第5期第5回詳細議事録

開催日時:平成21年7月30日(木) 午後2時00分~5時00分
集合場所:中央区立築地社会教育会館 講習堂(2階)

  1. 開会
    ・座長あいさつ
  2. 委員の自己紹介
  3. 議事
    (1)神田川流域河川整備計画について(河川部)
    (2)水質・水生生物について
    (3)亀島川流域の地域連携について
    (4)亀島川緑化整備計画について
  4. その他(意見交換)
  5. 閉会
[議事及び議事録]
1.開会
【事務局】
これより『第5回日本橋川・亀島川流域連絡会』を開催させて頂きます。本日はお忙しい中、また、お暑い中にも関わらずご出席頂きまして本当にありがとうございます。

先ず本日お配りしました資料につきまして、『配布資料一覧』がございますので、それにより確認をさせて頂きたいと思います。最初に『流域連絡会次第』としまして縦書きにしたものが1枚、それから『座席配置表』としてA4版が1枚、次に『荒川水系神田川流域河川整備計画(案)』と書いてある48頁の資料と、その参考資料として10頁の資料が付いてございます。次に『荒川水系神田川流域河川計画(原案)の意見等について』とタイトルが打ってありますA4版3枚綴りの資料、以上の資料については全部クリップで綴じてあります。何か不足資料がございましたらお申し出頂きたいと思います。それと『神田川流域河川整備計画新旧対応表』と『神田川流域河川整備計画の概要』、『神田川流域河川整備計画策定までの概略スケジュール』の3枚の資料。それとA3版で『亀島川緑化計画(案)』という図面が付いております。以上が事務局でお配りした資料でございます。その他に『亀島川の再生と街づくり』という副座長からの資料が1枚。それから『2009世界都市水フォーラム』という資料が1綴り。最後に『川の中の生き物たち』という中央区からのパンフレットが1冊です。只今もう1枚資料をお配りしていますので宜しくお願い致します。資料関係は以上でございます。途中で足らない資料がありましたら事務局の方に声をお掛け頂きたいと思います。

申し遅れましたが、私は本日司会進行役をさせて頂きます、事務局である第一建設事務所工事課です。宜しくお願い致します。

議事に先立ちまして、事務局から御礼と確認したい事項があります。本日の『流域連絡会』開催にあたりまして、都民委員の方々に議題の提出をお願いしました所、多くの委員から議題をお寄せ頂きました。本当にありがとうございました。内容については事務局の方で検討させて頂きました。概ね本日の議題の3つに集約されるという事で、事務局の方で決定させて頂きました。本日発表されない委員の皆様も是非討議の中で活発なご意見を頂きたいと思っております。今後もこの様な運営方法も逐次取り入れて参りたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。

それともう1点ですが、去る7月16日に人事異動がございまして、前任の工事課長が別の事務所に異動しまして、三宅支庁から新たに工事課長が赴任致しました。この『流域連絡会』の座長を務めておりますが、“第一建設事務所工事課長が役職を継続する”という事で宜しいでしょうか。
【出席者】
~拍手を以って了承~
【事務局】
ありがとうございます。

それでは新任の所信を含めまして、座長から挨拶をお願いします。

【座長】
只今ご紹介頂きました、第一建設事務所工事課長でございます。温かい拍手でお迎え頂きまして大変感激しております。

開催にあたりまして一言ご挨拶させて頂きます。本日は大変お忙しい中、また非常にお暑い中を『日本橋川・亀島川流域連絡会』にご出席頂きまして誠にありがとうございます。当『流域連絡会』は平成11年10月に第1回が開催されまして、今年で11年目、本日で第五期の第5回目を迎えます。河川法も完成から徐々に浸透して参りまして、『流域連絡会』という制度もすっかり定着したと思っております。少しずつではありますが着実に成果を挙げつつあると思っております。

委員の皆様におかれましては、設立当初からご活躍されている方がいらっしゃると思います。この場を借りて御礼申し上げます。また、副座長として先生にご出席頂いております。行政委員の皆様も本日はご多忙の中、誠にありがとうございます。

さて私共東京都は、何度もご案内かと思いますが、2016年のオリンピック招致に向けて色々活動しております。その前提としまして先般『10年後の東京』という長期の計画を策定致しました。その中では“水と緑の回廊で作られた美しい街東京を復活させる”という事が第1の目標に設定されております。東京都が考えている意向と『流域連絡会』の主旨は利害が一致するのではないか、方向性が一致するのではないかと考えています。

ここに集う区民の方、行政の方、学識経験者の方が手を携えて議論をして頂き、活発なご意見、ご提言を頂いて、より良い水辺空間、日本橋川・亀島川の環境の向上に資する事が出来たらと思っております。本日は活発なご意見宜しくお願い致します。
【事務局】
ありがとうございました。
2.委員の自己紹介
【事務局】
それでは、次第の2つ目でございます『委員の自己紹介』を副座長の方から宜しくお願い致します。
【副座長】
法政大学の『エコ地域デザイン研究所』から代表して参っております。高い席で僭越でございますが、座らせて頂いております。

法政大学の『エコ地域デザイン研究所』に籍を置く傍ら、“水辺再生と街づくり”に関しての研究グループを起ち上げておりまして、ここにいる何人かの方、今日は1人しかお見えになっていませんが、また後で紹介があると思います。そういった方々と一緒に“水辺再生と街づくり”というキーワードで活動しております。

もう1つは、東京都が主体になって、そこに“船着場を作ろう”という研究会が2ヶ月に1回程度開かれています。中央区が主体的に活動の支援をしておられるのですが、その委員の隅の方に座らせて頂いております。

また、今日ご案内しました『中央区民会議』、これも中央区が運営しておられる会議です。そこで『亀島川の再生と街づくり』という資料について簡単にご説明しますと、ワークショップをさせて頂いております。今日ご出席の委員を始め、水辺や街づくりに対して見識を持った方達が受講生となって、中央区にある設計事務所のスタッフの方達にサポーターになって頂いて、「色々な事を考えているのを1つのパネルにまとめてみよう」という事で、そのワークショップを開かせて頂いております。ある意味画期的な事で、“水辺に対して区民の皆さんがどの様に考えているのか”という事を具体的な提案にしているという事です。

8月6日に、丁度この部屋になりますが、5グループで資料にもテーマが掲げられておりますが、自分達が発表し合うのと同時に「どうぞ皆さんいらして下さい」という事で、この中で色々ご披露頂いたり、意見交換が出来る事を楽しみにしております。私も具体的にはどんな提言が出来ているかという事を分かっている訳ではなく、それぞれの方達がなるべく生の状態で、我々があまり介入し過ぎない形で作っているという所に貴重さがあるのではと自負しております。

資料の次の頁になりますが、丁度花火の日に重なりますが、8月7日と8日に亀島橋の袂に、オフィス家具メーカーのオフィスビルがあるのですが、そこの1階を貸して頂きまして、2日間に渡って展示会をするという催しです。ここにはオープンに外から直に入れます。中央区にも共催の形をとって頂きました。昨日の中央区のホームページの広報の一番上に載せて頂いた様で、ありがとうございます。こういう催しを致しますので是非見て頂いて、その中では「私はこんな提案をしたい」という事も含めて、色々取り混ぜて提案する展示会にしたいと考えております。お時間のある方というよりも、『流域連絡会』のメンバーの方々にはなんとか時間を作って頂き、8月6日、7日、8日のいずれかにお出でになって頂きたいと思っております。

少し長くなって恐縮ですがもう1点、ご存じかと思いますが『世界都市水フォーラム』が韓国で8月18日~21日迄開かれます。この中で『日本橋川・亀島川流域連絡会』に絡む議題が出されております。シンポジウムの議題というよりは講演がなされております。資料『2009世界都市水フォーラム』の2枚目の裏側、4頁の真中辺りにありますが、『日本橋川での色々な活動』についての発表があるという事です。それと同じ様に、同じ頁の一番下に書いてあるのが私でございまして、『亀島川と街づくり』についての発表をさせて頂くという事です。話によると、世界各国から5,000人程集まるという事ですが、この手のプロジェクトでは日本が一番遅れているという事なので、「日本でなるべく沢山の講演をしたい」という要請があったものですから、私も参加する事に致しました。因みに第1セッションは私がトータル司会を仰せつかっております。もし韓国にお出向きの機会がある様でしたら、宜しくお願い致します。少し長くなりましたが、そんな事でご紹介でした。
【事務局】
ありがとうございました。

続きまして都民委員の方からお願い致します。

【都民委員】
千代田区の都民委員です。宜しくお願い致します。

住んでいる所は飯田橋で、神田川、日本橋川いずれも私の自宅から近くて、毎日川の観察をして過ごしております。必ず何処へ行くにも2つの橋のどちらかを通って行く様な形で、日本橋川を渡って後楽園の方向へ行くとか、新宿の方向へ行く場合には飯田橋の橋を渡って行くとか、必ず橋に関係ある所を多く通ります。宜しくお願い致します。

【都民委員】
中央区日本橋中洲の都民委員でございます。

私も今の先程の都民委員と同じ様に隅田川の直ぐ脇に住んでおります。清洲橋の袂なのですが、“中洲”と言っても最近は皆さん知らないのですね。タクシーの運転手でも「日本橋中洲に行ってくれ」と言っても解らないです。“清洲橋”と言うと解るのですよね。ですから、物凄く宣伝をしなくてはならないと思っています。私も毎日川を見ていまして、朝、東の方から太陽が昇ってくると、隅田川が凄くきれいなのです。最近はきれいになりました。

私も先程、副座長が言った日本橋川・亀島川流域の催し物に『区民カレッジ』の生徒として参加させて頂いています。重複致しますけれども、是非8月6日,7日,8日にいらして頂ければ、私達も発表する事が出来ると思いますので、宜しくお願い致します。

【都民委員】
中央区の月島から来ております都民委員です。

私自身は亀島川ではないですけれども、家の前を朝潮運河が流れておりまして、部屋から直ぐ眼下に船が通るのが見える所に住んでおります。

以前、八丁堀から日比谷線を利用する事が多くて、その際によく亀島橋を渡ったのですが、亀島川は両岸がコンクリートの護岸で、その上にまたコンクリートの建物やビルが背中を向けて建っていて、本当にコンクリートの衝立ての間をただ川が流れていくという感じで「何の趣もない」と日々感じておりました。下流の南高橋の方迄行くと、それ程ではなくなりますが、やはりコンクリートの間を流れている川という感じでした。

