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神田川上流懇談会議事録 第5回(通算30回)

開催日時 平成26年8月7日(木)10:00~11:30
開催場所 善福寺川取水施設会議室

 平成26年8月7日(木)の午前10時より、善福寺川取水施設において第4期5回目の神田川上流懇談会が開催されました。
 当日は、神田川上流懇談会ニュース(第29号)、行政委員の変更についての報告事項、平成26年の事業予定、神田川における水防情報の提供についての説明事項等がありました。

はじめに、「平成26年度の主な河川工事予定箇所」について、事務局より説明がありました。

[1]神田川整備工事(その151)

  • 神田川(中流域)護岸標準断面図
  • 神田川整備工事(その151)柳橋から下流を望むのイメージ

 新橋から寿橋間、約520m区間の内、千代田橋から柳橋の約120mの護岸工事です。
 総幅員19mで両岸に3mの管理用通路を設置し、護岸は直壁護岸となります。現在、千代田橋を撤去し、構台を架けています。右岸側は鋼管杭を打つための布堀掘削をしているところ。工期は今年いっぱいの予定です。

[2]善福寺川整備工事(その7)

  • 善福寺川(済美橋上流)護岸標準断面図
  • 善福寺川整備工事(その7)のイメージ

 二枚橋から大松橋間の約130mの護岸工事です。断面は、5分勾配。自然石を貼る護岸となります。今年度、二枚橋の架け替え、大松橋の仮橋の設置等を行います。

[3]善福寺川整備工事(その102)

  • 護岸標準断面図(宮下橋上流)
  • 善福寺川整備工事(その102)のイメージ

 下流部の「その101工事」が終了後、工事にかかります。工事区間である八幡橋は工事期間中、鋼矢板を打つために通行止めが必要です。護岸は自然石を設置して、植生の回復等を目指します。

[4]妙正寺川整備工事に伴う搬入路整備工事(その3)
 妙正寺川整備工事(その201)

  • 妙正寺川(下鷲橋上流)護岸標準断面図
  • 妙正寺川(下鷲橋上流)整備のイメージ

 下流の鷺宮調節池が取水を開始したため、上流部の河川改修工事に取りかかります。オリーブ橋上流約100mの工事用管理道路を構築するための構台を架け、下鷺橋からオリーブ橋上流までの約300m区間の護岸整備を行います。

[5]善福寺川整備工事に伴う和田堀第六号調節池堰改良工事(その2-2)

善福寺川整備工事に伴う和田堀第六号調節池堰改良工事の写真

 調節池の堰本体、取水堰本体上部の仕上げ工事で、管理用通路、植栽等を行います。今年度で全て完成予定です。

[6]善福寺川調節池工事(その2)

  • 善福寺川調節池工事(その2)の写真1
  • 善福寺川調節池工事(その2)のイメージ2

 今年度から土留壁の中を掘削していく工事に取りかかっております。地表面から10mを超えるところまで掘削が終了しています。最終的には27mまで堀下がります。

[7]妙正寺川鷺の宮調節池工事(その4)

妙正寺川鷺の宮調節池工事(その4)の写真

 この調節池は平成25年度から取水を開始しております。現在、上に蓋をかけて、中野区の多目的広場として利用するために、人工地盤の整備を進めております。

[8]神田川緑化工事

神田川緑化工事の写真

 現在植栽のない茜橋下流部80m区間の緑化を行う予定です。

次いで、「神田川における水防情報について」の説明がありました

 神田川は、「洪水予報河川」で、善福寺川と妙正寺川は、「水位周知河川」に指定される予定になっています。ここで、この二つの言葉について、ご紹介しましょう。
 「洪水予報河川」とは、洪水のおそれがあるという情報を都民に提供する河川のことです。
 対象河川では気象庁が降水量等を、都が河川水位等を予測し、洪水予報(氾濫警戒情報等)を気象庁と都が共同で発表しています。
 「水位周知河川」とは、洪水予報河川以外の河川で、洪水のおそれがある河川の水位情報を都民に提供する河川のことです。
 洪水予報河川は気象庁が降水量等を、都が河川水位等を予測していますが、その洪水予報を行う時間的余裕がない河川について、あらかじめ定めた避難判断水位に達したときに、都が「氾濫警戒情報」を発表します。

