平成25年水害概要
 

平成25年 水害概要

 平成25年の日本の天候は、年平均気温は北日本で平年並、それ以外の地方は高めであった。季節的には、寒候期で北日本を中心に冬型の気圧配置となる日が多く、北・東・西日本で寒冬であった一方、暖候期では太平洋高気圧の勢力が日本の南海上から西日本にかけて強かったことなどから、全国的に猛暑となった。年降水量は北日本及び東日本の日本海側で平年をかなり上回った一方、沖縄・奄美では寡雨、東日本の太平洋側と西日本では平年並みであった。
 梅雨入りは沖縄・関東甲信・北陸地方で遅かったほかは平年並みか早く、九州北部地方から東海地方にかけてはかなり早かった。梅雨の時期の降水量は、全国的には概ね少なめであったものの東北地方南部や北陸地方では多く、特に東北地方南部では度々大雨となった。また、7月28日には山口県や島根県で、8月9日には秋田県や岩手県で、8月24日には島根県で記録的な豪雨となり、河川の増水や土砂災害が発生した。
 9月から11月上旬にかけては日本の東海上の高気圧の勢力が平年より強く高温となり、特に10月上旬は記録的な高温であった。11月中旬以降は強い寒気が日本付近に流れ込み、東・西日本、沖縄・奄美で気温が平年を下回った。降水量は、9月から10月にかけては台風の接近が多かったことと秋雨前線の影響で、北日本から西日本にかけての広い範囲で多く、特に9月中旬に上陸した台風18号の影響により福井県、滋賀県、京都府で、10月中旬に接近した台風26号の影響で大島(東京都)で記録的な豪雨となった。11月中旬以降は冬型の気圧配置の日が多く、東・西日本と沖縄・奄美で降水量が多かった。
 台風の発生数は31個で平年より多かった(平年値25.6個)。接近数は14個(平年値11.4個)で、特に秋(9〜11月)の接近数は1951年以降で最も多かった。上陸数(2個、平年値2.7個)は平年並であった。

 平成25年の関東・東京の天候は、年降水量は、気象庁東京管区気象台(千代田区大手町)では1,614.0mmであり、平年値(昭和56年から平成22年までの30年間:1,528.8mm)より多かった。
 関東甲信地方の梅雨入りは6月10日頃(平年6月8日頃)、梅雨明けは7月21日頃(平年7月21日頃)で梅雨入り、梅雨明けともに平年並みだった。また、この間の降水量は平年よりやや多かった。
 東京都における大雨・洪水等の注意報、警報の発表回数は、23区西部では70回の注意報、26回の警報、23区東部では67回の注意報、21回の警報、多摩南部では67回の注意報、24回の警報、多摩北部では75回の注意報、26回の警報、多摩西部では38回の注意報、16回の警報、大島では41回の注意報、9回の警報、新島では38回の注意報、3回の警報、三宅島では72回の注意報、7回の警報、八丈島では14回の注意報、1回の警報、小笠原諸島では8回の注意報、2回の警報であった。東京都建設局では警報の発表と同時に「水防本部」が設置され、警戒配備体制が敷かれることになっているが、その設置回数は14回であった。
 水害被害(一般資産被害)は、4月から10月にかけて、4月6日(集中豪雨)、6月25日(集中豪雨)、7月8日(集中豪雨)、7月23日(集中豪雨)、8月12日(集中豪雨)、8月21日(集中豪雨)、9月15日(台風18号)、10月16日(台風26号)の8回発生した。 浸水面積が最も大きな災害は7月23日(集中豪雨)の水害で、浸水家屋は500棟であった。

一部「報道発表資料」(気象庁、国土交通省)より抜粋 

 


平成25年水害一覧
 
月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊 全壊
4月6〜7日 集中豪雨 0.13 0 22 0 0 22  
6月10〜13日 集中豪雨 0.00 0 0 0 0 0  
6月20〜24日 集中豪雨 0.00 0 0 0 0 0  
6月25日 集中豪雨 0.01 0 1 0 0 1    
6月26〜29日 集中豪雨 0.00 0 0 0 0 0  
7月8日 集中豪雨 0.01 0 1 0 0 1    
7月23日 集中豪雨 2.66 131 369 0 0 500    
8月12日 集中豪雨 0.68 21 57 0 0 78    
8月21日 集中豪雨 2.04 81 178 0 0 259    
9月15〜16日 台風18号 0.17 8 14 1 0 23    
10月15〜16日 台風26号 160.72 135 145 74 137 491
合計   166.42 376 787 75 137 1375    


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