印刷する

神田川上流懇談会議事録(第1回)

開催日時 平成16年2月18日(水)14:00~16:30
開催場所 東京都第三建設事務所

懇談会風景写真

 去る平成十六年二月十八日(水)の午後二時より、東京都第三建設事務所において、神田川上流懇談会が初めて開催されました。神田川上流懇談会は、一般都民から公募により選出された都民委員十四吊と行政委員十一吊からなり、神田川江戸川橋から上流、善福寺川及び妙正寺川を対象に、河川の整備や維持管理等について、情報や意見の交換、提案を行う事を目的に設置されたものです。
 当日は、委員の紹介、座長・副座長の選出の後、都民委員と行政委員による活発な意見交換が行われました。

開会にあたり、第三建設事務所の米田所長が挨拶し、「以前は暴れ川と呼ばれた神田川ですが、河川改修の進捗により水害が減少したこともあり、近年は神田川の再生、あるいは川づくりに関心が高まっています。皆さんの率直な意見交換により、それを神田川の川づくりに活かしていければと考えております。《と述べました。

各委員の自己紹介の後、事務局により会の運営及び設置要綱についての提案があり、委員の総意により了承されました。

 設置要綱では、都民委員が、沿川七区市から各区市二吊づつの計十四吊、行政委員が十一吊の総勢二十五吊を定数としています。今回杉並区から四吊選出しておりますが、これは豊島区と三鷹市の応募者が一吊ずつであり、この二吊の補充選考をしたところ、結果的に杉並区から二吊選出されたという経緯説明が、事務局よりありました。
 懇談会の開催回数について、都民委員から「年二回の開催で、議論の成果は挙がるのか《との意見が出されました。このため、対象区間の神田川上流の現場見学会などを含め、なるべく回数を多く開催し、委員の方々の意見を伺いながら決めていきたいとの説明がありました。
 また、臨時委員に関して事務局から、懇談会の議題に関連した「神田川に関連して活動している団体の代表者等《に参加して頂いて、これまでの活動の蓄積を紹介して頂くとの説明がありました。

神田川の魚道における魚類の調査(高戸橋下流)の画像

設置要綱に基づき、座長及び副座長を委員の互選により選出しました。座長には第三建設事務所工事第二課長の清水委員、副座長には北多摩南部建設事務所工事第二課長の宮崎委員が選ばれました。懇談会の第一期ということで、議論の方向性や当面の検討内容の観点から、スタートにあたっての進行役として、行政委員を候補者としましたが、座長、副座長とも「時期がきたら、新たに座長を選出したい《との挨拶がありました。

続いて東京都建設局河川部計画課中小河川係の太田課長補佐より、神田川の概況について説明がありました。

 始めに東京都管内の河川の説明があり、今回の検討区間である神田川の江戸川橋から上流部の、昭和初期から現在に至る変遷が説明されました。その中で、「高戸橋下流では、鮎の溯上が確認されたため、生態系にも優しい多段式の低い落差の連続で高低差を処理しています。《との説明がありました。
 また、神田川は、「普段は川底にしか、水が流れていませんが、洪水になると一変して水位が上昇し、護岸からあふれる事があります《として、過去の水害記録から整備の必要性を強調しました。

 水害を起こさないための整備の手法については、河道拡幅を基本として、市街化が著しく進展し、拡幅が難しい地域においては、洪水を迂回させる「分水路《、一時的に貯留する「調節池《を設置しているとの報告がありました。
 その他、河川法の改正により、「治水《「利水《に「環境《という項目を河川法の中に位置付け、平成十七年に河川整備計画策定を予定しているとの報告がありました。その前段として、来年度に「神田川再生構想《を策定する予定で、現在、神田川再生構想検討会を設置しているとの説明がありました。また、今後の河川整備計画の策定に当たっては、懇談会を含めて、流域の方々の意見を聞きながら行っていきたいとしました。

分水路と地下調整池の画像

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

改修計画が1時間50ミリメートルとなっていますが、都市化に伴って浸透量が減っている傾向にあるのですか。

 現在の市街化率は96%まで進み、飽和状態となっています。現在残っている自然地は、主に大きな公園です。要するに地下に浸透しないで、下水や河川に流れる量が頭打ちになっているということです。また、総合的な治水対策として、河川における治水対策の他に、流域に水を貯留させたり、雨水を地下に浸透させたりする事業を、計画に基づいて行っています。浸透量については現在調査中です。

 神田川・環状七号線地下調節池(※)の完成はいつになるのですか。

 第二期のトンネルは、平成十六年度末には掘り終えます。また、取水施設の完成予定は平成十九年度の完成を予定しておりますが、平成十七年度中には供用を予定しています。

※環状七号線の地下にトンネルを建設し、洪水を流入させ調節池として利用するものです。 現在第一期事業2.0キロメートルが供用中で、24万立方メートルの洪水を貯留できます。第二期事業は延長2.5キロメートルが建設中で、完成すると第一期と合わせて神田川と善福寺川の洪水約54万立方メートルを貯留できるようになります。

 神田川再生構想検討会の構成と、この懇談会とはどのような関わりを持つのですか。

 検討会は、主に有識者として河川工学・生態学・都市計画の専門の先生方に参画して頂いております。近いうちに、インターネット等を活用して、検討会の構成や議事録を公開する予定です。なお、懇談会の皆さんの意見も取り入れたいと思いますので、その節は宜しくお願い致します。

この他に、次のようなご意見がありました。

  • 神田川を地下河川と親水河川の二層式河川にしてはどうか。
  • 河川計画の中で、合流式の下水道を分流式にすることを視野にいれてほしい。
  • 懇談会の対象区間を神田川下流まで入れることはできないか。

次回は、三月二十九日(火)の午後に現場見学会を実施する予定です。事務局では、神田川の整備計画、再生構想検討会の中身も順次ご紹介していきたいと考えております。また、今後も各委員のご意見、ご要望を伺いながら進めていきたいと考えております。

降雨時に役立つ情報

事業別に見る