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神田川上流懇談会議事録(第3回)

開催日時 平成16年5月12日(水)13:00~18:30
開催場所 神田川現場調査(環七から江戸川橋まで)・文京シビックセンター21F2101会議室

現場調査写真

 去る平成十六年五月十二日(水)の午後一時より、方南橋(環七)から江戸川橋まで現場調査、そして意見交換会が行われました。 当日は、神田川取水施設に集合し、担当職員の説明を受けながら、下流の江戸川橋まで主要な箇所を歩いて調査しました。
 今回の現場調査により、当懇談会の対象区間(井の頭公園から江戸川橋まで)の全てを調査しました。

現場調査行程

  • 現場調査行程の写真1
    1.神善合流点
  • 現場調査行程の写真2
    2.新橋上下流(下流側)
  • 現場調査行程の写真3
    3.神田上水公園(大東橋)
  • 現場調査行程の写真4
    4.神田上水公園(亀齢橋)
  • 現場調査行程の写真5
    5.神高橋(上流側)
  • 現場調査行程の写真6
    6.高田馬場分水路(吐口)
  • 現場調査行程の写真7
    7.高戸橋下流(魚道)
  • 現場調査行程の写真8
    8.駒塚橋(下流側)
  • 現場調査行程の写真9
    9.江戸川橋公園(神田上水取水口)
  • 現場調査行程の写真10
    10.江戸川橋分水路(呑口)

現場調査に関して、次のようなご意見がありました。

  • 高戸橋下流には段差があって(魚道)せせらぎが聞こえるというのは環境に非常にいいと思いました。また、曙橋から下流では土丹層が河床として残っているという事は非常に結構な事だと思います。
  • 川という風景と緑というものが素敵な空間を創っているのが神田川だと思います。ただ、高田馬場付近など、治水としての機能だけのエリアもあり、そんなところを地域の人達と協力しつつ、いい空間ができたらと思います。
  • 先日、神田川を歩く催しをしたのですが、参加者から歩道が整備されていて歩きやすく、井の頭公園、神田上水公園、江戸川橋公園と素晴らしい公園で桜が見事だという評価とともに、遊歩道のない箇所については、遊歩道をつくって欲しいという要望がありました。それに、トイレが少ないという感想もありました。
  • 上流側に比べて高田馬場辺りでは、いわゆる水を流すだけの川になっています。それから江戸川公園付近では緑が豊かで素晴らしいのですが、川の水が神善合流点に比べてだいぶ汚いです。川に下りて水に触ろうという気持ちになりません。十年というスパンでなくとも百年というスパンで、しっかりとしたビジョンを基に、合流式下水道の改善を含めて神田川を再生して頂きたいと思います。
  • 今日歩いた中で、川の中で単調な傾斜が続いている所がありましたが、ああいう長い傾斜は魚にとって苦手なものが多く、疲れ果ててしまいます。そういう整備もこれから必要なのではないかと思います。また、魚道を造る場合も、何の魚に対して、魚道を造るのかという事も非常に大事であると思います。
  • 自然の動植物が生息している場所を人の心も育つ場所になるような場所にしていきたい、神田川をそのような場所にしていきたい。それには治水も大事ですが、景観も含めて、両側の植栽にもますます気を遣って頂きたいと思います。
  • 何故ゴミが無くならないのか不思議で仕方ありません。自転車が放り込まれているなど、そういう部分を直さないとタバコの吸殻も捨てるようななるのではないでしょうか。
  • ゆっくり川を眺めるには、橋の上から眺めるのがいいと思います。橋の上の風の道とも相まって非常に気分がいいものです。ですから、そういった連携にも目を留めて頂ければと思います。

神田川と善福寺川の合流点(杉並区和田1丁目)では、中野区の担当者から水位が上昇するとサイレンが鳴る仕組みになっているとの説明がありました。去年は2、3回サイレンがなり、注意報は10回程度発令されたとの事です。また、新橋の下流では、地下鉄のトンネルが浅い位置にあるため深くできず(掘れず)、川幅を3メートルから4メートルへ広げて河積を確保しているとの説明がありました。

神田上水公園では、新宿区の担当者から現在の桜並木は昭和60年に植えられたものであるとの説明がありました。清掃は週3回で、近隣の住民のご協力で綺麗に管理されています。また、通路8メートルは川側の4メートルが河川区域、道路側の4メートルが公園区域となっています。

神高橋上流の鉄道橋の改修工事が来年度から行われる予定であるとの説明がありました。また、毎年鮎の溯上数の調査を行っており、去年は2匹確認されたとの報告がありました。

文京区内では、4名の担当者と江戸川公園を歩き、街路樹やツタの種類、管理方法を各自説明を受けました。

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

水と緑を軸として神田川流域の自治体を越えた緑の基本計画等はないのですか。

※ 杉並区の説明
 杉並区では、神田川について「都市計画マスタープラン」の中で、街の骨格づくりに位置付けておりますので、親水河川と周辺の公園とを緑で繋げていくという重要な背骨にしております。ただし、自治体を超えた計画とはなっておりません。

※ 中野区の説明
 中野区でも神田川を緑の軸にしておりますが、住宅が接近している等で、東京都の河川改修部だけの緑化というのが現状で、面的な緑化はあまり進んでいません。橋を広めにしてそこで散策ができるようにという考えで行っていますが、なかなか河川沿い以上の緑化というのは難しい状況です。

※ 座長の説明
 今日の現場調査でも、区市によって整備の違いに思いを持たれたと思います。自治体と自治体との関係は誰かが推し進めていかなければいけない問題です。この懇談会がそういう役割を担っていければと思っています。

神高橋から上流を改修する計画のようですが、先に上流側から行うなど、優先順位を変更できないのですか。

 神高橋上流に関しては、すでに事業化されており、大事な土地をお譲りして頂いた皆さんは早く整備された川辺になって欲しいとお待ちしています。また、鉄道工事は大変な準備が必要です。すでに詳細設計を行っていまして、工事に伴って公園等をお借りするなどの調整をしています。また、沿川に区地域センターをつくり、そこには、河川を舞台に活躍する方々の集会をできるような施設も造ろうという構想もあります。
 優先順位を変更すべき必要性のある箇所がありましたら、順次そういう箇所を考慮しながら、次のステップの都市計画を計画サイドも考えていくところです。

次回は、六月三十日(水)の午後に「神田川再生構想委員会」の経過報告及び「神田川の整備計画・会の進め方に対する各委員の意見要望等」をテーマに開催する予定です。

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