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神田川上流懇談会議事録(第10回)

開催日時  平成18年7月7日(金)14:30~17:00
開催場所  神田川取水施設管理棟会議室

平成18年7月7日(金)の午後2時半より、第10回神田川上流懇談会が「平成18年度の主な河川工事」などをテーマに開催されました。
 当日は、都民委員13名、行政委員9名が出席しました。

■最初に、東京都第三建設事務所から「平成18年度の主な河川工事」と「河川激甚災害対策特別緊急事業(以下「激特事業」)」についての説明が行われた後、都民委員と行政委員による意見交換が行われました。
 今年度の河川工事は、神田川等の本川と環七地下調節池関係の通常事業に加え、昨年の水害により必要となった激特事業があります。

平成18年度の主な河川工事予定箇所図

■激特事業の対象河川は、妙正寺川と善福寺川です。
 妙正寺川の事業区間は、落合調節池から環状七号線地下調節池の妙正寺川取水施設までで、事業内容は、護岸整備約1.3キロ(図中の赤の二本線)、橋梁7橋(図中の四角で囲った橋)及び事業区間内の河床掘削です。今年度は、北原橋付近で橋梁の架替と護岸の整備を工事中で、妙正寺川取水施設の取水口等と工事用搬入路の仮設工二箇所を予定しています。

善福寺川の激特事業。護岸整備のイメージ写真

善福寺川の事業区間は、善福寺川取水施設から和田堀第六号調節池までで、事業内容は、護岸整備約0.4キロ、橋梁二橋及び調節池の貯留量増大です。今年度は、善福寺川取水施設の固定堰改良等と和田堀第六号調節池の掘削工事を予定しています。

善福寺川 本村橋架け替えのイメージ
善福寺川の激特事業

■次に、当懇談会の今後のまとめ方について、事務局から「活動記録」を作成するとの提案がありました。各委員のご意見、ご提案を反映させていく予定です。

■続いて、中野区から「河川護岸調査結果」、杉並区から「水防の手引き」(パンフレット)、事務局から「河川愛護月間関連行事」についての情報提供がありました。
 中野区は、昨年の水害で二箇所の護岸が倒壊したため、区管理河川の護岸調査を実施し、対応を要する箇所を段階的に判定しました。緊急対応を要する区間について九月中に護岸補修工事を実施する予定です。
 杉並区は、大雨に対する備えや洪水ハザードマップを掲載したパンフレットを作成し、区全域に各戸配付しています。

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

<ご質問>

昨年九月の洪水では50ミリ対応の整備が終わったとされる善福寺川の松渓橋付近で護岸より約1m高い水位になった。このような洪水に対してどの様に対処するのか。また、一時間に100ミリ、80ミリの雨だったらどうするのかといった方針をつくっていく必要があると思う。

 松渓橋から上流は50ミリ対応の護岸が完成していますが、河床を上げて30ミリ程度の洪水を流す能力をもっています。激特事業により整備する区間は、昨年の洪水に対して余裕高を含めて護岸ぎりぎりで対応できるようにしています。
 また東京都の河川は最終的には一時間に100ミリの雨が降っても対応できる計画になっており、現在の50ミリから75ミリ、100ミリと段階的に整備を進めていく予定です。

 既設の調節池が数箇所あると思うが、昨年の洪水でこれらの調節池が十分活用できたのでしょうか。

 妙正寺川の上高田調節池は全部入りませんでしたが、他はほとんど入り十分活用できました。この原因は、洪水が上高田調節池の上流の橋げたに当たり溢れてしまったためと思われます。これらの橋梁は、現在行っている激特事業により架け替えます。

 下水道が合流式になっていることの問題ですが、雨天の時に善福寺川へ武蔵野市から雨水混じりの下水が流入する吐き出し口がある。何年か後に、下水を野川の方を通って羽田沖の方にもっていく下水の工事があると聞いたことがあるのですが。

 下水道計画については別途確認する必要がありますが、基本的に荒川水系に含まれる神田川や善福寺川の洪水を別の水系にもっていくことはないと思います。以前、そのような構想を聞いていますが、詳しくはわかりません。

<ご意見>

  • 激特事業で治水面だけでなく環境面もやるという話があった。環境面について専門家の目から見るのも当然と思うが、日常、川を見ている人の目も重要だと思う。
  • 今、神田川と都心部の河川では景観を非常に重要視して景観条例等もつくられている。河川の景観について都民委員は非常に関心が強いので、逐次情報提供していただき意見交換していきたいと思っています。
  • 神田川は治水が最優先で行われており、それは最も大事なことですが、川を利用してもっと夢のあるような話を含めて何かやりたい気がする。
  • 激特事業で妙正寺川の橋を架け替える際に、その橋が必要道路幅だけでなく立ち止まれる「張り出しデッキ」というようなものを考えていただきたいと思います。

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