ですから、『亀島川緑化計画(案)』は私にとってはとても希望の持てるもので、すごく期待しています。亀島川の両岸が『緑化計画(案)』の様な緑の多い護岸となり、両側に道の様なものが出来てくれば憩いの場所にもなるし、今は背中を向けているビルも出入口を川の方向に作ってくれる様になるのではないかと密かに期待をしている所です。

折角作るのですから、やはり歩き易くて、木々の多い自然な道を全体的には考えて頂きたいと思います。作ってもコンクリートや石の構造物ばかり多くては、カンカン照りの夏とか冬の寒い季節も期待外れになってしまいます。そして、要所々々にこの『緑化計画(案)』の様な場所があればなお良いと思うのです。一番下流の南高橋付近には、この資料では木に囲まれた場所やスロープ等が出来る様ですが、高橋を挟んでまたその続きであるとか、ちょっとした広場等が出来るとまた変化に富んで楽しいし、船着場も霊岸橋の近くに出来る事にこの資料ではなっていますので、それもまた川を利用するにあたって色々楽しい空間が出来るのではないかと凄く期待しています。細かな点については『流域連絡会』で検討していけば良い案が出てくるのではないかと思います。そういう点で『緑化計画(案)』を進めて頂きたいと思っています。

【都民委員】
中央区の都民委員です。足を骨折しておりまして、1ヶ月程病院に通っていました。

日本橋川,亀島川の水系は、江戸時代には農業用水等として大いに活躍したと思います。現在、日本では食糧問題、特にお米等の農産物について40%弱の自給率をどの様に高めていくかという事が色々と言われています。私は相対的に見て神田川水系、隅田川、それから支流の亀島川や日本橋川について、“「水はどの様な価値を持っているのか」という事を根本的に哲学を持って考える”この『流域連絡会』はそういう会になると思っています。

特に今日は『亀島川緑化計画(案)』について大変期待しております。宜しくご指導願いたいと思います。

【都民委員】
私は中央区の都民委員です。

出席にあたって、『神田川流域河川計画』の素案に対する意見を求められましたので、文章で色々と意見を送っておきました。

今日の議題の中にも『亀島川流域の地域連携について』が入っていますが、亀島川というのは徳川家康が入京の際に、霊岸雄誉上人が神田山の土を崩して埋め立てて霊岸島を造り、その対岸に亀島という島があった。亀島というのは今の八丁堀辺りで、その八丁堀と霊岸島との間に架けたのが亀島橋という事なのです。それが元禄12年に亀島橋が架けられた状況であります。

それで、私が『神田川流域河川計画』の素案に対する意見で申し上げたのは、堀部安兵衛の碑がある亀島橋の袂に東京都水道局所有の地所があるのですが、そこを河川に対する色々な行事に使ったら良いのでないかという事です。昔は“大根河岸”とか“竹河岸”“米屋河岸”“材木河岸”等、その川の淵にある商家の所には共同荷揚げ場がありました。現在では川を船に乗って見てみると、昔の“大根河岸”“竹河岸”があった所にはいつの間にか家が建っていて、共同荷揚げ場がなくなっている。どういう状況でなくなったのか私はそこ迄詮索はしませんが、川の淵に偶々目についたのが東京都水道局所有の地所があったので、それを活用したら良いのではないかという事を提案させて頂いた訳です。八丁堀や霊岸島の住民の地域連携を以って、そういう事をされたらよいと考えております。

それから水質や水生生物について、この間も開削をして泥を取って頂きましたが、所謂川底のヘドロに酸素を入れてヘドロを活かす事を考えないと、上の方の水をいくらきれいにしてもヘドロが沈殿しているという事では、いつ迄経っても生物が居つかないのではないかと考えます。1人で長く喋るといけませんので、この辺で失礼させて頂きます。

【都民委員】
建築設計会社の子会社の土木設計の会社に勤めております。仕事の関係で河川の環境ですとか、防災情報の一般の方への提供、ハザードマップの作成といった事をしております。

会社があいあい橋の袂にありました時に、隣にあった大塚商会の創設者の方と「何とか神田川、日本橋川をきれいにしていきたい」という話がありまして、それで色々と調べたりした事がきっかけで、地域の活動等に参加させて頂く事となりました。会社はあいあい橋の向こうの郵便局の車が沢山停まっていたビルにあったのですが、東京都が防災センターか何かを造るので「出ていってほしい」という事で、会社が飯田橋の方に移転しました。区境を越えてしまって文京区ですけれど、私としては千代田区に本社もありますし、『神田川・日本橋川に清流を呼び戻す会』の活動も陰ながら支援していますので、これからも『流域連絡会』に参加して、色々勉強させて頂きたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

【都民委員】
『隅田川市民交流実行委員会』の副会長をしております都民委員でございます。

前回の2月26日の時にもご紹介させて頂いたのですが、私は『NPO小石川後楽園庭園保存会』にも属しております。そこで、かなり盛大なパネル展示をしたり、東京大学の『美しい東京をつくる都民の会』主催で都市講座で発表させて頂いたりしました。

これは何箇所かで提案させて頂いているのですが、資料を詳しく説明する時間はありませんのでご覧頂いて、『大名庭園サミット』が10月23日,24日に開催されます。テーマが『水と文化と庭園』で、『水と緑を活かす街づくり』というサブタイトルがついています。それに先立ちまして、広報展示を日比谷公園の「水と緑」の市民カレッジの3階で9月の中旬迄やっておりますので、お時間がありましたら是非ご覧になって頂けたらと思います。“高松栗林公園”“金沢兼六園”“岡山後楽園”“水戸偕楽園”と私共の“小石川後楽園”の五庭園が共催でございます。今年は4回目で、東京の番ですので、私共が主催でございます。そんな事もあり、「神田川に和船を浮かべようではないか」という様な話を進めている所です。

今度、日本で唯一のランドスケープの雑誌“ランドスケープデザイン”が、8月22日に発刊されます。それで『大名庭園サミット』を含めて、先生方とのシンポジウムが10月24日に開かれますが、そういったものをポイント的に取りまとめて雑誌発表を致します。

私は建築家と画家でございますが、私の提案発表を『仙台堀プロムナード構想』という事で、5年~10年掛けて是非プロムナードを神田川の特に仙台堀の運河のゾーンに、これは東京都にこれからお伺いを立てる所でございます。和船のコースにつきましては既に冨澤係長にご意見を拝聴している所でございます。そんな中で是非『プロムナード構想』もという事で、これはデッキで仙台堀のゾーンをトコトコと、跨線橋を広くした様なものを繋いでいってはどうかという事で調査を始めている所でございまして、基本的な構想を8月に発表させて頂きます。是非ご覧頂ければ幸いです。

そんなこんなで時間も長くなりますのでこの辺で、私は本当は隅田川でございますが、隅田川は既に色々と整備が進んで、船も行き交っておりますので、「神田川を何とか生き返らせたい」と兼々思っておりました。私は絵を何回も描きに行っては「神田川は東京の都市の中でも最も活かすべき川だ」と確信を深めている所でございます。そんな中で“死んだ川を生きた川に”といった活動を是非これからも、“死んだ川”と言っては大変僭越ではございますが“死にかけた”と言ったら宜しいでしょうか、水質も良くなりつつあり、船も浮かべられる様になります。そんな中で議論を戦わせて“人が喜んで生活に溶け込める川”そんな活動を考えていきたいと思います。宜しくお願い致します。

【都民委員】
『神田川ネットワーク』の都民委員でございます。

先般7月6日に東京新聞主催で『神田川再発見』というシンポジウムを開催しました際に、皆様方大勢お出掛け頂きましてありがとうございました。お蔭様で300人近くご参加頂きました。7月27日の東京新聞にまとめが出ていますので、時間がありましたらご覧頂ければと思います。

私達は神田川水系全体の自然環境保全育成を進めておりますので、毎月色々な事をやっております。8月5日には外堀の外来魚調査をやりますし、8月11日には沿川の新江戸川公園の外来魚調査をやります。8月8日は新江戸川公園、8月11日は高田橋の所で、水の中に入ってアユの調査をやります。新宿区が毎年やっているのですが、今年は雨でやれませんでした。実は先週の土曜日に行う予定でしたが雨で出来なかったので、予備日として8月11日に再度行う予定でおります。毎年アユが戻って来ている事は事実で、それだけきれいになっている検証は出来ているのですが、同時にドジョウやフナ等の所謂神田川生まれ、神田川育ちの水生生物も育ってきている。そういう意味では非常に良くなりつつあるという事で、これは毎年定点観測として続けていこうと思っております。

それから毎年恒例になっております『神田川サミット』を、今年は10月29日に開催致します。環七の善福寺川の地下河川の見学、これは無料ですので興味がありましたら是非お申込み下さい。同時に現在善福寺川の激特事業で、親水化の工事、都心部の河川のモデルになる様な工事をしていますので、ここも皆で見学しながらディスカッションをしようと考えています。未だチラシを作っていませんので、ご興味がありましたら私の所へお問い合わせ頂ければご案内を差し上げます。

最初に座長が話された中で、『魅力ある東京の水辺づくり』という活動を、現在東京都の6局、観光部が窓口になって行っていますが、『流域連絡会』の流れと観光部との連携がもうひとつ不足していると思います。どれ位進んでいるのかご存じない方も多いと思いますが、今年は2回程実行委員会が開催されています。「東京湾を回りながらディスカッションしよう」等幾つかの案は出ていますが、もっと東京湾と都心部の河川、感潮河川が殆どなのですから、連携を強めていく必要があると思っております。東京都の中に『自然環境保全審議会』という会議があり、私も偶々今期委員になったのですが、その中でも是が非でも取り上げて頂きたいテーマであるにも関わらず、殆ど議論がされないのです。東京都の大きな政策の1つに取り上げられながら、知事の諮問項目でなければ議論にならないという事なので、『流域連絡会』の中で提案をして、それを『自然環境保全審議会』の中でも議論して頂く様な形で、より問題意識を明確にしていく必要があると思っております。諸々申し上げたい事はあるのですけが、後程議論させて頂きたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

