第13回議事要旨

開催日時:平成16年6月23日(水) 午後2時~4時
開催場所:東京都第一建設事務所会議室(1階)

[議事及び議事録要旨]
1. 開会

2. 委員の紹介
(都民委員、行政委員の紹介)

3. 流域連絡会の概要説明
(流域連絡会の設置経緯、設置要綱を事務局から説明)

4. 座長・副座長の選出及び挨拶
(事務局の推薦により座長・副座長を選出)

5. 報告事項

 [1] 中間のまとめについて

○ 第7回から第12回までの意見、提案の集約

○ ホームページ

  • 日本橋川・亀島川流域連絡会の議事要約等を順次掲載予定。

○ 日本橋川河川整備計画(素案)

  • 日本橋川の改修計画は50ミリの降雨強度に対する河川を目指しているが、完了するまで相当の日時を要する。
  • 日本橋川・亀島川の川沿いには、必要な河川管理用通路が確保されていない箇所があり、親水、レクリエーションなどの機能を有するスペースが乏しいので、川に向いたまちづくりという視点から整備方策を検討することを課題としている。
  • 河川利用の現状と課題として、「船舶等の不法係留」「ゴミ等の不法投棄」「水質保全」「首都高速道路の移転」等がある。
  • 河川整備計画の目標は、日本橋川は河口から4.8km、亀島川は河口から1.1kmの区間を対象としている。計画対象期間は概ね30年と考えている。
  • 河川整備計画の目標は「洪水、高潮による災害の発生の防止または軽減に関する目標」「河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する目標」「河川環境の整備と保全に関する目標」
  • 河川整備の実施に関する事項として、河川工事の目的や河川管理施設の機能などについて述べている。

[2] 神田川再生構想検討会について

○ 神田川・日本橋川の再生構想

  • 神田川再生構想とは神田川水系のおおむね50年後の姿と、それに向けた施策をとりまとめるものである。

○ 検討会の構成、検討経緯

  • 検討会の構成は、都市計画など6名の有識者と、国土交通省、都の関連局、地元8区の行政委員15名の合計21名
  • 2月3日に第一回検討会・幹事会を開催し、これまでに幹事会4回、検討会3回を開催。神田川の現状と課題、再生の基本理念、基本方針、施策、そして再生構想の実現に向けて検討を行い『神田川再生構想(案)』を取りまとめた。
  • 今後のスケジュールとして『神田川再生構想(案)』を東京都ホームページや関連する区、建設事務所、都庁の窓口で閲覧してもらい、それに対する意見を募集する。期間は7月の初旬から下旬を予定している。

 [3] 常磐橋の防災船着場案内板設置について

○ 常磐橋の防災船着場案内板設置

  • 第12回の連絡会で『防災船着場の案内表示等がないため、ほとんどの人たちが場所がわからず有事の際に活用できないのでは』との指摘を受けたため、防災船着場を管理している中央区が防災船着場の案内標識を設けたことを報告した。

○ 亀島川、日本橋川のライトアップについて

  • 中央区で管理している亀島川の南高橋、日本橋川の豊海橋、神田川の柳橋は区の指定有形文化財に指定されているがライトアップの設備が故障して使えない状態にあったが、南高橋、豊海橋については昨年(平成15年)の夏に工事を行い、現在ライトアップが行われている。柳橋についても現在工事が行われており、今年(平成16年)の夏までにはライトアップが完了する予定である。

○ 日本橋川の悪臭対策調査委託について

  • 今年度、日本橋川の西河岸橋から江戸橋の区間、約500メートルの区間について悪臭対策の調査委託をかけており、調査結果を基に原因をふまえて、今後有効な対策を考えていく。

 [4] 第2回 江戸東京の川再発見

○ 日本橋川~神田川~小名木川舟遊イベントについて

  • 『江戸東京の川再発見実行委員会』の主催で『第2回 江戸東京の川再発見』として、日本橋川~神田川~小名木川舟遊イベントを開催予定。現在360名の定員に対して、550~560人ほどの応募があり、抽選も終えたところである。

