井の頭池だよりR5 5月

2023年5月31日(水) カメを観察できる季節です


井の頭池では、かいぼりやその後の水辺再生により、在来カメ類が生息しやすい環境が整ってきています。
ここで見られるカメは、日本固有種のニホンイシガメ(東京都レッドリスト 絶滅危惧IA類)とニホンスッポン(同、絶滅危惧I類)です。井の頭池は散策中に複数のニホンイシガメを見ることができる、都内でも有数の観察スポット。他の水辺では多く見られる外来種のミシシッピアカミミガメは、ここでは駆除活動によってほぼいなくなりました。
4月から5月は、カメたちの日光浴する姿がよく見られる季節です。暖かな日差しに誘われて日光浴するカメを、池のあちらこちらで観察することができます。木杭や水面近くの構造物などを探してみましょう。ニホンスッポンは8月になっても水面に漂う水草の上などで日光浴しています。
 
木杭の上で日光浴するニホンイシガメ
水草(ツツイトモ)の上で日光浴するニホンスッポン

6月から7月になると産卵の季節を迎えます。普段水中で暮らしているカメたちは、産卵するときは陸上へ移動し土を掘って卵を産みます。早朝または雨の日には、園路を歩いているカメを見かけることがあるかもしれません。産卵場所へ向かっているか、産卵が終わり池へ戻る途中のカメの可能性があります。陸上を歩いているカメを見かけたら、近づいたり捕まえたりせずに遠くからそっと見守ってください。
 
産卵中のニホンスッポン
地上にいた、ふ化したばかりのニホンイシガメ

かいぼり以前の井の頭池は、池と陸地が垂直護岸によって分断されていましたが、かいぼりを機に浅場が整備され、池から岸辺に向かってなだらかな湿地になった場所があります。浅場にはトンボなどのさまざまな湿地帯の生物が生息しています。カメもそのひとつで、泳ぎが上手でない子ガメは浅い湿地で暮らしています。よく探すと水中でじっとしている子ガメを見られることがあります。
 
浅瀬でじっとしていたニホンイシガメ幼体

お散歩中、いつもとちょっと視点を変えてニホンイシガメやニホンスッポンを探してみてはいかがでしょうか。


 

お問い合わせ

建設局西部公園緑地事務所 工事課 0422-47-0192
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