【都民委員】
皆さんこんにちは。私は『川に学ぶ体験活動協議会』から参りました都民委員です。

当法人は全国113団体の会員が、川で活動する人達の指導者作りをしております。“最終的には子供達を川に帰そう”という理念を基に指導者を育成しています。

「なぜ亀島川か?」と言いますと、事務局が亀島川の直ぐ傍にありまして、毎日橋を渡って事務局に来ております。

7月5日に二子玉川、玉川高島屋の前ですが、多摩川で子供達60人を川の中に突っ込みました。多摩川というと年配の方達の中には「汚い」「臭い」と言う方もいますが、私も入りましたが、実際入ってみるとそんなに汚くありません。大分きれいになっております。これも行政と地域の皆様の活動の賜物だと思っております。その模様が夕方のNHKの番組で流されました。今回は防災という事で「ライフジャケットを着用して川に流れれば安全ですよ」といった感じで、環境も含めて多摩川に入るという事で行いました。これは『川流れキャンペーン』といって全国17箇所で行っております。

何処の川でもそうなのですが、地域の人達と行政が一緒になって良くしていこうという事が凄い問題になっています。先週実施した岐阜県の馬瀬川や他にも色々な川を見ていますが、地元の人達の意識改革が必要だと思います。

そういう訳で、昨年、一昨年と毎年1回ずつ亀島川でボートを使って、地域の皆さんを集めて色々と行っています。もちろん子供達も集めて水質検査や水生生物調査を行っています。川の中には入れないので、川の水をすくって護岸で調べるのですが、色々な生物がいます。「亀島川には水生生物がいない」と言われていますが結構いまして、エビもカニもいます。もっときれいになれば、水生生物も沢山いる様になって、私の理想としては“亀島川で子供達が泳げる事を目指したい”と思います。宜しくお願い致します。

【都民委員】
『名橋「日本橋」保存会』の都民委員です。ここ数回参加出来なかったので戸惑っております。

先程お話のありました様に、日本橋という所は亀島川も含めて江戸時代から60箇所以上の河岸がありまして、全国から物資が港に着いて、そこから小さな船に積み替えて運ばれたという事です。そういう意味で都市に残された貴重な運河であり、『魅力ある水辺づくり』という意味ではアクセスも良い場所でありますので、大変貴重ではないかなと思っています。来年秋頃の予定で日本橋の袂に船着場が出来るという事も、ネットワークを作る意味で貴重であると思います。また、EM団子を使って河川の浄化活動等も進めている段階でございます。

最後に、これは『名橋「日本橋」保存会』の活動とは離れるのですが、隅田川にしても神田川にしても、とにかく川には“区境”もなければ“縄張り”もなく、“縦割り”とかそういうものもない訳です。お配りしました『日本橋』という冊子の中に、『江戸東京の川再発見委員会』という事で、東京の川の市民団体を集めた実行委員会で7年間くらい船を動かしています。来年の4月を期してNPO法人『水都と東京を作る会』という団体を起ち上げますので、関連外ですが資料を配布させて頂きました。以上でございます。

【事務局】
どうもありがとうございました。

では、行政委員の方宜しくお願い致します。今回の異動で初めて参加される方も含めてお願い致します。

【行政委員・代理】
千代田区の道路公園課長が4月の移動で替わりました。本日道路公園課長は議会の関係で出席出来ませんので、代理で出席させて頂いております。

私事なのですが、子供の頃から中央大橋の袂の新川に住んでおりまして、何処に出掛けるにも橋を渡らないと行かれない、正に亀島川は手に取る様に環境が分かります。今回代理で出席したのは何かのご縁かなと思いますので、宜しくお願い致します。

【行政委員】
中央区の公園緑地課長に4月に異動になりました。今後とも宜しくお願い致します。

私も5年~10年程前に亀島橋の架け替え工事を担当したり、どれ位前かは忘れたのですが根固め工事をしたりと、日本橋川や亀島川には少なからず関係してきました。今後も公園緑地という立場で、水辺率東京23区1番という事で18.3%ありますので、皆さんに親しまれる水辺の創出に向けて頑張っていきます。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

【行政委員】
中央区の土木管理課長を4月からさせて頂いております。どうぞ宜しくお願い致します。

“土木”と言いますと、皆さんは道路や橋をイメージされるかと思いますが、公園緑地課長も申しました通り、中央区は区の面積18%が水域という事で、東京都23区でもトップクラスです。そういった中で、現在中央区が新しい政策として、これ迄とはまた一歩進んで“水辺の活性化”という事を大きな政策の柱としております。過去には“水辺の活性化”についての調査も行っておりますし、今年は特に区民の皆さんに、区政世論調査の中で初めて“舟運に関する調査”を設けさせて頂きました。今年、来年と新たに“水上交通”ですとか、先程少しお話がありましたが“水辺に開かれた街づくり”といったものも順次検討していきたいと思っております。今日は皆様から色々とご意見を頂きたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

【行政委員】
中央区の環境保全課長です。宜しくお願い致します。私も4月に前任に替わりまして環境保全課長という事でございます。

本日は貴重な『日本橋・亀島川流域連絡会』の時間を拝借致しまして、中央区環境保全課の活動の一端を紹介させて頂きたいと思い、皆様のお手元に『川の中の生き物たち』というパンフレットをお配りしてございます。という事で、後程また宜しくお願い致します。

【行政委員】
東京都土木センターの行政委員です。この4月に元は“土木技術研究所”だったのですが、三度名前が変わりまして“土木技術支援人材育成センター”という名前になっています。

現在、都内各河川の高水,低水の流量と流速、水質の実測と解析をやっています。それ以外に河川緑化の効果検証という事で、温度限界やCO2濃度等の視点で、幾つかの河川で実測解析を行っています。宜しくお願い致します。

【行政委員・代理】
皆さんこんにちは。河川部計画課中小河川係から参りました。

本日は代理で参りまして、河川部計画課の計画課長が7月に替わっております。宜しくお願い致します。

【行政委員・代理】
同じく河川部計画課から参りました。

本日は、議題の一番始めにあります『神田川流域河川整備計画について』という事で説明させて頂きたいと思います。宜しくお願い致します。

【行政委員】
同じく河川部計画課で環境部局の担当係長をしております。宜しくお願い致します。
【行政委員】
4月に着任致しました第一建設事務所管理課長でございます。

管理課では隅田川のテラス等で、地域の皆様のご協力を頂きまして“清掃”や“花守り活動”等をさせて頂いております。これからも日本橋川,亀島川を地域の皆様と連携して守っていきたいと思っております。宜しくお願い致します。

【行政委員】
第一建設事務所工事課で河川の設計の方を担当しております。

この『流域連絡会』に関係します事ですと、“亀島川の緑化”について昨年度から引き続きやらせて頂いております。宜しくお願い致します。

【事務局】
どうもありがとうございました。
3.議事
(1)神田川流域河川整備計画について(河川部)
【事務局】
これから議事に入らせて頂きます。進行は座長、宜しくお願い致します。
【座長】
議事進行を仰せつかりました。

では、『流域連絡会次第』に従って議事を進行して参ります。今回は議題が4点でございます。時間も押して参りましたので、申し訳ありませんが説明は手短に、簡潔にお願い致します。

先ずは『(1)神田川流域河川整備計画について』という事で、東京都河川部の方からお願いします。

【行政委員・代理】
河川部計画課です。宜しくお願い致します。

先ず初めに、今回私共が『神田川河川整備計画』を策定するにあたりまして、『流域連絡会』の皆様からご意見を多数頂きました事に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。それでは早速ご説明させて頂きます。

-配付資料:『神田川流域河川整備計画策定までの概略スケジュール』の内容説明-

・『流域区市説明会』及び『日本橋川・亀島川流域連絡会』から意見を頂戴している。
・4月に一般の都民の方に意見募集をさせて頂き、現在意見募集は終了している。
・これらの意見を踏まえ、今回『荒川水系 神田川流域河川整備計画(案)』を作成した。
・今後、8月~9月に学識経験者に意見を伺い、その後、最終案固め、関係する行政機関への協議、関係する流域区市町への意見照会を行う予定である。
・以上を踏まえて、11月位を目標に最終的に国土交通省に認可申請を行う。

 

-配付資料:『荒川水系神田川流域河川整備計画(案)』の内容説明-

・どの様な修正をしたかを重点にご説明させて頂く。

・【18頁】

◎『第2節河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項』という事で、水流量に関する現状が記載されている。

◎(4行目)“平常時では、下水処理水の占める割合が多い状況となっている。”については、神田川の水量を維持している大部分が下水道処理水であるという状況を新たに追加している。

◎(下から3行目)“近年は清流復活事業により、多摩川上流水再生センターの高度処理水を玉川上水を通じて神田川に、千川上水を通じて善福寺川に導水している。”については、「経路を解り易く説明して欲しい」という意見があったので、この様な記載に変更した。

・【19頁】

◎『神田川流域の湧水一覧表』(表2-5)について、「抜けている箇所があるのではないか」とのご指摘頂き、新たに追加したのが(上から3つ目)“文京区関口芭蕉庵”、(下から4つ目)“杉並区御供米橋下流”である。

・【20頁】

◎(5行目)“しかし、神田川流域の下水道は合流式で整備されており、”以降については合流式下水道の問題点を記載している箇所であるが、「書き方が誤解を生むのではないか」との指摘があった為、表現を改め“雨水の流入により下水の量が管の能力を超えると河川に下水を放流する仕組みとなっているため、降雨直後においては水質悪化が見られる。”とした。

・【22頁・23頁】

◎『第3節河川環境の整備と保全に関する事項』という事で、『植物の生育・繁殖状況』(表2-6)『魚類の生息・繁殖状況』(表2-7)の一覧表を記載している。

◎一覧表内に古いデータあり、杉並区,新宿区,中央区が調査した新しいデータを追加し、修正した。

・【30頁】

◎ここは『第3章河川整備計画の目標に関する事項』について記載されている。

◎『第3節河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項』についての修正事項は以下である。

◎今回の意見募集にあたり、下流側の区民より「“賑わい”に関する目標設定がされていない」という指摘が多数寄せられた。確かに“賑わい”については非常に重要な事項であると我々も認識しており、新たに“水辺空間の魅力向上を実現するために、人々が集い、賑わいのある水辺空間を形成し、川と地域の人々との関わりをより深く、豊かにする地域に活きた川づくりを目指す。”という目標を設定し、記載した。

◎次に“アユの生息に象徴されるような動植物が生息、生育、繁殖出来ることを目的とした”というくだりがあるが、ここでは“水量”についての目標設定はされていたが、「“水質”についての目標設定がされていない」との指摘を頂いたので、“水量・水質の確保に努める。”と記載した。

◎『第4節河川環境の整備と保全に関する事項』についての修正事項は以下である。

◎ここは“公園との一体整備”“街づくりとの連携”等について記載している箇所であるが、「それに対応する肝心の目標が設定されていない」との指摘があったので、“地域住民が川に親しみ、うるおいのある空間の創出を図るとともに、水辺からの眺望やヒートアイランド対策等の都市環境の向上に配慮した景観形成を目指す。”と記載した。