○ 常磐橋防災船着場について

  • イベントでの使用に際して、船着場が固定式になっているので舟の乗り降りがとても不便である。非常時の際にも問題となるので、これを教訓にして浮き桟橋にしてほしい。

 [5] 河川環境整備事業の優先順位の評価について

○ 都民が望む河川整備のアンケート調査

  • CVM(仮想評価法)と言う方式で都民がどのような川づくりを望んでいるかアンケート調査を行った。
  • 対象者は東京都内の市役所、区役所のロビーで庁舎に訪れた都民を無作為とし、河川を整備する場合のパターンのスケッチと整備にかかる金額を提示、最も望ましい河川整備案を選んでもらうという形で、H15年の6月30日から7月4日までの期間アンケートを行った。

○ 調査結果

  • 結果としては、都民は水辺に近づけるような河川整備を望んでいるという結果がわかった。
  • 河川環境整備事業については予算が凍結状態になっているが、アンケートの結果を基に優先順位を整理して、一カ所でも河川環境を良くできるような事業を行いたい。

6. 意見交換

 [1] 治水安全度について

【都民委員】
中間のまとめの49ページ、神田川・日本橋川再生構想についての中で、治水安全度が67%まで向上したというのがあります。この治水安全度が67%ということは、50ミリ対応で67%工事が済んでいるという見方でいいのか。一応50ミリ対応は済んでいるのかなと思っていたけど……。
【行政委員】
私ども、50ミリ対応ということで河道の整備等をしてきておりますけれども、残念ながらまだ100%になっておりません。そんな中で、氾濫を防ぐ調節池ですとか、そういったものの効果を含めて治水の安全度として67%というふうに言っております。ご指摘のとおり、残念ながらまだ50ミリ対応が100%にはなっておりません。
【都民委員】
だから、この安全度というのは、端的には、50ミリ対応の整備率とイコールだというふうに考えてもいいということですね。
【座長】
分水路、調節池の効果が入っていますので、護岸整備率よりも治水安全度のほうが高くなっています。

 [2] 神田川の再生構想について

【都民委員】
 神田川の再生構想ですけれども、これの基本は、河川ルネッサンス検討委員会というのが前にあり、非常に具体的なもので答申が出されていました。再生構想は基本的にはその方向で書かれているから、これは非常にいいと思いますが、一部、表現が随分変わっているところとか、つけ足されているところがあります。
 今だって基本的にはあの答申が生きているわけですから、ここでちょっと違いがある
 部分についてどういう意味なのかということを、一言でいいですから教えてください。
【行政委員】
 ルネッサンス検討委員会という以前の報告書がありまして、委員長は同じですけど、その辺の、いわゆる目指すべき方向が若干違うということですが、よろしいでしょうか。
【座長】
 よろしいですか。
【都民委員】
 いいですけれども、前のほうが割り合い具体的な表現が多かった。今の再生構想も具体的なものもあるけれども、どちらかといえば一般論的な書き方で書かれているから、少し中身としては後退したような感じで、特に一番最後の市民との協働みたいな感じで、つまり行政もやるけれども、市民も一緒になってやってもらわないといけませんねと、やりましょうよという部分が、ここでは1枚しか入っていないでしょう。
 僕は、なぜこれがこのぐらいになったかという背景を自分なりに考えると、有識者が6人というのはいかにも少ないんです。
 僕は、検討会の有識者は6人ではなくて15人とか、つまりこういう議論をするときに15人ぐらいいたって別に議論が散漫にはならないし、20人ぐらいいたって、僕は全然散漫にはならないと思いますから、少なくとも河川ルネッサンス検討委員会で積極的に発言した委員なんかで、その代表的な人は、僕は入れるべきだと思うんです。それは、委員が川を非常によく知っている、歴史、文化もよく知っている、川の現状もよく知っている、川の技術もよく知っている、だからそれだけの発言ができると思うんです。少なくともそれぐらいは是非やっていただきたいと思います。

