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神田川上流懇談会議事録 第1回(通算12回)

開催日時 平成19年4月26日(木)14:00~17:30
開催場所 善福寺川取水施設会議室

 平成19年4月26日(木)の午後2時より、善福寺川取水施設において第2期の神田川上流懇談会が初めて開催されました。
 神田川上流懇談会は、公募により選出された都民委員と都区市の行政委員からなり、神田川(江戸川橋から上流)、善福寺川及び妙正寺川を対象に、河川に係わる情報や意見の交換・提案を行うことを目的に設置されたものです。
 当日は、懇談会設置要綱等の確認、座長等の選出、情報提供の後、都民委員と行政委員による活発な意見交換が行われました。

  • 開会にあたり、東京都第三建設事務所の藤江所長が、「都市の進展と共に水質も悪くなり、下水道に代わったりして、かなりの川がなくなっています。今残っている川は、基幹となる川だけで、何とかしていい河川環境にしたいというのが我々の願いです。皆様の知恵を拝借しながら、いい川づくりを進めさせていただきたいと思います。」と挨拶しました。
冒頭挨拶の写真
藤江第三建設事務所長の冒頭挨拶
  • 始めに、各委員の自己紹介の後、事務局から当懇談会の設置要綱及び運営要領についての提案があり、了承されました。
     次に、座長と副座長を委員の互選により選出しました。座長には東京都第三建設事務所工事第二課長の東野委員、副座長には都民委員から鈴木委員、行政委員から北多摩南部建設事務所工事第二課長の上田委員が選ばれました。
  • 続いて、事務局から「神田川水系の概要」について説明がありました。
     中小河川改修の歴史、再改修の契機となった洪水、1時間に50ミリ対応の整備状況などの東京都の河川事業、流域の市街化の変遷、主な水害、川の変遷、治水事業などの神田川流域の概要のほか、河川事業費の推移、河川激甚災害対策特別緊急事業の概要について説明がありました。
  • 続いて、「平成十九年度の主な河川事業」について説明がありました。
     神田川等の主な河川事業は、通常事業、通常事業のうち環状七号線地下調節池事業、河川激甚災害対策特別緊急事業及び急傾斜地事業の4種類の事業を行っており、今年度は合計15箇所を予定しています。
平成19年度の主な河川事業予定箇所図

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

 神田川の新橋上流で今年度の護岸整備延長は30メートルと短いのですが、反対する方々によって用地買収が進んでいないのでしょうか。

 用地買収する際は十分に説明して買収させていただきますが、用地買収について今のところ大きな問題はなく、ほとんどご協力をいただいております。

 今年度の主な河川事業予定の箇所ごとに費用と便益を計算しているのですか。

 河川工事は国庫補助の事業ですので、国の認可をとります。年度や箇所ごとに計算するのではなく、事業の一定区間について国の認可をとるときに護岸を整備する費用と、その整備により軽減できる被害額の便益を計算しています。また、神田川全体の整備計画を策定するときも計算しています。

 神田川は全川でコンクリート三面張りなのでしょうか。また、吸水コンクリートなどを使う工夫があるのですか。

 高密度に市街化が進んでおり川幅を大きく広げられない区部では、降雨時に一気に川に流れ込む洪水を早く流すため、コンクリートの三面張りにしています。ただし、可能なところは部分的に自然の河床にすることも検討しています。また、吸水コンクリートについては、短時間に大量の洪水が流れるため非常に困難です。しかし、透水舗装や公園貯留などにより、一挙に川へ水が出ないような工夫は必要と考えています。

 平成17年9月に大きな水害が発生しましたが、善福寺川取水施設が十分稼働しなかったためですか、それとも十分稼働しても洪水を防げなかったのですか。

 当時、善福寺取水施設は工事中で、神田川取水施設から取水しました。環状七号線地下調節池も全長4.5キロメートルのうち2キロメートルが完成して洪水を貯めました。また、計画している以上の雨が降ったということもあり、貯める量を越えていました。それでも地下調節池があったために、下流の水害が軽減できたと考えています。

 善福寺川の激特事業は水に親しめる、あるいはもう少し草を生やすような工事を行う計画はあるのでしょうか。

 護岸表面に現在の間知石を再利用し、可能な箇所については草の生える自然河床にしようと考えています。また、公園と一体となった親水的な護岸を杉並区と東京都の協力で整備することを検討中です。

 善福寺川のような河川の整備に際して、デザイナーは入っているのですか。

 これまでの河川整備では機能中心で、デザイナーが入る余地はなかなかありませんでした。基本的には無味乾燥なコンクリート護岸が今でも河川整備の主流です。景観よりも治水を優先せざるを得ない、という現状がまだ続いています。しかし、可能な箇所については景観性、親水性を高めた整備を行おうということで、激特事業に環境アドバイザーからご意見をいただきながら進めています。

  • 善福寺川の整備で部分的に間知石のような高いものを使うよりは、椿山荘の下のあたりのツタなどを積極的に取り入れると、もう少し柔らかく安い費用でできるかなと思う。
  • それぞれの区市において神田川などに関連する事業や行事があると思います。他の区市の方に情報を提供することがより有効だと思うので、新しい事業計画などがありましたら、当懇談会で情報提供をしていただきたい。

次回は、9月か10月頃の開催を予定しています。

 今後は、神田川等に係わる各区市からの事業計画や都民委員からの資料提供、現地視察などを実施したいと考えています。また、下水道の合流改善、神田川等の行事、民間団体等による河川清掃などについて、情報提供し意見交換をしていきたいと考えています。

神田川上流懇談会委員の写真

降雨時に役立つ情報

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