・【42頁】

◎ここでは、街づくりとの連携等を進めていく中で、拠点となる整備の候補地を『拠点整備候補箇所一覧』(図4-2)として挙げている。

◎一覧表の(上から3つ目)“3秋葉原駅・万世橋付近”について、修正前は“秋葉原駅付近”としていたが、「秋葉原と万世橋を繋いで、万世橋を含めた拠点整備をするべきではないか」との意見を頂いた。また、千代田区の旧交通博物館があり、JR等もそれらの整備を行っていると伺ったので、拠点の名称を変更した。

・【45頁】

◎先程“水辺の魅力向上”について、新たに目標を設定した事を説明させて頂いた。ここはその実施項目についての記載がされている箇所であるが、こちらでも新たに、“(7)水辺の魅力向上については、平成18年に「東京の水辺空間の魅力向上に関する全体構想」が策定されている。この構想の中で示されている防災船着場の利用促進等の施策について、関係自治体と連携して検討を進める”を追加した。

◎水質関係の取り組みについては、44頁に“(4)水質については、合流式下水道の改善、外堀浄化対策、ごみ問題等、地域及び関係機関と協力連携を図る”と記載しているが、新たに“(8)洪水の流下、水質維持・向上及び河川の舟運機能を維持するため、浚渫を実施する”という項目を追加した。

・『荒川水系神田川流域河川整備計画(案)』本編の修正箇所は以上である。

-配付資料:『参考資料神田川河畔まちづくりの考え方』の内容説明-

・本編の後に参考資料として『神田川河畔まちづくりの考え方』を添付している。

・【2頁】

◎神田川流域を8つのブロックに分け、それぞれの地域の特徴に合わせた在り方を検討していくという事で記載している。

◎『(1)神田川下流ブロック』に日本橋川及び亀島川も含まれるが、『2)あるべき姿』の3つ目に“賑わいのある街並みや江戸城の石垣、日本橋や常盤橋等の歴史的資源に触れ、働く人や訪れる人が現代の東京の活気や江戸の歴史を感じることの出来る水辺”という記載を新たに追加している。

◎『3)取り組みの方向性』の2つ目に“舟運の復活”という事で、舟運を求める声が非常に大きかった事もあるが、やはり重要な役割を果たすという事で、“江戸時代から神田川では舟運が盛んであったことをPRし、観光資源とするため、舟運を復活させた川を目指す”という記載を新たに追加した。

・【9頁】

◎上流側の『(7)善福寺川緑地・和田堀公園ブロック』になるが、『3)取り組みの方向性』の一番最後に“潤いと安らぎのある水辺環境の再生、創出を図ることを目的に策定された善福寺川「水鳥が棲む水辺」創出事業との連携を図る”を追加した。

◎杉並区では現在『「水鳥が棲む水辺」創出事業』が進められており、こういった取り組みと連携して河川整備を進めていきたいと考えている。

・以上が今回色々と検討し、反映させて頂いた項目である。

-配付資料:『荒川水系神田川流域河川計画(原案)の意見等について』の内容説明-

・皆様から頂いた『ご意見・ご提案(要旨)』が左側に記載されており、右側に『回答』として私共のコメントを付けさせて頂いている。

・時間が許す範囲で幾つか紹介させて頂く。

・【1/6頁】

◎3番に“大都市の中を流れるこの流域において、都市の水循環の確保、または、今後地球規模での気候変動を考えた上での治水対策について水系全体での総合的な取り組みを計画していることは評価出来る。また、緑化計画、親水等について、地域住民の係わりが地域ごとに検討されていることもわかった。今後、さらに域内全体が都市に安全と緑と潤いを与えてくれる河川になっていくように検討を重ねることを希望する。”という意見を頂いた。私共もこの様な河川実現に向けて、整備を進めていきたいと考えている。

・【2/6頁】

◎6番の2つ目に“神田川の下流部は亀島川を除いて合流式の下水道システムが残っているため、豪雨時に汚水が流れ込み、降雨後の汚濁があり、川底に汚泥が堆積するために水質が悪い状態である。しかも日本橋川と分派するあたりから下流は感潮河川であることから、潮の干満の影響を受けて降雨がない限り河口まで流れ出ることはないため、水の浄化も遅く、汚泥はヘドロとして堆積してしまうことになる。そこで、川本来の流れを造る実験を行ってみるべきである。具体的な案としては亀島川の2つある水門を満潮時に閉めて水を溜め置き、感潮時に川底部の流れの実態を把握する調査が可能である。この結果から、下流域の水質改善システムを考える手がかりをつかむことが出来ると考える。”という意見を頂いた。確かに下流の感潮域では、浄化対策で大きなネックになるのが川の流れである。流れが常時上流から下流ではない為、それを実験として人工的に再現してみるという意見だと捉えている。しかし、ここには記載していないが、水門を所管している防災課で実際に可能かを調べて貰った所、「水門は高潮を想定して造られている為、川の水位が上がってくると水門を閉め、亀島川の水位を抑えて高潮に対応している。潮が引いて水位が同じ程度になったら水門を開けるという操作を行っている。水門の設計上、水位差がない状態で開ける事を想定している為、水位差がある状態では門扉に水圧が掛かってしまう。何mかの水位差をつけて水門を開けようとすると、巻上げ機が動作しないという状況がある」との事であった。「確かに流れを作るというのは素晴らしい提案だと思うが、実際の水門の機能としては難しい」というのが防災課の意見である。

・【5/6頁】

◎17番,18番,19番に同じ様な意見を頂いている。

◎代表して17番で、“日本橋地域は、江戸時代より「水の都」として発展を遂げ、昭和初期まで舟運が盛んに行われていたが、高度成長に伴い、川は排水路となり人が寄りつかない、寄りつけない空間となってしまった。日本橋川の課題としては、水質浄化や水辺空間の改善、賑わい空間の創出等がある。是非整備メニューの一つとして神田川、日本橋川、亀島川に観光船着場を設置し、都市舟運を復活させることについて記載してほしい。”という意見を頂いた。これについては、先程本編に“舟運等の復活”に関する記載をさせて頂いた事を説明した。

上記の様な形で、『神田川流域河川整備計画』を策定していきたいと考えております。多くのご意見を頂いて、全部ご紹介出来なくて誠に申し訳ないのですが、時間の関係もありますので、これで終わらせて頂きます。

【座長】
ありがとうございました。これについて、何かご意見はございますでしょうか。
【都民委員】
3つ程お聞きします。先ず『神田川流域河川整備計画策定までの概略スケジュール』で説明のあった“学識経験者の意見交換”については、傍聴は可能でしょうか。
【行政委員・代理】
これ迄の事例でいくと、一般に公開するというスタイルは採っていないのですが…。
【都民委員】
参加している学識経験者を見ると、拒否する様な顔ぶれではありませんので、聞いて頂ければ「OK」するのではないかと思うのですが。細かい部分については解らない所もあるので、時間的に合えば是非聞いてみたい気もします。宜しくお願い致します。
【行政委員・代理】
確認はしてみます。
【都民委員】
2つ目は、『荒川水系神田川流域河川整備計画(案)』の45頁に“(8)洪水の流下、水質維持・向上及び河川の舟運機能を維持するため、浚渫を実施する”とあります。“舟運が可能な浚渫”という事は、結構長いスペースを浚渫するという事になると思うのですが、その様に考えてよいのでしょうか。そうなると結構費用が掛かると思われるので、他の整備に掛かる予算がこの浚渫に取られてしまうのではないかという心配が出てくるのです。具体的な数字が記載されていないので、何とも判らないのですが。
【行政委員・代理】
予算の範囲内でやらざるを得ないと考えています。
【都民委員】
そういう意味を含めて、具体的な数字がないと判断出来ないと申し上げています。「やれる範囲で浚渫はするが、舟運を全て満たす様なレベル迄完全に行えるかは判らない」という事ですね。
【行政委員・代理】
舟運という事で言いますと、井の頭池迄行ける時も行けない時もあります。必ずしも掘れば行けるという訳ではなく、橋桁の高さの問題等もありますので、必ずしも浚渫だけで全て解決出来るという状況ではないと考えています。
【都民委員】
しかし、全体をやるのと部分的にやるのでは変わってきますからね。

23頁の『魚類の生息・繁殖状況』(表2-7)ですが、神田川にカムルチーが生息している事になっていますが、詳細な事迄解りますか。何処にいるかとか。私が見る範囲では、神田川にカムルチーはいないと思うのですが。この一覧表には外堀も入っているのでしょうか。

【行政委員・代理】
外堀は入っていないです。
【都民委員】
善福寺川に生息しているのは確認しているのですが。
【行政委員・代理】
今日は、出典資料を持ってきていないので…。
【都民委員】
この一覧表は、区の報告からまとめているのでしょうか。
【行政委員・代理】
そうです。
【都民委員】
東京都で独自に調査を行っている訳ではないですよね。
【行政委員・代理】
東京都で調査を行っているものとしては、欄外“出典”の一番上に記載してあります『東京の川のいきものと環境』というだいぶ古い資料ですが、環境局で調査を行ったものがあります。あとは杉並区,新宿区,中央区の資料になります。
【都民委員】
環境局が独自にやっている調査は10年位前に終わっていますよね。
【行政委員・代理】
はい。その古い資料も一応使っていますので。
【都民委員】
解りました。古いデータも入っているという事ですね。

すみませんがもう1つ。私が色々出した意見で、この『荒川水系神田川流域河川整備計画(案)』の中に反映されているものもあれば、されてないものもあります。どうしても言っておきたい意見として“日本橋川,亀島川共に、神田川全体も含めて都心部にあり、東京都の中心的な河川であるので、日本のモデルになる様な川づくりを是非してほしい”という意見を出しました。今回は『流域連絡会』ですので、具体的な中身について説明されたと思うのですが、その辺は説明された外の問題として配慮されているのでしょうか?