 [3] 日本橋川の悪臭対策工事時に設置する仮設通路の散策路化について

【都民委員】
 中央区の西河岸橋から江戸橋までの悪臭を直すときに、当然工事の通路を、橋の両側だか片側だかつくりますね。つまり今、あそこは散策路が全くありませんから、散策路的に仮設をそのまま残して、だからつくるときに、多少強く丈夫につくっていただいて、散歩にも使えますよぐらいにしてもらうと、非常にうれしいなと思うんだけど。つまりそれをやってもらえば、川に対してより密度の濃い感じで市民が接することができるから、魚が見えれば、たばこを捨てるような人も少なくなるだろうという期待を持っているわけですけれども、そういうことはだめでしょうか。
【行政委員】
 まだ方策が決まっていないものですから何とも言えないんですけれども、大きくは酸素を増やすこと、河川に溜まっているヘドロ等そういうあまり水によくない有機物を含んだものもをとることが大事かなと思っています。そのときに、河川のヘドロ等は浚渫することとなりますが、現地の状況を考慮すると陸地からは難しいと思いますので、船からというふうな方法になると思います。とすると、そういうデッキ的なものはつくらない可能性があります。それから、酸素を送るのも曝気といいまして、いわゆる酸素を入れるようなものを浮かべてやる方法もあるものですから、工事用通路といった構造にならない可能性があります。もし仮設的なものでやるような形になっても、トータルでかなりお金がかかることもあるものですから、そういう方法がとれるかどうか、予算がつくかどうかという形で難しいところもありますので、ご趣旨はよくわかりますけれども、今後、方策を決めていく中で、可能ならばその検討をしたいなと思います。
【行政委員】
 私どものほうで悪臭対策をどのような形でやるか、今後の検討結果の中で考えますけれども、先ほど報告にありました日本橋川・亀島川流域連絡会の中間のまとめ中に、こういう形で親水テラス整備の標準断面図というのが出ておりまして、このあたりはどのような形で実現ができていくのかわからないところがあります。東京都のほうも日本橋川にテラスをつくるような計画もあるようですので、そういうのとあわせて考えていかなくちゃいけないところもあるのかなと思っています。
【都民委員】
 都市再生プロジェクトで、内閣総理大臣の閣議決定された中身として、神田川、日本橋川の再生をやりましょうという、いわばお墨つきですよね。だから、少しぐらい国が金を出すんだろうと当然思うわけですね。そうだとすれば、今までやらないようなことも含めて考えてやってもいいんじゃないか。つまり、日本一の橋を持った川だし、歴史文化的に見れば、やっぱり最も重要な河川の1つなんだから、プラスアルファでそういうことも考えてもいいんじゃないかという思いです。
【行政委員】
 私もそう思っていますので。
【座長】
 貴重なご意見をいただきましたけれども、日本橋の悪臭対策につきましては、秋ごろ、またこの場で調査結果の報告みたいなことは考えられますか。工期は10月30日ということであれば。

