平成23年水害概要
 

平成23年 水害概要

 平成23年の日本の天候は、年平均気温は北日本から西日本にかけては平年並みで、沖縄・奄美では低かった。 季節的には春は寒気の影響を受けやすかったため平均気温が低く、逆に夏から秋にかけては太平洋高気圧や偏西風の影響で高くなったのが特徴である。
 年降水量は北・東日本日本海側、西日本で多く、とくに北日本日本海側ではかなり多かった。
 梅雨入りは、東北・北陸地方以外の多くの地方でかなり早く、梅雨明けは奄美・九州南部・九州北部・四国地方以外の地方でかなり早かった。7月終わりには、平成23年7月新潟・福島豪雨により、新潟県と福島県会津では記録的な大雨が降り甚大な災害が発生した。
 秋は台風や低気圧などの影響により、全国的に降水量が多く、9月には台風12号と台風15号による記録的な大雨により甚大な災害が発生した。この影響で、日照時間は湿った気流の影響を受けやすかった沖縄・奄美ではかなり少なく、統計を開始した1946年以降最も少ない値となった。
 台風の発生数は21個(平年値25.6個)で、1951年以降、2003年等と並び4番目に少なかった。台風の発生数が少なかったこともあり、接近数(9個、平年値11.4個)は平年を下回った。上陸数(3個、平年値2.7個)は平年並であった。

 平成23年の関東・東京の天候は、年降水量は、気象庁東京管区気象台(千代田区大手町)では1479.5mmであり、平年値(昭和56年から平成22年までの30年間:1528.8mm)より少なかった。
 関東甲信地方の梅雨入りは5月27日頃(平年6月8日頃)、梅雨明けは7月9日頃(平年7月21日頃)で梅雨入り、梅雨明けともにかなり早かった。また、この間の降水量は少なかった。
 東京都における大雨・洪水等の注意報、警報の発表回数は、23区では28回の注意報、7回の警報、多摩部では29回の注意報、8回の警報であった。東京都建設局では警報の発表と同時に「水防本部」が設置され、警戒配備体制が敷かれることになっているが、その設置回数は10回(うち1回は津波警報)であった。
 水害被害(一般資産被害)は、7月から9月にかけて、7月20日〜21日(台風6号)、8月7日(台風9号)、8月19日(集中豪雨)、8月26日(集中豪雨)、9月21日(台風15号)の5回発生した。最大の被害をもたらした8月26日(集中豪雨)の浸水家屋は417棟であった。

一部「報道発表資料」(気象庁、国土交通省)より抜粋 

 


平成23年水害一覧
 
月日 原因 一般資産被害 公共土木
施設被害
公益事業
等被害
浸水面積
(ha)
浸水棟数(棟) 合計
(棟)
床下 床上 半壊 全壊
7月20日〜21日 台風6号 0.02 1 1 0 0 2    
8月7日 台風9号 0.02 0 2 0 0 2    
8月19日 集中豪雨 0.20 4 2 0 0 6    
8月26日 集中豪雨 5.76 142 275 0 0 417    
9月21日 台風15号 0.01 1 1 0 0 2
合計   6.01 148 281 0 0 429    


平成23年の水害記録に戻る