昭和50年水害概要
 

 昭和50年の主な水害は、10月5日の台風13号が本土に接近してもたらした降雨により、南多摩、北多摩および区部の広範囲の地域に発生した被害と、11月7日の集中豪雨による足立、葛飾、江戸川各区の東部低地地域の被害に代表される。10月5日の降雨は13号台風が北上するに従い、当時関東地方をおおっていた寒冷前線の刺激によるものであり、町田市で最大時間雨量37mmを記録したのを最高に各地に大雨を降らせた。このため普通河川や公共溝渠が溢水し、浸水棟数1,763の被害を蒙った。
一方、11月7日の集中豪雨は隅田川以東の低地地域を中心として降り、足立雨量観測所において時間最大雨量25.5mmが記録され、このため公共溝渠の溢水により3,836棟が浸水被害を受けている。これらの水害のほか、小規模の水害を含めると1年間に10回の水害が発生し、合計8,079棟の浸水被害が生じている。しかし昨昭和49年の水害(浸水棟数15,062)に比較し、約半数の被害にとどまった。本資料は河川の整備に必要な資料として、建設省より毎年依頼されて実施している水害統計調査をもとに、都で観測している雨量、水位記録、気象庁の天気予報等を参考に、昭和50年の全水害を収録した。
また水害統計調査にさいし、御協力いただいた関係者の方々に深甚の謝意を表わすとともに、今後共よろしくお願い申し上げます。

昭和50年水害一覧
月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊
3月21日 集中豪雨 0.50 12 0 0 12  
4月21日 集中豪雨 2.40 46 1 0 47  
5月27日 集中豪雨 0.10 2 0 0 2  
6月10日 梅雨前線 25.20 284 43 0 327  
6月27日 集中豪雨 0.30 2 0 0 2  
7月4日 集中豪雨 78.20 635 4 0 639 ---  
7月21日 集中豪雨 9.60 116 2 0 118  
8月22日 台風6号 8.10 188 38 0 226  
9月5日 集中豪雨 46.10 968 97 0 1,065 ---  
9月23日 集中豪雨 1.10 42 0 0 42 ---  
10月5日 台風13号 71.70 1,684 79 0 1,763  
11月6日 集中豪雨 504.80 3,697 139 0 3,836 ---  
合計   748.10 7,676 403 0 8,079