印刷する

神田川上流懇談会議事録 第2回(通算20回)

開催日時 平成22年7月8日(木)14:00~16:00
開催場所 善福寺川取水施設会議室

 平成22年7月8日(木)の午後2時より、善福寺川取水施設において第三期第2回の神田川上流懇談会が開催されました。
当日は、確認事項として、本懇談会設置要綱及び運営要綱と「懇談会ニュース第19号」の内容確認がありました。続いて「妙正寺川・善福寺川河川激甚災害対策特別緊急事業の完了について」、「平成22年度主な河川工事予定箇所について」、「都民委員・行政委員からの報告等」についての情報提供がありました。

はじめに「妙正寺川・善福寺川河川激甚災害対策特別緊急事業の完了について」事務局から説明がありました。平成18年度から実施してきた妙正寺川・善福寺川両河川の河川激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)が21年度で完了しました。主に河床部や調節池を掘り下げる工事、橋の架け替え工事などを実施し、洪水時の通水断面を大きくしました。これにより、洪水時に対する安全度が各段に高まりました。

断面図(妙正寺川)
断面図(善福寺川)

断面図(上:妙正寺川、下:善福寺川)

また、洪水時の対応のほか、河川環境に配慮し、三面張護岸だった区間を二面張護岸とし、河床を自然河床に戻しました。善福寺川の済美公園ではワークショップを開催し、住民からの意見を取り入れ、川のそばまで下りられる緩傾斜護岸を造るなど善福寺川と一体的な整備を実施しました。

  • 妙正寺川:新道橋下流の施工前施行後の写真
    妙正寺川:新道橋下流
  • 妙正寺川:新橋下流の施工前施行後の写真
    妙正寺川:新橋下流
  • 善福寺川:武蔵野橋下流の施工前施行後の写真
    善福寺川:武蔵野橋下流
  • 和田掘第六調節池の施工前施行後の写真
    和田掘第六調節池

続いて、「平成22年度主な河川工事予定箇所」について説明がありました。

 神田川水系河川の主な河川工事は、神田川で4箇所、善福寺川で3箇所、妙正寺川で1箇所を予定しています。神田川、善福寺川は主に護岸工事及び橋の架け替え工事を行っており、特に善福寺川では、旧護岸の石を再利用して新たな護岸の石として使用しています。妙正寺川では、都営鷺の宮アパートの跡地を利用して、約1ヘクタールの土地に調節池を新設します。

平成22年度 主な河川工事予定箇所図
工事完了後の状況

また、神田川ネットワークから新江戸川公園外来魚調査の報告がありました。

 公園には元々いろいろな在来生物がいましたが、近年外来種が増え、ミシシッピアカミミガメやブルーギルが増加し、生態系が危ぶまれています。そこで毎年夏に調査を行い、定期的に外来種を駆除する活動を行っているとのことでした。

外来魚調査の状況

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

護岸工事を行った際に、何ミリの雨に耐えられるかを、もっと広報する必要があるのではないですか。

 いろいろな場所で、例えばホームページでも計画規模等の広報をしているのですが、より広くということで工夫が必要と思っております。

 調節池に貯まった水をそのまま放流するのではなく、何か活用する方法はないのですか。

 貯まった水を活用するとなると下水処理場のような施設が必要になりますが、本来治水が目的ですので、今後の課題として持っておきます。なお、冬場の十一月から五月ぐらいまで、そんなに大雨がこないときには、環七地下調節池の中にふだんはきれいな川の水を約六万立方メートル貯めています。下流側で大火災、大震災があったときに消防用水として使うためです。

 中野新橋の工事で両岸が歩けるようになると聞いていたのですが、それはどうなったのですか。

 管理通路整備ということで、今年度、新橋の架け替え、上部工まで工事を行います。来年度は、最終的に新橋から氷川橋の下流まで、工事で使用した覆工を全て撤去して管理用通路の整備を行う予定です。

 河川の橋の名称なんですが、同じ橋でも色々な言い方が散見されます。名称(読み方)の統一はどうなっているのですか。

 都道の橋は神田川区間の中でもほとんどないのですが、区道の橋は地元の区が管理されているということで、逆にお聞きして橋の名称を決めているというのが実情です。

懇談会の写真1
懇談会の写真2
懇談会の様子

 河川工事の際に中流や上流で河床を掘り下げる時、場所によっては一.五メートルぐらい掘っているところもあります。そうするとさらに下流を掘り下げないと流れが止まってしまうんじゃないかと思うんですが、川全体としてはどういう深さになっているのですか。

 下流から徐々に河床を掘り下げていくのが基本です。やむをえない場合は、例えば洪水を迂回させる分水路や、一時貯留する地下調節池のような工事を行い、下流には余分な負担を与えないような計画を行っています。

 都市河川は安全性が第一ということで整備するのが一番だと思います。もう一点は、地球温暖化など地球環境の変化が大きくなっているようですが、地球環境に配慮した河川整備の計画は都でやっているのですか。

 最初に重要なのは治水だと考えていますので、治水に対する整備を順次進めているところです。とはいえ、川は近隣の皆さんにとって憩いの場でもありますので、一つの例として東京都の十年後の東京、水と緑のグリーンネットワークと称して、河川について緑化を図る計画を行っています。

 神田川の管理は東京都だと思いますが、国はどこまで関与しているのですか。

 神田川は一級河川であり、本来は国土交通大臣の直轄です。しかし河川法の取り決めにより、そのうちの一部を都道府県知事に委任することができ、神田川水系は東京都知事(日常の維持管理は区)が管理しています。国は事業認可や国費投入における予算面での関与を行っています。

次回の神田川上流懇談会は、十月頃の開催を予定しており、実際に工事を行っている現場をご案内する予定です。

降雨時に役立つ情報

事業別に見る