昭和52年水害概要
 

昭和52年の水害は、7月7日局地的な雷雨により東京の西部区域に発生した被害と、8月17〜19日熱帯低気圧と停滞前線の影響による集中豪雨により都内全域に発生した被害とに代表される。
7月7日は山沿いで発達した雷雲の通過に伴ない、短期間に、しかも局地的な集中豪雨となり、福生雨量観測所で最大時間雨量82mmを記録したのを最高に、立川及び八王子市等に大雨を降らせた。このため419棟の家屋が浸水し、公共土木施設及び鉄道、道路貨物運送等の公益事業にも被害を生じた。
また、8月に入っては、10日頃より断続的に雨が降り続いていたが、特に17日から19日にかけて北上してきた熱帯低気圧と停滞前線の影響で西、南多摩地区を中心に強い雨が降り、桧原及び八王子西雨量観測所では総雨量250mmを越え、他の観測所でも200mmを越える所があった。このため、河川の溢水(普通河川を含む)や内水の滞留により2,115棟の浸水被害のほか、公共土木施設にも被害が生じた。
昭和52年は、これらの水害のほか1年間に12回の水害が発生し、合計2,891棟の浸水被害が生じている。しかし、昭和50年(8,079棟)、昭和51年(8,335棟)に比較してみると、約1/3程度の被害にとどまった。
本資料は河川行政に必要な資料として建設省より毎年依頼され実施している「水害統計調査」をもとに、都で観測している雨量、水位記録及び気象庁の速報天気図等を参考に昭和52年の全水害を収録した。
また、水害統計調査にさいし御協力いただいた関係者の方々に深甚の謝意を表わすとともに、今後共よろしくお願い申し上げます。

昭和52年水害一覧
月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊
3月24日 集中豪雨 0.60 12 0 0 12    
3月30日 集中豪雨 1.40 19 1 0 20    
5月15日 集中豪雨 5.90 85 8 0 93    
7月2日 集中豪雨 0.30 10 0 0 10    
7月7日 集中豪雨 17.50 409 10 0 419
7月16日 集中豪雨 2.40 29 1 0 30    
8月14日 集中豪雨 0.10 1 0 0 1  
8月17日 集中豪雨 92.40 1,928 187 0 2,115
8月22日 台風8号 0.00 0 0 0 0  
9月9日 集中豪雨 0.10 0 1 0 1  
9月19日 台風11号 5.10 160 5 0 165  
12月16日 集中豪雨 0.90 24 1 0 25    
合計   126.70 2,677 214 0 2,891