昭和60年水害概要
 

 昭和60年の降雨量は、気象庁東京管区気象台・東京観測所(千代田区大手町)によると、1516.5mmで平年並(平年とは、昭和26年から昭和55年までの30年間の平均値であり、平均値は1,460.2mmである)であった。
都における水害被害(一般資産被害)は、6回(6月19日〜20日、6月30日〜7月1日、7月14日、7月20日、7月21日、9月6日)となっている。なお、過去5ヶ年に於ける一般資産被害回数は、55年2回、56年4回、57年7回、58年5回、59年2回である。
被害規模(一般資産被害)としては、被害面積322.1ha、被害棟数10,989棟(この内、床下9,344棟、床上 1,645棟)であった。なお、昭和49年から59年までの11年間の平均値は、被害面積763ha、被害棟数13,393棟である。
昭和60年における最大の水害は、7月14日に発生した集中豪雨であるが、このときの主要雨量観測所における記録としては、呑川の工大橋で18時30分から23時50分までに96mm、60分最大雨量で91mmを記録した。これに伴い、新宿区他15区市にわたり被害をもたらし、被害面積262.4ha、被害棟数9,610棟(そのうち床下が8,052棟、床上が1,558棟)であった。公共土木施設被害は、7ヶ所、公益事業被害は4ヶ所であった。
なお、本年における主要な水害以外の災害として6月12日、6月12日〜14日、8月11日の各災害があるが、それらについては公共土木施設被害のみを収録した。
本資料は、「水害統計調査」をもとに、都で観測されている雨量・水位、及び気象庁の速報天気図等を参考に全水害を収録したものである。
なお、水害統計調査に際して御協力をいただいた関係者の方々に深甚なる謝意を表すと共に、より一層の御協力をお願い申しあげる次第である。

昭和60年水害一覧
月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊
6月19日 集中豪雨 2.40 60 0 0 60    
6月30日 台風6号 26.50 155 20 0 175  
7月14日 集中豪雨 262.40 8,052 1,558 0 9,610
7月20日 集中豪雨 12.10 150 1 0 151    
7月21日 集中豪雨 0.80 72 1 0 73  
9月6日 集中豪雨 17.90 855 65 0 920    
合計   322.10 9,344 1,645 0 10,989