【行政委員・代理】
“日本のモデル”という事と表現的に合致するかどうかは判りませんが、26頁の真中辺りに“計画の基本理念”という事で、“「首都東京の顔にふさわしい、人・生きものが集い、親しめる、地域に活きた川に再生し、東京に魅力と活力を与える」”と掲げております。“首都東京の顔にふさわしい”=“日本の中でモデルになる”と解釈出来るかどうかは微妙な所ではありますが、一応そういった意味も込めて記載しています。
【都民委員】
是非、これを強く活かしてほしいと思います。
【座長】
副座長からご意見がある様です。
【副座長】
質問させて頂きます。ご説明の中で、私が書いたと記憶しています“水門の開閉”に関しては中々技術的に難しいという事でしたが、それを更に乗り越える気持ちが『神田川流域河川整備計画』の中にあるのか、ないのか。感潮河川で、ただ潮の満ち引きに任せて水を漂わせた状態にしているのでは、いくらEM団子等で水質の改善をしようとしても追いつかない事がある訳です。基本的には水門の在り方等を付加しながら、色々な事を連携して行わなければならないという事があると思います。河川行政も含めて追い求めていく感じが現在の所あまり感じられない。この間も申し上げたのですが、下流域で絵を描いても東京都河川部は決して船を描こうとしない。船の事は言葉では記載されていますが、絵の中では決して描こうとしないというのは、やはりおかしいのではないでしょうか。「こういう使い方が可能なのだ」という事は然るべきであると思います。

もう1つ被せて申しますと、学識経験者にどういう方をお選びになっているか判らないのですが、“土木関係”の方々だけで構成されているのではないですか。言い過ぎかもしれませんが、やはり“建築”であるとか“都市計画”“都市環境プランナー”等の色々な専門家がいる訳で、そういった人達が“土木関係”の方々と十分に意見を戦わせる。そういう器量をお持ちにならないと、行政もコンサルタントも全て土木一本で固まっていてはコンサルタントが何か言おうとしても、行政におもねてしまっている所があるのではないでしょうか。そういった事が日本の河川の再生を妨げているのではないか、というのは言い過ぎかもしれませんが、その辺の考えをお聞かせ頂きたいと思います。

【行政委員・代理】
順番にご回答しますと、先ず水門の件ですが、確かに今技術的には難しい面があります。ただご指摘があった様に、何かしらの取り組みを考えていかなければならないと思っています。では「具体的に何が出来るか」と言うと、残念ながら私共も未だ掲示出来る様なアイデアがないのが現実です。ただ私共も現状がどうなっているのか。水質も川の上面と底の層では違います。流れも違います。現在そういった観測も行っている所です。そういったものも含め、現状を分析してみようと思っています。その上で、そこから何か出来る事が出てくるかどうかは分かりませんが、次のステップとしては「何が出来るか」を真剣に考えていこうと思っています。

2つ目の学識経験者については、メンバー表が手元にないので私の記憶で申し訳ございませんが、基本的には“生物関係”等の様々な分野の先生方に入って頂いております。必ずしも河川専門の人だけを入れているという訳ではございません。私共としましても、我々と同じ様に河川の事を専門にしている人だけではなく、生物を始め色々な分野に精通されている方をメンバーとして入れて開催しております。ご指摘程の偏りはないと思っております。

【副座長】
しかし、“建築関係”の方は、決してお入れになろうとしないですよね。
【行政委員・代理】
“建築関係”の方が入っていたかどうか、定かでないのですけれども…。
【副座長】
“建築関係”の方々も“土木”にあまり興味を持たれていないというか、組み込まない様にしていたという反省はあるのですが、近い分野だけにどうも背中合わせの状態になっている様です。例えば、橋梁を建築家にデザインさせるのを良しとしなかった事があったり、元々あまり仲が良くないのです。その様な経緯があるにしても、やはり見方の違い、例えば下流部等はもっと積極的な壁面緑化で川に風が流れる様にするであるとか、壁面緑化で温度を下げるといった事は盛んに研究されている訳です。そういう人達の知恵を活用するとか、十分に材料はあるのに融和させようとしていない。もうその様な時代ではないですよね。

水質に関しても、2年前に千葉工業大学の先生が調査をやっていまして「水面は行ったり来たりしているが、川の中は全く動かない状態である」という事でした。また、ある先生も「自分が検証してないので一概には言えないが、ある調査の中では正しくそういう事が言えるだろう」との事でした。素材は沢山ある様な感じがしますので、色々と言わせて頂きました。

【座長】
ありがとうございました。

少し時間が押してきましたので、トイレ休憩を取りたいと思います。

【出席者】
~10分間の休憩~
(2)水質,水生生物について
【座長】
それでは議事を再開させて頂きます。

続きまして『(2)水質,水生生物について』ですが、都民委員からのご提案という事ですので、宜しくお願い致します。

【都民委員】

・毎日川の状況を見ているが、雨が降らない日は非常に水質が安定しており、透視度も非常に良い。

・雨が降ると川の水質は大きく変化する。特にある雨量以上になると、下水からの流入があり、飯田橋の上から神田川を見ると、茶色いゴミの混ざった汚い水が流れてくる。

・通常は雨が止んで一週間もすれば元に戻るが、問題は6月中旬から7月前半位に非常に気温が上がり、外堀の水温も上がって“アオコ”が異常に発生する時期である。

・雨が降った時に“アオコ”が飯田橋から神田川に流れ出す。異常な色の帯状の流れというのは、簡単には神田川で水と混ざり合わない状況であり、一見すると緑色の油状のようなものが流れていると感じられる。

・“アオコ”は飯田橋から右岸に沿って流れていく。左岸側は江戸川橋の方から比較的良い水が流れてきている。飯田橋で合流するのだが、中々混ざり合わない状態で下流に向かって流れていく。

・その下流、300m位の所に小石川橋がある為、そこから日本橋川に流入してしまう。直進していけば神田川をずっと流れていくのだが、大体、悪い水は日本橋川に流れ込む様になっている。風向き等で違ってくる事もあるが。

・日本橋川への流入地点でも未だ混ざり合わず、何百mか流れながらやっと混ざり合っていく状況である。

・これはやはり“外堀の水質改善”が大きくなってくる。ある雨量を越えると下水が外堀に流れ出し、その悪い水が神田川に流れ出していくという事の繰り返しが一年中起こっている。

・雨が降らない時は良いが、降りだすと悪い影響を神田川に及ぼし、かつ日本橋川にも影響してくるので、その辺を考えるべきである。

・“水質改善”だけでなく、“景観”の問題もある。見た事のない人は解らないと思うが、異常な色の汚い水を見ると、「これが川かな」という印象を受けてしまう。

・これは下水道局の管轄になるが、やはり“下水道対策”が重要だと考える。それと同時に“外堀の水質改善”もしなければ、この問題は永久に解決出来ないと思う。

【座長】
ありがとうございます。
【都民委員】
議題としてはどういう“テーマ”になるのでしょうか。「景観も含めて水質をきれいにしよう」という事を議題として“提案”される訳ですよね。それをどういう形で“提案”されるのでしょうか。
【座長】
すみませんが、引き続いて水生生物についての報告がありますので。議題としては“水質と水生生物についての問題提起”という事になろうかと思います。

では、中央区の行政委員、水生生物についてのご説明をお願いします。

【行政委員】

中央区の環境保全課長でございます。

本日は中央区の環境保全課の仕事の一端をご紹介させて頂くという事で、この議題を提案させて頂いております。皆さんのお手元に配布させて頂いております『川の中の生き物たち』というパンフレットをご覧頂きたいと思います。

-配付資料:『川の中の生き物たち』の内容説明-

・中央区では区内の河川等の水生生物調査を実施する事により、河川の現状の把握、区民の皆様への情報提供、更には環境に絡む重要な部分について、区民の皆様と情報を共有していく為の一環として『川の中の生き物たち』というパンフレットを作成した。

・水質調査に関しては毎年実施しているが、水生生物調査は5年に1回実施している。パンフレットに記載されているのは、平成20年6月に実施した調査結果である。

・前回の水生生物調査は平成15年に実施している。

・今回は8地点で調査を実施した。具体的には日本橋川では中央大橋、神田川では浅草橋という様な事で調査を実施している。

・『日本橋川・亀島川流域連絡会』という事であるので、それに関連しては、日本橋川では日本橋、亀島川では亀島橋で調査を実施している。

・調査結果については、パンフレットの記載をご覧頂きたい。

・調査項目としては、“魚類”“底生生物”“付着生物”“水質”“底質”である。その結果をまとめてこの様なパンフレットにしている。

・パンフレットの記述は小中学生にも解るように平易に書いてあるが、水質の頁等を見て頂ければ分かると思うが、同時にデータ等も記載されているので、情報として皆様方の目にも耐え得るものとして作っている。

本日は短い時間の中での説明でございましたが、是非お持ち帰りになってご覧頂き、皆様方の日常の河川に関わる活動にお役立て頂ければ良いと思い、提供させて頂いた次第でございます。

【座長】
ありがとうございます。

何かご意見等ございましたら、宜しくお願い致します。

【副座長】
質問です。パンフレットの14頁に底生生物に関する事が載っていて、亀島橋での調査結果は、数だけで言うと他の調査地点に比べて極端に数字が多くなっています。この調査は浚渫の後に行ったのでしょうか。それとも浚渫の前に行ったのでしょうか。
【行政委員】
先程もご説明しました様に6月15日という具体的な調査日は判っているのですが、それが浚渫の前なのか、後なのかについては、申し訳ないのですが私は把握しておりません。ただ、出現種類の分析は5年に1回行っておりますので、平成15年度の調査結果に比べて出現種類数が増加している。多様性が高くなっている。特に亀島橋でアナジャコが採取されているという事で、「底質の改善がある程度進んでいる」という評価をしている所です。ご質問の浚渫前後に関しては、申し訳ありませんがここではご回答出来ません。但し、平成15年度と比較すれば、中央区の環境保全課の方では、底質が改善されてきているというデータの評価をしています。
【副座長】
それぞれの生物に関して、全く知らなくて質問をしているのもあれなのですが、これらの生物は全て水質が改善された状態で出現する生物なのでしょうか。どちらかと言うと水質の状態が悪い時に出現する生物も中に入っているのでしょうか。
【行政委員】
例えば清流に棲む魚とかそうした生物ではありません。但し、先程も言いましたアナジャコは平成15年度の調査時には亀島橋で獲れなかったものです。但し、平成20年度の調査において、個体数はあまり多くないですが獲れたという事で、先程の評価になっている訳です。ご質問にまた明確にお答え出来なくて申し訳ないですが、「この魚は水質の良い所にしか棲まない云々」という様な分析はこの調査ではしていません。
【座長】
ありがとうございます。
(3)亀島川の地域連携について
【座長】
では、次の議題『(3)亀島川の地域連携について』を都民委員の方からお願いします。
【都民委員】

