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神田川上流懇談会議事録(第5回)

開催日時 平成16年9月30日(木)13:00~17:30
開催場所 善福寺川現場調査(善福寺池から善福寺川取水施設まで)・神田川取水施設管理棟会議室

1.善福寺池(遅の井の滝)

 去る平成十六年九月三十日(木)の午後一時より、善福寺川の現場調査(善福寺池から善福寺川取水施設〈工事中〉まで)、そして意見交換会が行われました。
 当日は、中野区役所前に集合し、担当職員の説明を受けながら、善福寺池から工事中の善福寺川取水施設まで主要な箇所を歩いて調査しました。今回の現場調査により、当懇談会の対象区間である神田川(井の頭公園から江戸川橋)と善福寺川を調査した事になります。

現場調査行程

  • 現場調査行程の写真1
    1.善福寺池(遅の井の滝)
  • 現場調査行程の写真2
    2.善福寺池(下の池)
  • 現場調査行程の写真3
    3.善福寺池(善福寺川取水口)
  • 現場調査行程の写真4
    4.原寺分橋(下流側)
  • 現場調査行程の写真5
    5.松渓橋(上流側改修済区間)
  • 現場調査行程の写真6
    6.松渓橋(下流側未改修区間)
  • 現場調査行程の写真7
    7.尾崎橋(下流側)
  • 現場調査行程の写真8
    8.善福寺川公園
  • 現場調査行程の写真9
    9.和田堀調節池(宮下橋左岸側下流)
  • 現場調査行程の写真10
    10.善福寺川取水施設

現場調査に関して主に次のような感想とご意見がありました。

  • 和田堀公園はここ半世紀の間に初めは田んぼであったり、家も建っていましたが、それが徐々に家などがなくなり、公園やグランド等になっていきました。おそらく東京都などが数十年先に公園にするという考えであったのだろうと思いますが、今では非常に楽しく過ごせる場所になり、今の姿になるまでには、やはり非常に期間の要る事だと感じました。
  • 善福寺川の両側の壁にはツタ類が全然ありません。せっかく自然に生えているツタを定期的に刈っているようですが、屋上緑化や壁の緑化をしているような時代ですから、できるだけツタを生やした方がいいのではないかと思います。

原寺分橋の湧水箇所では、杉並区の担当者から一日あたり約3,500トンの湧水があるとの説明がありました。

松渓橋では、事務局から次のような説明がありました。

  • 松渓橋の上流はすでに1時間50ミリメートル対応の断面を確保できる構造で改修済みであるが、下流は1時間30ミリメートル対応の未改修断面となっております。
  • 今後、未改修区間を整備し、改修済区間を含めて河床を下げる事によって、1時間50ミリメートル対応の断面としていく予定です。

和田堀調節池では、洪水時にグランド内に水を一時貯留して、河川流量の調節を行うとの説明がありました。

善福寺川取水施設では、三建の地下河川設計係の担当者から工事中の善福寺川取水施設について次のような説明がありました。

  • 善福寺川の洪水を、越流堰から導水路を経て、取水立坑から連絡トンネルを通して環七地下調節池トンネルに貯留します(下図)。
  • 今後は、管理施設等の建設を平成17年夏から平成18年度末にかけて行い、上部の一部は公園として整備を行い、完成後の公園施設は杉並区に引継ぐ予定となっています。
  • 善福寺川取水施設平面図
  • 善福寺川取水施設断面図

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

フェンスの高さが一部変わっている箇所がありましたが、どのように決まっているのでしょうか。

 フェンスの高さは転落防止用として1.2メートルや1.8メートルの時代があり、また、護岸の天端が管理用通路より高ければ、その分フェンスは低くてもいいというように、管理用通路の管理状況によって若干差が出ていると思います。

調節池と調整池との違いはあるのでしょうか。

 調節池と調整池の名称は、事業上の区別として、河川管理施設である池は「調節池」と言っているのが一般的です。下水道管理者も同じような目的で造っておりまして、下水道施設である池を「調整池」と言っています。

直線化されている現在の河川を昔のように蛇行させる事は出来ないのでしょうか。

 河川改修は、洪水対策という事で、蛇行している川を直線にして断面を大きくして早く流すという目的でこれまで進んできた経緯があります。しかし、今は自然を再生する事が重要となっており、国では直線化した水路をまた元の蛇行した水路に戻すという事業が平成14年から始まっています。これは自然再生事業として全国で14河川、東京では野川が採択されております。  今後、神田川が対象になるかどうかは分かりませんが、洪水対策にある程度目処がつけば、なるべく自然のままの蛇行を生かしながら、ショートカットした箇所は旧川部分を使って川づくりをするというような方法になっていくと思います。今までは直線化をして早く洪水を海に流すという考え方だったのですが、今はそれが反省の時期に来ているという事です。

座長より、神田川再生構想の経過報告がありました。

※ 座長の説明
 九月十五日に、第四回「神田川再生構想検討会」が開催されました。検討会では、都民委員の皆さんが言われたように、治水は重要であるという意見がある一方で、まちづくりの連携やガイドラインをつくって、実効性のあるものにしていこうという意見や、地域の方々と連携して、できるところからモデル的に再生構想に基づく様々な取り組みを実施していこうという意見が出されました。それらを受けて現在、最終報告を取りまとめておりますので、まとまった段階で情報提供させて頂きたいと考えております。

次回は、十月二十八日に妙正寺川の現場見学会を実施する予定です。また、今後も各委員のご意見、ご要望を伺いながら進めていきます。

降雨時に役立つ情報

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