水警報(23区西部・東部、多摩南部・北部・西部、大島)発表
10月16日 06:30 洪水警報(大島)解除
10月16日 08:13 大雨・洪水警報(多摩西部)解除
10月16日 08:13 大雨・洪水注意報(多摩西部)発表
10月16日 11:58 大雨・洪水警報(23区西部・東部、多摩南部・北部)解除
10月16日 11:58 大雨・洪水注意報(多摩西部)解除
10月16日 11:58 洪水注意報(23区西部・東部)発表
10月16日 17:34 洪水注意報(23区西部)解除
10月16日 23:08 洪水注意報(23区東部)解除
10月17日 21:22 大雨警報(大島)解除


[ 降 雨 概 要 ]

 大島では、降雨は15日の午後から16日の未明まで強い降雨があり、特に16日に入って以降、降雨強度が一段と増大している。最も多くの降水を記録した津倍付観測所では、総雨量は679mmに達している。島嶼部以外で最も雨量が多かったのは江戸川区の今井観測所で、272mmを記録している。降雨のピークは大島よりやや遅く、明け方近くとなっている。
 60分最大雨量は大島町の三増観測所で、110mmを記録している。このほか、大島観測所で99mm、津倍付観測所で93mm、御神火茶屋観測所で91mmと、島内の各地で猛烈な降雨があった。島嶼部以外では江戸川区の今井観測所が最大で64mm、以下、江東区の清澄観測所で55mm、江東観測所で54mm、亀戸観測所で53mmと、23区東部で強い降雨があった。
 10分最大雨量も大島で多く、野増観測所で21mm、津倍付観測所で20mm、大島観測所で19mm、御神火茶屋観測所で18mm、波浮観測所で15mmをそれぞれ記録している。島嶼部以外の最大は江戸川区の今井観測所で、14mmを記録している。