・昨年、一昨年と亀島川周辺で「ボートを使って亀島川,日本橋川迄上がってみよう」というイベントを行った。

・町内会の方々にインフォメーションをして参加者を募ったのだが、町内会の連携が出来ていない為、中々人が集まらなくて大変な思いをした。

・行政やNPO法人も大切だとは思うが、地域住民が普段一番川に近いと思うので、その方々がどれだけ川に親しめるかが重要だと考える。

・地域住民といっても仕事等で大変だと思うので、1番私がネックにしているのは子供達である。

・川は小学校等には良いフィールドである。川には学習教材が沢山あると思う。先程、中央区よりご提示頂いた『川の中の生き物たち』というパンフレット等も良い教材だと考えられる。

この『川の中の生き物たち』は、学校には配っていないのですか。

【行政委員】
配っています。
【都民委員】
もし、自治体や子供会がこれを使いたいという様な事があれば、何十部とか頂けるのでしょうか。
【行政委員】
中央区の利用という事であれば、残部もございますので是非お使い頂きたいと思います。
【都民委員】

・昨年色々な自治体に呼び掛けて、子供達を対象にして亀島川で活動を行ったが、中々地域連携が出来ていないと感じた。

・町内会同士の連携も出来ていなく、バラバラの状態であった。

・亀島川流域の連携はとても難しいと思う。地域によって温度差があり、ある地域は「やろう」という意欲があるが、別の地域は全く無関心だったりという状況であった。

・『流域連絡会』等も必要とは思うが、普段住んでいる方々がイベントではなく、通常川に接しられる様な何かを常設化出来れば良いと考える。

・先程ご提案のあった船着場等も、一部の人達が使えるという事ではなく、住民が勝手に乗れるようにして頂きたい。昔の様に船で買い物に行く様な感じで使える仕組みが出来れば良いと思う。

・子供達の総合学習で川をもっと利用してもよいのではないかと考える。

・教育委員会等にすれば“川の危険”等もあるかとは思うが、“自分達が生まれ育った地元の川への愛着”も育ち、育めると考える。

・別に汚い川でも構わない、自分達が育った街の川を見て「どうすればいいのか」という課題に自分達で気付くという形で学習が出来るのではないか。

・もっと学校や教育委員会等も連携をして、川を活用して貰う様な形で提案していったらどうかと考えている。

【都民委員】
それをどういう形で“提案”しますか。それとも、そういう“希望”だという事でしょうか。
【都民委員】
それでですね、昨年、一昨年と地道ですけれど…。
【都民委員】
“活動報告”をされているのでしょうか。“提案”をされているのでしょうか。“提案”だとしたら“テーマ”何なのでしょうか。
【都民委員】
“提案”です。「子供達をもっと水辺に近づけて下さい」という事です。
【都民委員】
「下さい」というのは“希望”ですよね。
【都民委員】
「教育委員会ともっと連携をして、子供達を水辺に近づけてはいかがですか」という事です。“提案”なのですが、自分もそれはやります。ですから皆さんも「子供達をもっと引っ張り込める様な形で水辺に近づけて下さい」という事です。
【座長】
はい、ありがとうございます。
【都民委員】
只今のお話しですが、私も新川二丁目の町会に入っております。町会で色々な活動をやっておりますが、テーマである“亀島川の地域連携”について、子供達を通して亀島川の水を利用するとか、そういう連携はやっていないのですが、関心は多いに持っています。ですから、都民委員の言われた様な目的を達成するには、明正小学校とか八丁堀小学校とかそういう所に働き掛ける場合は、目的を持っている方が先ず行動して頂いて、そして町会に呼び掛けるという事をなされば良いのではないかと思います。残念ながら、こういう事に関心は持っていても、実際に活動をして、教育委員会等と一緒に行動するといった事にはなっておりません。
【座長】
はい、ありがとうございます。

私を始め今回ご出席の行政委員の多くが、今の都民委員のご提案を認識したと思います。今後具体的にどういった地域連携を図っていけるのか、それぞれ持ち帰って考えて頂けたら宜しいかと思います。

続きまして、次の都民委員からご提案をお願いします。
【都民委員】

・亀島橋と新亀島橋との間、地下鉄の八丁堀駅と茅場町駅の間に、東京都水道局所有の物置場がある。

・その川の淵をテラスとして、人の集まる場所として活用したら良いのではないかと考えている。

・先程の都民委員が提案した様な地域連携を行うにしても、何処へ集まればよいのか、そういった場所が現在はないと思われる。

・亀島橋と新亀島橋との間の八丁堀一丁目14番地14号に東京都水道局の地所があり、空地で物置場になっている。そこを活用する様に東京都の方で相談して頂いたら面白いのではないかと考えている。

・以前は亀島川にも日本橋川にも桟橋がずっとあった。木造2階建ての建物の縁側には全て桟橋が建っていた。

・当時、私の家も川の淵にあり桟橋があった。70tの焼玉エンジンの船を4隻持っていたので、船で亀島橋を潜り桟橋に付けて荷物を積み降ろししていた。昭和30年位迄は海運業をやっていたが、状況が変わってきたので船を全部処分してしまった。

・現在は桟橋も殆どなくなり、護岸も全て鉄筋になってしまい、遊覧用のボート等は係留されているが、舟運での輸送が殆どなくなってしまった。昔はハシケにダルマ船がずっと繋がっていたものである。

・話は色々になるが、昔の川は汚かった。ダルマ船にはトイレが無く、乗っている人は水上で用を足していたので、汚かった訳である。

・以前も少し話した通り、鉄筋の建物が川の淵に建ち、雨水が川へ流れないで、下水へ流すようになったので川もきれいになった。

“亀島川の地域連携”については、そういう事を申し上げたいと思います。

【都民委員】
私も提案したのですが、あまり良くない提案らしく却下されたみたいです。私が言いたかったのは、今の都民委員も言った公的スペースの有効活用について、東京都に「やってくれ」と提案した所で「これは他部局だから出来ません」で終わってしまうのです。それをやる為に、「全員参加ではなく有志を募って具体的な詰めを検討する分科会を作ろう」という提案をしました。分科会を積極的にやり過ぎると、行政が嫌がって潰されてしまうので、「行政も入り易い様な形で、尚且つ積極的に議論出来る様な分科会を是非作りましょう」という提案をしました。都民委員もそういう事で宜しいですよね。
【都民委員】
はい。
【都民委員】
都民委員が提案されていた八丁堀のスペースだけでなく、他にも公的な空間というのは大小幾つかあります。それらについて触れ合いの場であるとか、地域住民が参加をして、維持管理も地域住民がやれる場合にはやるという様な事も含めて、どうやったら提案出来るかという事を議論する分科会を作る事を提案したい。
【都民委員】
昔は木の桟橋が川の淵にずっとあったのですが、現在は殆どない。だから船はその桟橋に係留していた。桟橋がないから今言った様に水道局の地所を利用できれば良いと思う。
【都民委員】
桟橋も含め色々な空間の造り方があります。それは専門家もいますので、色々なアイデアが出てくると思います。
【都民委員】
木の桟橋の代わりに水道局の地所を利用させて貰いたい。そういう事を提案したい。
【座長】
はい、お話は承りました。

水道局の事はあまり詳しくないのですが、東京都の各企業局には水道,下水道,交通がございます。特に交通局等は資産の利活用に非常に力を入れております。水道局の事はよく分かりませんが、お話しにありました様な行政財産を他の用途に活用する場合には、色々と縛りがあり簡単には出来ない訳でございます。それを動かすには「何処をどう突付けば」という事もありますので、この件については少し勉強させて下さい。

分科会形式が良いのかはこの場では判断出来ませんが、ご提案としては非常に貴重なご意見だと思います。これも勉強させて下さい。

(4)亀島川緑化整備計画について
【座長】
時間が押していますが、最後に『(4)亀島川緑化整備計画について』都民委員の方からお願いします。
【都民委員】

・亀島川という大事な大都市の中の川が、両側をコンクリートの岸壁とその上に建つコンクリートのビルに囲まれ、何も風情がない様な、ただ川があるだけに終わってしまうのはとてもつまらない事だと思っていた。

・以前は中央区には川が多く流れており、先程の早川委員の話題にあった“大根河岸”、実は私もそこの生まれである。

・“大根河岸”も現在は高速道路になっている。高速道路になっている下も以前は全部川であり、本当に川の多い場所であった。

・戦後になって埋め立てられたり、高速道路になったり、繁華街になったりして川がなくなってしまった。亀島川は残された貴重な川の1つである。だから本当にもう少し活用して頂きたいという意見を申し上げた。

・前任者の宮本課長も色々と努力して下さり、『亀島川緑化計画(案)』が出来た時には「随分と見込みが出来て、希望が出てきた」と思ったものである。

・『亀島川緑化計画(案)』をもっと進めていって、色々と意見が出ればそれも取り入れて頂きたいと考えている。

・緑の多い、木の多いという事を基本にした上で、資料に記載してある様な特徴のある場所を要所々々に作って頂きたいと思う。

・南高橋の辺りは、隅田川に合流するので開けている所であるので、『亀島川緑化計画(案)』の様に整備されれば、散歩をするのにも良い状態になるのではないかと思い、大いに期待している。

【座長】
ありがとうございます。

引き続いて、お配りした資料の『亀島川緑化計画(案)』について説明させて頂きたいと思います。

【行政委員】
それでは『亀島川緑化計画(案)』についてご説明させて頂きます。前回お配りした資料と同じものを配布しておりまして、併せて“PowerPoint”による資料も作成しましたので、これを使って説明させて頂きます。前回は時間がなくてサラッと説明してしまいましたが、今回はこの案が出来た経緯や亀島川の現状を調べた結果、また街の状況等もこの案を作成するにあたり委託を掛けて調査をしておりますので、その辺も含めてご報告したいと思います。

-配付資料及びPowerPoint資料:『亀島川緑化計画(案)』の内容説明-

・【PowerPoint:1頁】

◎最初に“亀島川の現状”という事で、緑化の現状を調査した結果である。

◎全体的に見て区域内の緑化事業は今現在は行われていない。一部の区間において、民間企業や民地内に緑が若干見える程度である。

◎図面上でピンクに着色された区間が、何らかの護岸緑化が整備されている区間である。グリーンに着色された区間が、企業の花壇等で緑化が成されている区間である。

◎現状として、ピンクの区間と緑の区間は何らかの緑化がされているという事である。

◎かなり大きな樹木も存在するが、これは植栽されたものではなく、自生したものが成長してきたものではなかと考えられる。

・【PowerPoint:2頁】

◎亀島川周辺の利用状況であるが、亀島川には霊岸橋、亀島橋、高橋等の5つの橋が整備されている。地下鉄やJRの出入り口、オフィスビル等がかなり分布しておりまして、人の流れが多い地域である。

