特設展示「ハペペ博士の研究所」オープン!
恩賜上野動物園飼育展示課は虫類館飼育展示係 齊當史恵
ペンを持つ。蛇口をひねる。てくてく歩く。
手や足を使って暮らす私たち人間。実は、それはとても不思議なことです。なぜなら、海で生まれた私たちの祖先は手も足も持っていなかったのですから。
「あしはどこからやってきたのか?」「なぜ、あしは多様なのか?」「なぜ、あしを失った生き物がいるのか?」
そんな壮大なテーマに両生爬虫類のあしから迫るのが、今年3月にオープンした「両生爬虫類館特設展示ハペペ博士の研究所―あしのナゾ」です。4年前に好評だった特設展示「両生爬虫類鑑あし」をリニューアルしてオープンしました。この展示では、あしの誕生に魅せられ、人生を捧げているちょっと変わり者の「ハペペ博士」が登場します。博士は制作スタッフの想いのつまった架空の人物。森の中にある(自称)研究所で熱心に研究をしています。
博士の研究所は、呆れるほどの散らかりようです。本に標本、よくわからないガラクタでいっぱい。壁のあちこちに走り書きが貼ってあり、カエルやカメレオン、ヘビやハイギョの水槽が所狭しと並んでいます。どうやら博士は、あしの誕生と進化のなぞを解く「鍵」は、この動物たちだと考えているようです。ほら、今日も研究所の扉は開きっぱなし。どうやら孫娘とカエル探しに出かけたみたい。こっそり中を覗くなら、いまがチャンスですよ。