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神田川上流懇談会議事録(第2回)

開催日時  平成16年3月29日(水)13:00~17:30
開催場所  神田川現場調査(井の頭公園から環七まで)・神田川取水施設管理棟会議室

現場調査写真

 去る平成十六年三月二十九日(月)の午後一時より、井の頭公園池から方南橋(環七)まで現場調査、神田川取水施設の見学、そして意見交換会が行われました。当日は、井の頭公園内の御殿山広場に集合し、担当職員の説明を受けながら、神田川上流の主要な箇所を歩いて調査しました。

現場調査行程

  • 現場調査行程の写真1
    1.井の頭公園内(御殿山広場)
  • 現場調査行程の写真2
    2.神田川の水源(湧水「御茶ノ水」)
  • 現場調査行程の写真3
    3.神田川上流端(水門橋)
  • 現場調査行程の写真4
    4.夕やけ橋上流
  • 現場調査行程の写真5
    5.神田橋下流
  • 現場調査行程の写真6
    6.宮下橋下流
  • 現場調査行程の写真7
    7.佃橋(環状八号線)
  • 現場調査行程の写真8
    8.弁天橋下流
  • 現場調査行程の写真9
    9.神田川取水施設
  • 現場調査行程の写真10
    10.神田川取水施設(トンネル内)

現場調査に関して、次のようなご意見がありました。

  • 井の頭公園の出口で子供たちが生き生きと川の水に触れているのは極めて印象的でした。川に近づける空間があれば、あれだけ大勢の方が遊びに来るのですね。
     ところが、下流の方へ行くと、三面張りになって川に降りられない。いろいろと下水の問題もありますから、水質の問題もあるし、鉄砲水の問題もあるでしょうけれども、やはり安全を確保しながら、子供たちが集えるような、小中学生が課外授業として行えるような川をやれる所から、長期的には神田川のすべての流域に井の頭公園のようなものを我々の子孫に残すべきことかなと歩きながら考えておりました。
  • 井の頭の池から下流の辺りで非常に枯葉が沈殿していて腐っているという状況が気になりました。これは、雨水が入らないためにフラッシュ機能が失われているところに起因しているのではないでしょうか。
     それから、川底にいろいろな工夫がなされていますが、これらの工作物は人を楽しませるつもりで造ったように思います。魚や両生類に対しては全然親切ではないといえるのではないでしょうか。魚が溯上できないような堰がいくつか見られましたので、こういうところは改善していくべきだろうと思います。
     また、法面の壁はこれからもずっと残ると思いますが、なんとかツタなどを茂らせないものでしょうか。
  • 環七の調節池では、泥が溜まって掃除をしなくてはいけないことなど、結果的に維持管理していくためには、行政の仕事や税金を使わなくてはいけません。地域住民が川に対してどういう責任を持って、あるいは接していけばいいのかということも考えていかないといけません。これからは、今以上にそういう方面で行政がリーダーシップをとって頂いて、できるだけ効率のいい川の運営・管理を目指すべきではないかと思います。その辺りも考慮していろいろな計画を立てて頂けたらと思います。
  • 神田川流域沿いには企業の広大な運動場や団地がたくさんありますので、団地の建替の機会などに川幅を広げる余地があるのではないでしょうか。
     また、神田川を歩いていますと、富士山の見える位置があり、逆に都庁とオペラハウスが見える位置もあります。そういった意味合いを含んだ川の環境づくり、整備の提案を杉並区の緑のマスタープラン関連で、市民の立場から行っております。

神田川取水施設では、建設局河川部計画課中小河川係の 担当者から、現在、進行中である神田川再生構想検討会について説明がありました。

 東京都では、東京の代表的な中小河川である神田川水系を対象に「神田川再生構想検討会」を設置し、都市河川の将来に向けた河川再生について検討しています。神田川再生構想の策定は、平成13年12月の都市再生プロジェクト(第3次決定)に位置付けられています。また、神田川だけでなく、日本橋川、善福寺川、妙正寺川を含めて、非常に広義的な視点で、「川というフィールドをどのように都市環境としてあるべき姿に実現していくのか、豊かで潤いのある都市環境の実現をどのようにしていくのかを検討し、こういった環境を実現することで東京の魅力と活力に満ちた都市への再生につなげていきたい」という説明がありました。

 構想の三本柱として、「河川空間の改善」「水環境の改善」「生物生息環境の改善」を挙げ、景観における「河川空間の改善」では、現在、特に下流において管理用通路がない部分を確保する、川に沿って乱立するビルをセットバックしてもらう、川の上部空間に架かる首都高を別の場所に移動するなど、長期的にはまちづくりと連携し、河川を中心としたまちづくりを検討していきます。

 また、「水環境の改善」「生物生息環境の改善」では、河川水深の確保や合流式下水道の改善とともに、落差工を改善するなどして、河床を自然に戻す、沿道の緑を増やす、河道の中の緑を増やすといったことで魚が棲みやすい環境へ改善を図ることを検討しているとの報告がありました。

 構想検討会では、7月に構想をまとめ、最終的には、河川管理者が行うべき施策等を取りまとめた「神田川河川整備計画」を再来年度に策定する予定であると説明がありました。

  • イメージ1
    アユが生息する神田川
  • イメージ2
    公園との一体整備
    〔神田川再生に係わるイメージ図〕

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

合流式下水道の改善は本当に実施される予定はあるのですか。

 「神田川再生構想検討会」の前に、昨年度国では、「水循環再生構想検討会」を立上げ、分流式下水道の改善を含めた将来あるべき水質、水量、雨水、汚水について様々な検討を行いました。下水道局でも「合流改善」というプランに位置付けているため、できる箇所は着々とやっていく予定です。

神田川・環状七号線地下調節池の見学の申込み先はどこで行えばよいのですか。

 神田川取水施設の管理を担当している当所の施設維持係に電話して下さい。通常、10名、20名で見学して頂いております。但し、施設の点検日及び土日での対応は行っておりませんのでご了承下さい。

次回は、五月十二日(水)に方南橋(環七)から江戸川橋付近までの現場見学会を実施する予定です。今後事務局では、神田川の整備計画や再生構想検討会の内容も順次ご紹介していきたいと考えています。
 また、今後も各委員のご意見、ご要望を伺いながら進めていきます。

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