◎橋詰には公園等が整備されており、殆どの区間において公園植栽等があり、人々が憩える様な場所になっている。橋詰の緑で着色されている部分が、公園や植栽等がなされている箇所である。

・【PowerPoint:3頁】

◎亀島川で緑化整備を行う範囲として、上流の霊岸橋から下流の南高橋の区間を考えている。

◎上流側の日本橋水門から霊岸橋の間、下流側の南高橋から亀島川水門の間については、水門の区域という事もあり、更にテラスの整備も行われていない状況であるので、今回の緑化整備から外して考えている。

◎但し、護岸からツタを匍わす等の緑化は可能ではないかと考えており、併せて出来る様であれば、そちらも行っていこうと思っている。

・【PowerPoint:4頁】

◎今回『亀島川緑化整備計画(案)』を考えるにあたって、先ず亀島川全体をゾーン別に考え、緑化の方針を立ててみた。

◎4つのゾーン区分を考えており、1番目のゾーンは『水辺環境の向上を図る区域』として、ポイント的に整備するのではなく、区間全体として環境の向上を図る事で、まとめて緑化していこうと考えている区間である。

◎2番目のゾーンは『親水性の向上を図る区域』として、なるべく遊歩道等を設けて、人々が水辺に近づける様な親水性を持った緑化を併せて考えている区間である。

◎3番目のゾーンは『水辺景観の向上を図る区域』として、先程申した様に橋の数が多いので、橋梁から見た視点での水辺の緑化を考えている区間である。

◎4番目のゾーンは『水辺利用の向上を図る区域』として、親水性の向上を図る区域という事で、水辺に近づける様な整備を考えている区間である。

◎図面上緑で着色されている区間は『水辺環境の向上を図る区域』と『水辺景観の向上を図る区域』を併せて整備をしたいと考えている。

◎この区間は、テラスへのアクセス通路の確保が中々ない箇所である。先程都民委員から提案があった水道局の用地もこの区間にあるが、それらが使えるという事になればこの辺も変わってくるという気はするが、現況調査をした段階ではテラスへのアクセスを確保するのは中々困難な区間である。

◎それから川沿いにはオフィスビルだけでなく、住居系の建物も幾つか存在しており、住居の前を人々が行き交うというのも問題があるので、緑の区間については緑化だけを考えている。

◎図面上オレンジで着色されている区間は、テラスへの複数のアクセス通路が確保出来る区間であると考えられている。

◎この区間は、橋詰の緑地,公共用地等があるので、こういった箇所を利用してテラスへの侵入が可能な区間である。

◎現段階においては以上の様に考えているが、今後中央区や土地の所有者との協議もあり、また都民委員の提案された土地の件もあるので、緑とオレンジの区間については今後動きがあるかもしれない。内容が固まった時点で再度報告させて頂きたい。

◎色々制約はあるが、なるべくオレンジの区間の様に、水辺に近づける遊歩道を整備したいと考えている。

◎最後に図面上青で着色されている区間は、今回の緑化整備における中心的なゾーンと考えている。

◎この区間は、テラスの幅も広く、最大で8m弱の所もある。また護岸の背後には区有地があり、植栽もされているので、それらと一体とした整備が可能である。

◎それからテラスの延長もかなりあるので、テラスへのアクセスも充分可能であり、スロープ等も設置出来るので、人々が水辺に親しみ憩う事が出来るゾーンとしての整備を考えている。

・【PowerPoint:5頁】

◎ゾーン別の緑化の断面計画案であるが、配布資料の『亀島川緑化計画(案)』にも記載してあるので、併せてご覧頂ければと思う。

◎青で着色されている区間は『親水性の向上を図る区域』『水辺利用の向上を図る区域』である。

◎高橋下流の右岸側には植栽マスを設置し、ある程度大きな木を植えられるのではないかと考えている。河川区域内であるのであまり大木という訳にはいかないが、河積を阻害しない範囲で植えていきたいと考えている。先程「出来れば木陰になる様なものを」というご意見もあったので、日除けも兼ねられればと考えている。

◎平らな部分には芝を張り、テラスの階段部分には水生植物を考えている。水辺に近づける様にウッドデッキ、更に転落防止柵を兼ねた高欄の設置も考えている。それから護岸の壁面にはツタ等を匍わせて、緑化を図っていきたいと考えている。

・【PowerPoint:6頁】

◎只今説明した青の区間についての整備後のイメージ図である。

・【PowerPoint:7頁】

◎次に先程説明したオレンジの区間は、散策路を設けた整備を考えている区間である。

◎この区間については、テラスの幅が元々あまり広くないので、緑化等を進めると更に狭くなってしまう為、先程と同様にウッドデッキ、転落防止柵を設置して、散策し易くすると共に、水辺に近づき易くする為の整備をしていきたいと考えている。

◎緑化の方法としては、先程とほぼ同様であるが、護岸際に植栽マスを設けて低木を植え、併せてその横に芝を張る。護岸にはプランター・ユニット型を考えている。

◎プランター・ユニット型については後程説明させて頂く。

・【PowerPoint:8頁】

◎只今説明したオレンジの区間についての整備後のイメージ図である。

・【PowerPoint:9頁】

◎最初に説明した緑の区間は緑化だけを行う区間であり、人々の散策は考慮していない。川やビルの上、橋の上等から緑化を眺めて貰う為に計画した区間である。

◎但し、維持管理は必要になってくるので、清掃時の通路が必要と考えている。将来的に管理をする中央区と今後協議をしながら、清掃用の通路等を設ける必要があると考えている。

・【PowerPoint:10頁】

◎只今説明した緑の区間についての整備後のイメージ図である。

・【PowerPoint:11頁】

◎現在は剥き出しのコンクリート護岸が立ち上がっているので、この護岸をどの様に緑化をしていくかが一番のポイントになる。その方法について現在考えている案を説明させて頂く。

◎まず一番左側、緑化のタイプとしては『直接護岸型』『巻きつき護岸型』という事で、護岸の際に植栽マスを設置して、ツタ等を植えて上に匍わすという方法である。

◎特徴としては、放置すると著しく繁茂し、不快な印象を与えていくという事が挙げられる。

◎護岸の背後に直ぐ道があるので、手入れをしないとそちら迄匍っていって、迷惑をかけてしまう恐れがあるという事で、こまめに維持管理をしないといけない方法であると考えている。

◎但し、維持管理については水遣り等の最も簡単なものだと考えられる。

◎この方法は、緑化だけを考えている区間に適用しようと計画している。

◎2番目は『下垂型』という事で、このタイプは先程とは逆に、上から下にツタを匍わせる方法で、現在、中央区や千代田区が日本橋川や神田川で実践している方法である。

◎護岸の民地側にマスを設け、その中にツタを植えて護岸の川側にツタを匍わせていく方法である。

◎但しこの方法は若干のスペースが必要で、あまり住宅が護岸に近接していると植えたツタが民地に入ってしまったり、プランターそのものが設置出来なくなってしまう事があるので、場所の選定が非常に難しいと考えられる。

◎南高橋の所に多目的広場というか広いテラスがある。そこは護岸の背後に道路が通っていて、更に区有地がある。そこであれば、この方法は問題なく出来そうであるので、この方法で緑化を進めていこうと考えている。

◎3番目は『プランター・ユニット型』という事である。

・【PowerPoint:12頁】

◎これがプランター・ユニットの図面である。パネル式の製品で、パネルに既に植栽の為の穴が空いており、その中に草花を植え、パネルをアンカーで護岸に取り付ける。更にパネルと護岸の間に土を入れていく方法である。

◎金額的にはツタを匍わせるだけの方法に比べて、かなり高価になる。

◎但し、草花を植えれば、短期間で緑化の効果が表れるので、この方法は人々が散策出来る区間に適用していこうと考えている。

・【PowerPoint:11頁】

◎4番目の『壁面植栽型』という事で、このタイプは護岸にマスを作り、中木,低木等を植えていく方法である。

◎この方法だと木が枝を張ったりする事があるので、こまめな維持管理が必要になってくると考えている。

・【PowerPoint:13頁】

◎次に“テラス部の緑化”について考えた案である。

◎先ず、川側にブロックで土止めを行い、次に現在出来上がっているテラスのコンクリートの上に排水層を敷き詰め、更にその上に土を入れ、そこに主に芝になるが、植栽を施す。

◎テラス部の緑化についてはこの方法を考えている。

◎散策路として考えているゾーンには、更にその上に通路部分としての舗装を考えている。

・【PowerPoint:14頁】

◎次に“護岸の階段部の緑化”と書いてあるが、これは“テラス部の階段部の緑化”の誤りである。

◎テラス部には部分的に階段状になっている箇所があり、そういう所に水生植物の植栽を考えている。

◎川からの見た目も重要であるので、“美観に配慮する”及び背後に水生植物を植える際の“土壌の吸出し防止”を兼ねて、川側に擬木と玉石を設置し、その後に土壌部分を構築し、その中に水生植物を植栽していこうと考えている。

◎今回紹介しているのは、昨年度設計委託を出し検討した案であるが、元々は中央区の案があり、それに若干手を加えて整備の案としてまとめたものである。

◎アクセス通路の場所やスロープ等の構造、植物の種類等も未だ正式には決まっていない。

◎また、皆さんもご存じだと思うが、係留船も非常に多い区域であるので、緑化にあたってはそれが支障になってくる事もある。今後は係留船の対策等も併せて進めなくてはならないと考えている。

◎今後の整備のスケジュールとしては、現在の案を叩き台として、今年度更に詳細な設計を実施し、来年度の工事着手を考えている。

◎今の所、3箇年程度で完成させたいと考えているが、係留船問題等の不確定な要素も多々あるので、多少整備期間が延びる事も考えられる。

◎今年度、委託に出し、更に詳細な案を詰めて、この『流域連絡会』の中で皆様に再度お示しして、色々ご意見を頂いて、整理していく。

何れにせよ、この都心部の貴重な水辺空間を有効活用する様に我々も頑張っていきたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。