  • 神田川洪水予報実施区間と基準点のイメージ
  • 善福寺川、妙正寺川の水位周知(平成26年度内に運用開始予定)のイメージ

都民委員からのご質問やご意見及び行政委員の説明などを紹介します。(順不同)

 北原橋付近で以前に護岸が崩れる事故があり、カメラも設置されているので、北原橋を観測点にしては。

 今は試行段階ですが、検討段階でも河川の水位上昇記録等で、現況の観測地点がベターであると判断しています。

善福寺川(宮下橋上流)の整備イメージに階段やスロープがありませんが、降りられるようになるのですか。

 公園管理者、公園利用者等の意見をお聞きしての検討段階ですが、階段と洲は残して整備する方向です。

 神田川水系に1時間当たり、どれくらいの量の雨が降ると、環七地下調節池が100%になりますか。

 1時間に何ミリという言い方ですと、実際にはわかりにくいかと思います。昨年の9月14日の台風では100%になりました。そのときは一定の水位に下がったのでゲートを閉めて、結果的に54万m3(100%)でした。今年は、満杯はまだありません。今年は7月24日に、70%取水しました。

善福寺川整備工事(その102)等は、いつ完了ですか。工事看板では平成27年3月31日となっています。

 すぐ下流の「101工事」がまだ少し残っており、それが終わり次第「102工事」にかかります。上流の「103工事」は今年度発注で、27年度いっぱいの工事になります。

 河川の問題、下水の問題を一緒に考えるために、懇談会に下水関係の方も来ていただき、一緒に相談や話し合いをしてはどうでしょうか。

 私どもの仕事は、下水道局とも連携させていただいています。適時参加して頂くことは問題ないですから、下水道局のほうに声掛けすることを考えます。今やっている事業を紹介できる様話したいと思います。

 降水量が多い時、善福寺川の原寺分橋辺りで、武蔵野市側の下水が溢れます。以前にも同じことがありました。今後、解消されるための計画があるのでしょうか。

 武蔵野市では、吉祥寺東町1丁目と4丁目に合流式下水道改善施設として貯留槽を造っており、4丁目については、8,000m3の貯留槽が完成しています。
 1丁目は現在施工中で、これが完成すれば下水が川に流れる回数が半分程度になると考えています。

 河川水位情報等では、一番水位が上がるのが原寺分橋辺りなのに、なぜ西田端橋が基準点なのですか。

 善福寺川の観測点で、過去のデータでは西田端橋辺りが一番水位上昇が激しいので基準点に選ばれました。7月24日の豪雨時にも、急激な水位上昇が起きています。

 環七の地下調節池について、まだ御存知ない方も多くいます。もっと知らせる努力が必要ではないですか。

 火曜日と木曜日に御案内できますが、案内専任の職員はおりませんので、前日の申し込みですと手がまわらないときはあります。雨の時期に注意報が出ますと、急なキャンセルもありますから、雨の少ない冬の時期が良いです。広く皆様にPRする必要はあると思っております。

 最近のゲリラ豪雨等を考え、50ミリ対応という基準値を見直すべきでは。また、環七地下調節池の延長計画は。

 中小河川における都の整備方針~今後の治水対策~として、75ミリ対応の目標を出しました。すぐに75ミリにするというのも難しいので、調節池等を入れて75ミリにしようという目標です。環七地下調節池は北へ延長する検討に入りました。

 河川工事を単なる神田川の治水だけと考えず、街づくりの一環として考える視点が必要ではないでしょうか。

 街づくり全体となると難しいですが、治水ありきだけではなく、周囲の環境も配慮し、調節池の上部を公園にする等、各区市と連携していこうと考えています。

 神田川水系には海と河川を回遊する生物が見られます。水循環という観点からも、段差をなくす等、生物が回遊できる環境を念頭において検討していただきたいです。

  • 懇談会の写真1

懇談会の様子

その他、都民委員から「東京の河川に下水道の汚水が漏水する現状と河川管理の問題など」、「神田川水系水質調査(COD)」、「川の生きものを調べよう!神田川」の報告や、「井の頭公園のかいぼり」、「大雨の降った日の状況動画」の紹介がありました。

次回は、平成26年10月下旬に開催を予定しています。

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