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神田川上流懇談会議事録 第5回(通算23回)

開催日時 平成23年9月15日(木)13:30~16:30
開催場所 善福寺川取水施設会議室

 平成23年9月15日(木)の午後1時半より、第5回神田川上流懇談会を開催し、現地視察と意見交換等が行われました。
 今回は神田川水系の主な河川工事として、鷺の宮調節池と神田川中野新橋の2箇所をマイクロバスで移動して、担当の説明を受けながら現地視察を実施し、その後、善福寺川取水施設において、第5回神田川上流懇談会を開催し、情報提供と意見交換等が行われました。

現地視察箇所図

各箇所における現地視察の説明要旨は以下の通りです。

[1]妙正寺川鷲の宮調節池

 妙正寺川では、平成17年9月の集中豪雨により、激特事業の対象外である環状七号線のより上流の区間においても甚大な浸水が発生しました。この区間についても激特事業終了後、河道拡幅により着実に河川の流下能力を向上させていく予定ですが、支障物件の早期水害対策が困難となっていました。
 そこに妙正寺川沿いの都営鷲の宮アパートの建て替えに際し、その敷地の一部に早期の水害軽減に効果の高い調節池を設置することが可能となったため、ここに調節池を設置し、環状七号線から調節池下流区間の治水安全度の早期向上を図ることになりました。
 鷲の宮調節池の敷地面積は約1ヘクタールあります。妙正寺川からの取水量は毎秒25立米であり、全体の貯留量は約3万5千立米となっています。

  • 妙正寺川鷲の宮調節池の写真1
  • 妙正寺川鷲の宮調節池の写真2

[2]神田川中野新橋

 続いて神田川中野新橋を現地視察しました。当区間は時間あたり五十ミリ規模の降雨により生じる洪水を安全に流下させるため、河道の拡幅、河道内の掘削を行いました。それに伴い、中野新橋の架け替えが行われ、特徴的な赤い欄干も再現されました。引き続き上流側の整備に着手しています。

  • 神田川中野新橋の写真1
  • 神田川中野新橋の写真2

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

 魚の対策とする魚道についての説明がなかったのですが、どのようになっているのでしょうか。

 魚道は、下流には何箇所かつくっており、高戸橋あたりにもありますが、それより上流につきましては、おそらく無いと思います。また、河床がコンクリート三面張りになっていまして、流速がかなり早くなっているので、落差工があるところについては、出来るだけ魚道を造っていくよう配慮をしていきたいと思っています。

 井の頭線から夕やけ橋までの区間でアオコが発生しています。また、建築廃材等が投げ込まれており露出した状態になっております。このような、生物・自然環境に関する要望は、どこへ言ったらよいのでしょうか。

 武蔵野市と三鷹の間でしたら、北多摩南部建設事務所の工事第二課の維持係と言うところになります。窓口としてはこちらで結構です。

 いくら都市環境下とはいえ、生き物という視点がもう少しあった方が良いと思います。河川管理という面から、そちらの方向へ多少でも注意を向けて欲しいと切に思います。

 川幅を改修しながら今の護岸を緩やかな護岸にするには、どうしてもそれだけの用地が両側、あるいは片側でも良いのですが、必要になってきます。ただ、可能な限りこれからも工夫していきたいと思っています。

 数年前か、神田川の乙女橋周辺の川底に蛇篭か何かが設置されたことがありましたが、あれは水草を定着させようという意図でやったものでしょうか。

 神田川上流の杉並区の管内だと思いますが、ふとん篭でして、やはり河床洗堀防止という面があります。

  • 懇談会の写真1
  • 懇談会の写真2

懇談会の様子

今日の現場視察で見た工事ですと、あまり生物多様性に配慮したということは行われていないのでしょうか。どのようにしたら可能でしょうか。

 今、改修で進めているのは、河床の現状がコンクリート3面張りになっているものを自然河床にするということです。場所によっては、洗堀防止のためにコンクリートを打ちますが、それを全部行うのではなく、自然河床ということで極力残して行こうという方向ではすすめています。

河川の公共事業を進めていく上で完成イメージ図などを作成することで、周辺住民から都民の人にもわかりやすくし、理解をしてもらいながら事業を進めていくということが大切ではないでしょうか。

 確かにまだ全体のパースや、そういったものは、なかなか描けないという状況にあります。しかし、どういったイメージになるのかというのは、やはり皆様方に出来るだけ明らかにしたいと思ってます。
 例えば、妙正寺川にいくつかの調整池がありますが、類似の施設をご紹介させて頂いて、その中で同じようなものになるとは限りませんが、鷲の宮調整池はこのようなイメージになるといった工夫も、今後いろいろ検討させて頂きたいと思います。

 この間の台風十二号で、中野区も被害がありまして、寝てはいられない状態でした。ですから、神田川というものは、まず防災対策をやっていただくというのが地元の熱い要望です。

 台風十二号で、紀伊半島で1800ミリという考えられない豪雨が、わずか数日の間に降りました。東京には襲ってきませんでしたが、あれが東京に降ったらどうなるのかというところは、非常に危惧しています。今現在やはりそういった1時間で50ミリや100ミリを超えるようなゲリラ豪雨的な雨に対してどう対応すべきかも、まさに検討中というところです。

続いて、事務局及び都民委員から、前回紹介があった「神田川の今と昔を歩く」の完成の報告がありました。

 また、都民委員から、「神田川サミット2011in新宿」の紹介がありました。続けて、毎年さまざまな実施団体により行われる「荒川クリーンエイド2011」という清掃活動があり、その中の一つである隅田川市民交流実行委員会による吾妻橋から桜橋を一周する間での清掃活動の紹介がありました。
 さらに、行政委員から、「健康ウォーキングへのお誘い」、「武蔵野市生き物マップ」の紹介がありました。

神田川の今と昔を有く 江戸名所図会を中心にのイメージ
神田川の今と昔を歩く

次回は、平成24年2月の開催を予定しています。

降雨時に役立つ情報

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