【座長】
時間が押しておりますが、只今説明させて頂いた『亀島川緑化計画(案)』について、何かご意見はございませんでしょうか。
【都民委員】
2つ質問したいのですが、説明の最後の方に「玉石を設置して」というのがありましたが、それは今ある護岸の段の外側部分を少し削って玉石を入れる格好になるのですか。
【行政委員】
そうです。細かい所迄は詰めていないのですが、段があまり大きくないので多少削る様な形で整備します。
【都民委員】
考え方だけで結構です。そこ迄やろうとしている訳ですね。
【行政委員】
そうです。
【都民委員】
それは中々良いと思います。今迄の考え方だと、既存の施設は壊さないで整備するのが原則でしたから。
【行政委員】
上の段の部分は護岸に直接影響のない部分ですので、若干削っても問題はないかと考えています。
【都民委員】
解りました。

もう1つは、転落防止柵ですが、横浜の“みなとみらい21”等ではアールを付けて海側に出ている様な転落防止柵になっています。材質はステンレスか何かですが、私は木の方がより良いと思うのです。木の転落防止柵にアールを付けるのではお金が掛かり過ぎるとは思うのですが、例えばストレートの転落防止柵ではなく、川側に少し出して見たら直ぐ川だと分かる方がより臨場感も出ると思います。そういった設計は全然考えていないのでしょうか。或いは考えられないのでしょうか。

【行政委員】
先ず材質に関して言いますと、木も良いとは思うのですが、やはり何年か経つと腐ってしまい、維持管理費が非常に掛かってしまいます。個人的には木はあまりこういった所には使わない方がよいと考えます。その辺については、将来的な管理は中央区になりますので、中央区と相談した上でという事になるのですが。
【都民委員】
それから転落防止柵の高さですが、設計基準等で定められた高さがあるのでしょうか。或いは任意で「ここの地区はこれ位でよい」等の議論をすれば、その高さに落ち着くものなのでしょうか。
【行政委員】
隅田川等を見て貰うと大体同じ高さで造られていると思うのですが、あれが90cmという高さです。これについては東京都で内規を作って決めている高さです。90cmというのは、テラスについては自転車が入って来ない事が前提ですので、人が立って覗いても危なくない高さという事で決めております。今回についても90cmという高さは統一していきたいと考えております。

但し、転落防止柵のデザインにつきましては、地元区の意見や委員の皆様の意見も色々とあるかと思います。今年詳細な設計を発注していきますが、その中で幾つかの案を作って皆様にお示ししたいと考えております。

【都民委員】
90cmというのは少し高い様な気もするのですが。
【行政委員】
180cmの身長の人ですとその半分という事で、当然上の方が重い訳ですから。まあ、180cmが平均ではないとは思いますが。
【都民委員】
九州の柳川は殆んど柵等はないですからね。自動車が通る道路でですよ。それでも全くありません。夜中酔っぱらっていたら落ちてしまう様な造りになっています。そういう所もない訳ではないのです。20年程前になりますが、神田川でも当初は随分議論しました。いかにも高くて「もっと低い方がいい」とか「もっと川に近づきたい」とか。最終的には「自動車が通る道路なので柵の高さは決まっている」という事で押し切られてしまったのですが、柵が高すぎると川との一体感がなくなってしまうのです。
【行政委員】
確かに川に近づくには柵が低い方がより良いとは思います。ただ、東京の河川は一旦落ちると水深が深く危険な所も多いので、やはり90cmという高さで統一してやっていきたいと考えております。
【座長】
ありがとうございます。
4.その他(意見交換)
【座長】
大変申し訳ないのですが、会場の使用時間等もありますのでこの辺で…。
【都民委員】
一寸いいですが。5分位、いやっ3分位なのですが。聞きたい点があるので。
【都民委員】
私は少し位延びてもいいです。
【事務局】
会場の方が駄目でして、使用時間がありますので…。
【都民委員】
神田川の下流域で暴走族が大変なのです。要するにモーターボートでガンガン突っ走るのです。舟運の話がありましたが、エコボートも和船もとてもではないが怖くて浮かべられない。1日約80回もです。規制がない訳です。海上保安庁がある程度規制はするものの全く野放しという中で、私も船に乗りました。2度乗ったのですが堪ったものではありませんでした。

そこで調べてきたのですが、7月29日に富山県と富山市で共同してエコボートを走らせるそうです。2.3km、いずれは駅前の環水公園から岩瀬迄の5.0kmに延ばす予定だそうです。これは社会実験なのです。河川の社会実験,道路の社会実験,バスの社会実験等、国土交通省所管で色々な社会実験を何処でもやっているのです。しかし東京では全然やった事がない。「何故お膝元の東京でやらないのですか」という質問と、是非社会実験をある区間の2.3km、つまり先程申し上げた仙台堀のゾーンだけでもいいので、土曜日と日曜日だけシャットアウトして、和船やエコボートといった波があったら走れないようなボートを浮かべて、お客様から料金800円を取ってですね、そういう事が出来ないでしょうか。これは先程都民委員から提案が出た分科会の様な所で検討してもよいのではないかと思います。これは東京都が文京区とか千代田区とか中央区とか、そういう区が受け持ってやらなくてはいけない。我々がいくら大きな声を出しても民間では全く話にならない。国に散々電話で聞きましたが、「あなたはコンサルタントですか?設計事務所ですか?」と聞かれました。コンサルタントや設計事務所では協力はして頂けますが、国から4年間で1億8千万円お金が出るそうです。国土交通省から整備費が出るそうです。ですから、社会実験をやるというテーマの下であればお金が国から出る訳です。東京オリンピックが10月2日に決まったらどうするのですか。それから7年間で何が出来るのですか。私は社会実験以外に一番有効な方法はないと思うのです。それは和船を浮かべるという事です。私が展覧会を開いた時に一番質問が多かったのは、外国人のツーリストオフィスでした。「いつから始めるのか」という事です。お金を取っても和船だったら外国人は乗るのです。それ位観光は大事です。河川も緑化も人様に見せる、市民が見せる、区民が見せる、子供たちがそこで遊ぶ、そういう環境作りが、ある目標をもって3年,4年,5年という社会実験のテーマを実施なさったら如何でしょうか。という様な問題提起をしたい。

【座長】
ありがとうございます。
【都民委員】
最後に今後の進め方について、自己紹介は毎回やっていますからいらないと思います。

それからもう1つ、提案の際には資料を提出して、それで情報提供は済ませて頂きたいと思います。

あと、ここはやはり『日本橋川・亀島川流域連絡会』ですから、私が期待して来たのは『亀島川緑化計画(案)』でした。これは去年からお話しがあり、今年はどの様に進めていくのかとか、先程の説明では来年度から始めるという事でしたので、私も質問や行って頂きたい提案がありました。しかし今回はそういった時間を取って頂けなかったので、次回はなるべく早く『亀島川緑化計画(案)』について議論出来る様にして頂きたいと思います。
【都民委員】
すいませんが1分だけ。『河川整備計画』がこの後、学識経験者へ移ってしまうという事でしたので、最後に一言だけ意見を申し上げたい。平成17年9月に上野の方で浸水被害が起こりました。あの時は干潮でしたし、下流の方には高潮の堤防護岸がありますので、下流側は助かったのだと思うのですが、今度上流側が拡幅されます。調整池等が出来るので上手く相殺されると思うのですが、平成17年9月程度の雨が降った場合に、今度は拡幅されている分上流側の抜けがよくなる訳ですので、下流側が危なくなると思うのです。下流側には常盤橋等の幅の狭い所、或いは銀座線があって河床をこれ以上掘削出来ず、川底の容量が確保出来ない所があると思うのですが、そういう所の問題点が『河川整備計画』の中には抜けていると思います。仕方のない事かもしれませんが、そういう課題を明らかにしておいた方が良いのではないかと思います。

もう1つは、「ここは河道が狭いから、万が一の時は溢れる可能性がありますよ」とか、「古い橋で護岸が低いので、万が一の時は越水する可能性がありますよ」という箇所が日本橋川にはあると思うのです。そういう情報をハザードマップだけではなくて、水防上溢れる可能性がある箇所を、情報提供として住民の方々にお知らせした方がよいと思います。

以上の2点を『河川整備計画』の課題として挙げた方がよいのではないでしょうか。「浸水被害だけではなく、川の溢れるポイントがここにあるよ」という事はお知らせした方がよいのではないかという事を申し上げます。

【座長】
ありがとうございます。

最後に副座長の方から。それでもう終わりにします。

【副座長】
どうも皆様熱心で、時間が幾らあっても足りそうもないので大変感動しています。

先ず『亀島川緑化計画(案)』について一言だけ質問というかお願いがあるのですが、アクセスする階段が水面との距離が近いので、なるべくスロープに、言うなればバリアフリーにして頂きたい。私は水面活用の究極は“自動車が水の中に入れるようになる事”だと考えています。それを考慮に入れたら如何でしょうか、と以前からお話ししています。

それから、今回『亀島川緑化計画(案)』の説明で使われていた“PowerPoint”の資料を今度の私達の展示会に貸して頂けないかという事です。実はCRTディスプレイでインフォメーションが出来る装置があるので、幾つかの“PowerPoint”資料を流しておきたいと思っています。こういう資料を区民の方たちに、“計画案”として披瀝する事が出来れば、それも1つのPRの仕方ではないかと思うのです。

それともう1つは、展示会当日は今日の様に意見が沢山出そうですので、ご案内の資料にも書きましたが、自由参加のシンポジウム、言うなれば意見交換をしましょうという事です。会場の一階に、外なのですがテラスがありますので、そこに椅子を20脚程用意しますので、午後1時~3時位迄「自由に意見交換をしましょう」というつもりです。区民の方、役所の方にもご参加頂いて、ある枠を超えた意見交換会に出来ればと思っています。

もう1つ、これも検討に加えて頂きたいのは、亀島川にある水道局の地所の活用等に関して考えておられる中で、委員の皆さんの場をそういった所に造るというのも、1つの考え方ではないかと思います。色々なスペースの使い方の提案にそれもお入れになったら如何でしょうか。幾つかの問題提起や意見を申し上げましたが、時間もありませんので。

【座長】
ありがとうございます。
5.閉会
【座長】
本日は非常に活発なご意見をありがとうございました。

それでは議事を事務局にお戻ししたいと思います。

【事務局】
座長、ありがとうございました。

本日は議題を大分欲張りすぎまして、予定時間を1時間近く超過してしまいました。申し訳ありませんでした。先程、都民委員からも議事進行につきましてご意見を頂きましたので、そういう事も踏まえながら、次回はもう少しスムーズな運営に努めたいと思いますので、宜しくお願い致します。本日は熱心なご討議ありがとうございました。

【都民委員】
次回の『日本橋川・亀島川流域連絡会』の開催はいつ頃ですか。
【事務局】
10月か11月頃の開催を予定しています。
【都民委員】
なるべく早めにお願いします。

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