平成27年水害概要
 

平成27年 水害概要

 平成27年の日本の天候は、年平均気温では夏から秋の一時期を除き、全国的に高温傾向が続いた。3月は北日本で、5月は北・東日本で、6月と11月は沖縄・奄美で記録的な高温となった。夏から秋にかけては西日本を中心に低温の時期があり、西日本は2年連続の冷夏となった。
 年日照時間では、北・東日本で8月中旬〜9月上旬など日照時間の少ない時期もあったが、春の後半や秋の中頃に高気圧に覆われた影響で晴れの日が多く、日照時間がかなり多くなったことなどから、北日本と東日本日本海側を中心に、年間日射時間が多かった。特に、仙台(宮城)では年間日照時間時間の平年値が最大値と同じとなっている。一方、西日本では夏に太平洋高気圧の張り出しが弱く、太平洋側を中心に前線や台風、湿った気流の影響を受けやすかったことや4月と11月に前線や低気圧の影響で記録的な寡照となったことなどから、年間日照時間が少なかった。東日本太平洋側と沖縄・奄美は平年並であった。
 年降水量では、夏に前線や台風、南からの湿った気流の影響を受けやすかったため、西日本太平洋側では、年降水量がかなり多かった。特に、枕崎(鹿児島)では年降水量の平年比が最大値を上回っている。また、9月に台風17号と18号の接近により、関東地方や東北地方で河川の氾濫など甚大な災害が発生した記録的な大雨(「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名)となったことなどから東日本太平洋側でも年降水量が多かった。一方、東日本日本海側では梅雨前線の影響を受けにくく、夏の降水量がかなり少なかったことから、年降水量は少なかった。北日本、西日本日本海側、沖縄・奄美では平年並みの降水量であった。
 台風の発生数は平年並みの27個(平年25.6個)であった。日本への台風の接近数は平年より多い14個(平年値11.4個)であった。このうち、台風21号により9月28日に与那国島で同島の歴代1位となる最大瞬間風速81.1m/sを記録した。日本への台風の上陸数は昨年と同様、平年(2.7個)を上回る4個(11号、12号、15号、18号)であった。このうち、台風18号から変わった温帯低気圧と台風17号の影響で、9月に関東地方と東北地方で記録的な大雨(平成27年9月関東・東北豪雨)となった。

 平成27年の関東・東京の天候のうち、年降水量は気象庁東京管区気象台(千代田区大手町)では1781.5mmであり、平年値(昭和60年から平成26年までの30年間:1,569.2mm)より多かった。
  関東甲信地方の梅雨入りは6月3日頃(平年6月8日頃)、梅雨明けは7月10日頃(平年7月21日頃)であり梅雨入り、梅雨明けともに平年より早かった。また、この間の降水量は平年より多かった。
  東京都における大雨・洪水等の注意報、警報の発表回数は、23区西部では21回の注意報、9回の警報、23区東部では21回の注意報、6回の警報、多摩南部では25回の注意報、5回の警報、多摩北部では26回の注意報、8回の警報、多摩西部では12回の注意報、6回の警報、伊豆北部では19回の注意報、8回の警報、伊豆南部では43回の注意報、7回の警報、小笠原諸島では6回の注意報、5回の警報であった。東京都建設局では警報の発表と同時に「水防本部」が設置され、警戒配備体制が敷かれることになっているが、その設置回数は13回であった。
 水害被害(一般資産被害)は、7月から9月にかけて、7月16日〜17日(台風11号)、7月24日(集中豪雨)、7月30日(集中豪雨)、8月16日(集中豪雨)、9月8日〜10日(台風18号)の5回発生した。 浸水面積が最も大きな災害は9月8日〜10日(台風18号)の水害で、浸水家屋は21棟であった。

一部「報道発表資料」(気象庁、国土交通省)より抜粋 

 


平成27年水害一覧
 
月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(m2)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊 全壊
7月16日〜17日 台風11号 409 9 0 0 0 9    
7月24日 集中豪雨 1,007 7 13 0 0 20    
7月30日 集中豪雨 346 5 0 0 0 5    
8月16日〜17日 集中豪雨 80 0 1 0 0 1    
9月8日〜10日 台風18号 1,170 7 14 0 0 21    
合計   3,012 28 28 0 0 56    


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