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神田川上流懇談会議事録(第8回)

開催日時 平成17年7月1日(金)14:30~16:30
開催場所 神田川取水施設管理棟会議室

懇談会風景の写真

 去る平成17年7月1日(金)の午後2時半より、第8回神田川上流懇談会が「平成17年度神田川整備箇所」などをテーマに開催されました。
 当日は、都民委員12名、臨時委員1名、行政委員12名が出席し、東京都第三建設事務所の担当者から平成17年度の神田川整備箇所に関する説明が行われた後、都民委員と行政委員による意見交換が行われました。

会議冒頭に4月1日の人事異動で、第三建設事務所工事第二課長が東野課長に、北多摩南部建設事務所工事第二課長が米沢課長に代わり、それぞれ座長、副座長に選任されました。また数名の行政委員も人事異動による変更が報告されました。座長から挨拶があった後、東京都第三建設事務所工事第二課設計係の担当者より、平成17年度の河川整備箇所に関する説明がありました。

平成17年度 河川整備箇所位置図

[1]神田川 西武新宿線神田上水橋梁架替工事

  • 今年度から平成20年度にかけて、新宿区高田馬場付近において、西武新宿線神田上水橋梁の架け替えと護岸約40メートルの改修を行い、工事は西武鉄道に都が委託して行うとの説明がありました。護岸は逆T型の護岸をつくるとのことです。また、近接する新宿区戸塚地域センター(仮称)と連携して護岸に階段を設けて水辺に近づける親水護岸もあわせて整備していくことも報告されました。
公共施設と連携した河川整備(神高橋上流)<神田川 西武新宿線神田上水橋梁架替工事>の図

[2]神田川整備工事(その201)

 今年度から平成18年度にかけて、方南第一橋上流から弁天橋上流の区間において、護岸100メートルの改修及び仮設用の構台設置を合わせた約200メートルの工事を行うとの説明がありました。逆T型の護岸に改修し、現況の河床までレキなどで埋め戻して生き物にも配慮した形で進めていくとのことです。また、工事区間内にある杉並区立弁天橋東緑地公園で神田川に階段でおりて水辺に近づけるような親水護岸を整備していく計画も報告されました。

弁天橋東緑地公園と神田川の一体整備<神田川整備工事(その201)>の図

[3]妙正寺川西武新宿線第三橋梁架替工事

  • 今年度から平成20年度にかけて、西武新宿線と妙正寺川が交差する地点において、西武新宿線第三橋梁の架け替えと逆T型護岸80メートルの改修を行い、工事は西武鉄道に委託して行うとの説明がありました。

[4]妙正寺川整備工事(その106)

  • 今年度から平成18年度にかけて、妙正寺川の北原橋上下流地点において、北原橋の架け替えとその上下流の護岸改修を進めるとの説明がありました。また、北原橋は、歩車道一体の形(幅員6.6メートル)から10.8メートルに拡幅し、歩車道分離の構造に変更するとの説明もありました。

[5]善福寺川整備工事に伴う基本設計

  • 今年度から、環七通りに接する善福寺川取水施設の直上流に位置する定塚橋から上流の済美橋までの約800メートルの区間において基本設計を行うとの説明がありました。今後、当懇談会でも基本設計に関する話題提供を行い、委員の意見を聴取していくことも提案されました。

続いて座長より、神田川環状七号線地下調節池の工事経過の報告がありました。

 平成9年の4月に供用を開始した第一期のトンネル(全長2キロ)は、今まで17回洪水時に貯留がありました。去年の10月の台風では、貯留能力24万トンのうち、21万5千トン、約90パーセントの水を入れて、下流側の溢水を防ぎました。第二期のトンネル(全長2.5キロ)はシールドマシーンによる掘進が終わり、現在第一期のトンネルとの接続工事を行っています。善福寺川取水施設については洪水時に水を取り入れる施設は完成しており、第一期トンネルと第二期トンネルの接続工事が完成したら、順次、洪水時の水をトンネルに入れる予定です。

神田川感情七号線地下調節池(右)善福寺川取水施設模型の図(左)第2期シールドトンネル完成状況の図

都民委員からのご質問やご意見、行政委員の説明などを紹介します。

神田川環状七号線地下調節池に水が入った時、コイやフナなどの水生生物が混入した例はあるのですか。

 混入した例はあります。調節池に入った水をポンプで川に戻して、最後の残り水の中にいろんな生物が混入しているのを確認しています。コイやカメなどが入っていますがそんなに多くはありません。トンネルに入った魚などは当課職員がバケツに入れて川に戻す作業もしています。

神田川の湧水の状況は調査していないのですか。地下水マップみたいなものはあるのですか。

 湧水の状況は東京都環境局で調査を行っています。神田川周辺の湧水については調査して今後の懇談会でお示ししたいと思います。地下水マップというような地下水の状況を明らかにした資料はありませんが、土木技術研究所には大まかな地下水の状況を把握したデータがかなり蓄積されています。しかし特定の場所、例えば井の頭池の周りの地下水がどうなっているかということを、シミュレーション(模擬実験)にかけられる程度までその状況がわかっているかというとそこまではいっていません。

今後の神田川上流懇談会のあり方について、次のような意見がありました。

  • 都民委員として神田川をこれからどんな川にしたらいいんだろうかという思いがあり、例えば夢みたいな話、または思いもよらない話を多分にほかの皆さんも持っていると思います。専門家が思いつかないこと、あるいは路線変更してみたいような話を(実現の可能性の有無も含めて、)今後の神田川整備に反映させていくようにしていきたいと思います。
  • 本来懇談会のあり方としては、計画決定された以後に公表するのではなくて、計画段階から一緒になって議論をして、どういうあり方がいいのかということを決めましょうというのが原則だと思います。例えば神田川再生の計画は30年、50年、100年の長期の話でしょうし、具体的に平成17年度の工事予定の話も出てくるわけです。ですから、これからの神田川のあり方をどうするかということを議論しようとするならば、当然先の計画がわからなければ議論できないですから、そういう議論の方向性は行政の側が考えて、そういう提案や意見を出してもらうことが一番いいやり方だと思います。できるだけ早く予定、計画されているものを出していただきたいと思います。
  • 懇談会という限られた時間の中で議論を行っていくので内容を絞った方がいいと思います。将来、神田川をどうしていくんだという夢のある話と、その夢を実現するには随分と時間がかかるので、現実的にはどういう川のつくりをしていくか、という話の2つぐらいに大きく分けて議論するべきではないかと思います。

(座長の意見)
 都民委員の方々の川に対する思いは非常に貴重な意見になると思います。実際にこれから行う川づくりについてどこまで自分たちの思いが実現できるかということもありますし、我々、川の事業に携わっている人間から見たときのギャップも実はありますが、それを少しでも乗り越えられるようなものを、委員の皆さんと共に議論していければと思います。


■今後も各委員のご意見、ご要望を伺いながら懇談会を進めてまいります。

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