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神田川上流懇談会議事録 第3回(通算21回)

開催日時 平成22年10月28日(木)14:00~16:00
開催場所 善福寺川取水施設会議室

 平成22年10月28日(木)の午後2時より、第3回神田川上流懇談会を開催し、現地視察と意見交換等が行われました。
 今回は、21年度で事業完了した、妙正寺川激特事業完了箇所(無名橋付近)、善福寺川激特事業完了箇所(済美公園)及び和田堀第六号調節池の3箇所をマイクロバスで移動して、担当の説明を受けながら現地視察を実施し、その後、善福寺川取水施設において、現地視察の感想等について意見交換をしました。

現地視察箇所図

各箇所における現地視察の説明要旨は以下の通りです。

現地視察の写真
現地視察の様子

[1]妙正寺川激特事業完了箇所(無名橋付近)

 激特工事は、決まった期間内で早く完了することを目的としていることから、鋼管杭を両サイドに連続して打ち込み、土が崩れないようにして、前面に石積み模様のブロックを張りつけました。最近では、激特工事(災害復旧)であっても、極力自然に配慮したつくりにしており、河床は自然河床で施工しています。未改修の区間については、今年度から着手していきます。

  • 妙正寺川 新道橋下流の施工前→施工後の写真
    妙正寺川 新道橋下流 
  • 妙正寺川 新橋下流施工前→施工後の写真
    妙正寺川 新橋下流

[2]善福寺川激特事業完了箇所(済美公園)

 善福寺川の激特工事では、洪水を阻害する要因となっていた済美橋の架け替えと済美公園との一体利用を図った親水護岸の整備を行いました。
 護岸整備には善福寺川に元々あった石積護岸の素材(間知石)を再利用し、最終的には約半分を再利用することが出来ました。今後も工夫、改良を加え更に再利用できるよう考えていきます。

済美公園施工前の写真1
施工前
  • 済美公園施工後の写真1
  • 済美公園施工後の写真2

施工後

済美公園

[3]和田堀第六号調節池

 洪水は善福寺川が一定の水位になると、駐車場の下を通り野球場に入ります。これまでに、平成17年9月の洪水以降、平成21年10月8日に1回流入しています。
 野球場自体の平常時の管理と洪水後の清掃を杉並区に行って頂いています。

現地視察の写真
現地視察の様子
和田堀第六号調節池の施工前の写真
施工前
和田堀第六号調節池の施工後の写真
施工後

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

 井の頭公園から流れ出る三百メートル程は現在コンクリートになっていると思うのですが自然河床にして頂きたい。

 当時、公園と極力合うように整備してきたと思うのですが、川底にコンクリートを張っているのかどうかは、事務局が再確認します。

 普通下水は希釈された状態で出てくると思うのですが、今日見た吐口は生下水が出ていました。何か欠陥があったのではないでしょうか。

 今日見て頂いた吐口は、ちょうど雨が強くなり汚水が出はじめたところだった為、希釈されていなかったのだと思います。

 済美公園の整備を単発的に行うのではなく、下水への接続も整備した方が良いのではないか。一つ塞いでも他の管へ流れるだけなので、出来るのではないですか。

 下水の吐口は、合流式下水を採用しており、雨水排除の役目も持っています。 区内で吐口の場所を変えたり、他の系統に逃がすのは非常に困難な為、現状の位置で考えざるを得ないと思っています。他の管に繋ぐと、その管が元々受け持つべき容量を超えてしまうので、繋ぎ替えるだけでは対応できません。

 済美公園のようにもっと公園と河川が一体となった整備ができないのですか。

 公園は『都市公園法』という法律により「確保しなければならない面積」が決まっています。法律の課題もあり、慎重に進める必要があります。

懇談会の写真1
懇談会の写真2
懇談会の様子

コンクリート以外に護岸緑化など、他のアイデアがあればいいと思うですが。

 植樹帯をとるスペースのない箇所では、ツタを植える場合があります。しかし、ツタが繁茂しすぎると、洪水に対して阻害になる可能性があります。都でツタのある区間とない区間の洪水時の水の流れを研究していますが、ツタがある方の流れが悪くなります。今すぐ結論は出ませんが、全体的なバランスを見ながら検討していかなければと思います。

 川に対しての緑の設計、ひいては地球環境に少しでも関係するため、高木を植えて頂きたい。

 大きな視野で、地球温暖化対策のため、都では街路樹の倍増を目的に百万本計画を行っています。街路樹は道路に対してですが、道路と並んで河川沿いも緑化を進めていきます。三建管内は、今年三ヶ所で小規模な緑化取組を行います。少しでも緑を増やせるよう考えていきます。

 調節池は他にもあると思うのですが、幾つあるのでしょうか?

東京都内:28箇所
三建管内:9箇所

  • 落合調節池
  • 上高田調節池
  • 妙正寺第一調節池(妙正寺公園)
  • 妙正寺第二調節池(妙正寺公園)
  • 北江古田公園調節池
  • 和田堀二号調節池(庭球場)
  • 和田堀三号調節池(壁打ち庭球場)
  • 和田堀六号調節池(野球場)
  • 神田川環状七号線地下調節池

 寄せ植えがあって歩きにくい箇所があります。歩道の幅を確保しているのに維持管理ができていないように思います。維持管理に対してはどのように考えていますか?

 全てを家庭の庭のように剪定したり、きれいにすることはできないが歩行の邪魔になるような箇所については部分的に対応していきたいと思います。

 住民が手を挙げれば参加できる仕組みと言うものを積極的に考え、出来るだけ住民が参加できる事業をしてほしい。

 杉並区ではリロード(涼道)事業という形で地域の方に参加して頂く制度も部分的には行っています。他に、『花さかせ隊』と言って、材料を用意し、参加者には植えて管理して頂くという仕組みを徐々に広げています。

このほか、都民委員から次のようなご意見などがありました。

 激特工事を行った二〇〇〇年以降、環七地下調節池もできて洪水の被害に見舞われていない。できるだけ自然環境を取り入れた工事をして頂きたい。

 ジョギングをいている人や、散歩をするお年寄が結構いますので神田川の橋架け替え工事の際には、歩道を上下車線に確保してほしい。

 橋のデザインにも多少気を使って、良い評判が立つくらいになると良いと思います。

 済美公園は、汚水が流れている状況で、親水護岸として楽しめるかがこれからの課題になると感じた。

 現在、『上流懇談会』が郵送で届いているが、メールでの配布でも良いのではないか。加えて、イベント、シンポジウム、研究等の情報を共有していけばその会に参加したいと思う方に参加してもらうことが出来るのではないか。

次回は、平成23年2月中旬ごろの開催を予定しています。

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