[4] 河川環境整備事業のCVM調査について

【都民委員】
 ご報告していただいたCVM調査は、僕は日本橋とか、都心部にある河川こそ、経済的な効果だけではなくて社会的な効果とか、精神衛生的な効果の重要さというのが強いですから、よりこういう調査や研究というものを積極的にやるべきだと思います。そういう意味で、例えば前に隅田川が、北海道大学の先生がCVMで6,400億ぐらいの効果があるというのを出していますが、これをこの会の中で、日本橋川や神田川あたりを事例に行って、都民がどれくらい税金として負担しても良いかが具体的にわかるようなお話をしていただくとか、ぜひやってもらいたいなと思っているんですけど、その辺はどうでしょうか。
 あるいは、ここに基本的なモデルの数値が出ましたので、それを基盤にして、デルファイ法などのアンケート手法を併用してやれば、神田川、隅田川、日本橋川にはどのぐらいの税金を出しても、直す価値があるよということも、そんなにお金をかけなくてもわかると思います。有志だけ別途、プロジェクトチームなり分科会なりをつくって、会合するということをやってもいいんじゃないかと思うんですけれども、そういうことについて、河川部計画課としてはどんな感触をお持ちでしょうか。
【河川部】
 ざっくばらんなところから申し上げますと、こういう検討をするに当たっても、やっぱりそれなりの調査費をかけてやっているんですが、その調査費は、昨年度まででこういう取りまとめを1回やって終わりということで、本年度以降はそういう予算は全くございません。したがって、そういう検討をするのであれば、すべて直営、要するに職員と皆様とで協力して手づくりでということになります。
【都民委員】
 じゃ流域連絡会として、全会一致で日本橋川の具体的なCVM調査をやってほしいというような要望を報告したら、東京都は多少なりとも予算として組むという方向は出てくるんでしょうか。
【河川部】
 それはお約束できません。CVMは、相当数のサンプル数を集めなきゃいけないので、こちらの調査をやったときは市役所の窓口に机を置いて集めたんですけれども、一般的なCVMは、日本橋川なら日本橋川ということで特定の場所が決まりますとCVMをやるんですが、そのときに地元の方々を中心にアンケートを配って、そのアンケートを送り返していただくということで、まず郵送費が発生します。相当数のサンプル数を集めなきゃいけませんので、その通信費だけでも相当……。
【都民委員】
 そういう費用は、市民の側は結構動ける部分がありますから、僕ら会員に配ってもらうとか、そういう方法はあるんですよ。ただ、アンケート設計とか、基本的な構想段階での設計が非常に難しくて、ちょっと間違ったら、もう数字はすぐ何億、何十億と変わってしまいますから、逆にその辺の設計をきちっとやれば、あとはそんなに費用をかけなくても、人海戦術で、ここにいる団体会員の定例の情報を流すときに一緒に封筒に入れるという方法もあるわけですから。
【河川部】
 CVMのアンケートが難しいのは、川に興味をお持ちの方だけを対象にしちゃうと、そういうバイアスがかかってしまうんですね。川に全く興味がない方にもやっていただくということが大事なんです。そうすると、おっしゃったようにアンケートをどういう形につくるかというのを、私ども多少かじってはいますけれども、大学の先生ほどの専門家でもない人間と皆様方とでそういうアンケートを設計しなきゃいけないというのが1つあるのと、だれに対してアンケートをとるのかというのをきっちり決めて集めないといけないというのがあるんです。多分、返事をたくさん寄せていただけるのは、川に興味をお持ちの方のほうがアンケートをやって返してくださると思うんですけれども、普段から川に対してあまり興味がないような方ですと、アンケートをお願いしますと言っても、多分懐にしまっておしまいという……。
【都民委員】
 それはもちろんありますね。
【河川部】
 そういうところも分析をかけた上で、ここの川をこういう形に整備していきたいと思うのに対する、地元の皆さんが出したいと思っている金額は幾らですよという、数字を計算するところまでは可能だと思うんですが、やっぱり精度に疑問点がつくような結果にならざるを得ないかなという気がします。

 [5] 行政委員の欠席について

【都民委員】
  きょう欠席されている行政委員の中で、少なくとも課長が出られないのであれば、係長とか、代理の人ぐらいは出席してほしいんです。こういう中に出てこないと、ただ後で議事録だけ読んでも細かいニュアンスがわからないから、ぜひ出席するように事務局のほうからご連絡をお願いします。
【事務局】
  分かりました。事務局のほうから、今回13回目ですけれども、14回目以降につきましては、代理でもよろしいので出席していただくように要請いたします。

 [6] 連絡会の資料について

【都民委員】
 今日、いろいろ資料をいただいてご説明いただいたんですけれども、この資料を事前に頂くわけにはいかないんでしょうか。そうすれば、よく内容を検討して、いろいろお話しできたと思います。
【座長】
 どうですかね。作っているのが、同時並行でやっていますから、案内状を差し上げた時点で、まだ並行作業をやっていますね。
【事務局】
 はい。
【座長】
 そういう面で不可能な面もありますね。できる限り、送れるものは事前に送りたいというふうに思います。
【都民委員】
 そうしていただければと思います。
【座長】
 それでよろしいですね。
【事務局】
 はい。
【都民委員】
 そうすると、長時間説明する必要はないし、質疑をもっと長い時間やっていただいたほうが、効果があるんじゃないかと思うんです。これだけのメンバーが集まっているんですから。私はそういうふうに思います。

7. 閉会

降雨時に役立つ情報

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