昭和51年水害概要
 

 昭和51年の水害は、9月9日の台風17号が本土に接近して前線を刺激し、都内各地に豪雨をもたらし、都心を貫流している石神井川流域を中心に発生した被害に代表される。
9月9日の降雨は田無観測所の時間最大雨量65mm、総雨量220mmを最高に石神井、小平の各観測所がこれに次いだ降雨量を記録している。
この降雨の特徴は、城北方面に降雨の中心があったので必然的に白子川、石神井川の各流域に被害が集中した。水害の原因としては、公共溝渠や普通河川の溢水、排水不良による滞留水のほか本川が溢水したため、大きな被害となった。
その他本川が溢水したのは、野川、仙川、神田川、善福寺川、丸子川、恩田川、境川、真光寺川、黒目川、落合川等であり、総被害棟数は8,212棟にのぼった。
このほか昭和51年の水害は9月9日のほか4回の水害が発生し合計8,335棟の浸水被害を受けている。
本資料は河川の整備に必要な資料として建設省より毎年依頼されて実施している水害統計調査をもとに、都で観測している雨量、水位記録、気象庁の天気予報等を参考に昭和51年の全水害を収録した。
また水害統計調査にさいし御協力いただいた、関係者の方々に深甚の謝意を表わすとともに、今後共よろしくお願い申し上げます。

昭和51年水害一覧
月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊
6月15日 集中豪雨 0.90 35 0 0 35    
7月11日 集中豪雨 0.10 4 0 0 4    
8月10日 集中豪雨 0.60 28 0 0 28    
8月27日 集中豪雨 0.80 56 0 0 56    
9月9日 台風17号 382.60 6,034 2,178 0 8,212  
合計   385.00 6,157 2,178 0 8,335